直近の衆院選から「戦後3番目」の短さ、解散から投票日までは「戦後最短」で衆議院議員選挙が行われます。新年度予算も放り出し、支持率が高いうちにやってしまえという、高市早苗による全くの自己都合選挙が「850億円以上」もの税金を使って実施されます。850億円もあれば、今般の豪雪被害をはじめ、どれだけの人が助かるでしょう。おにぎり1個、パン1個の配布に並ぶ人たちの生活状況をどれだけ改善できるでしょうか。

 

 自己都合のドタバタ選挙で驚かされるのは、各種報道機関の予想において、与党で過半数どころか、自民単独で圧勝とされていることです。高市の戦略がまんまと成功ということなのか。支持率も相変わらず高いということですが、私には、高市政権の何に期待して票を入れるのか、理解不能です。大丈夫ですか、この国。

 

 今回の解散総選挙には、市民を政治から排除しようという自民党の権威主義的体質が如実に表れています。政治について議論させない、考える時間を与えない、意思決定から排除するという姿勢が見え見えです。体裁だけ整え、批判の声を封殺すべく、とにかく短期間で事を済ませようという見え見えの選挙です。

 

 投票しようにも、解散から選挙まで短すぎて、都道府県選挙管理委員会が万全の態勢を組むことすらできない。豪雪に見舞われている北国では、準備はもちろん、投票も大変。受験シーズンだから18歳、19歳あたりは、当然そっち優先。結果的に投票率が下がれば、組織票を固められる自民党に有利(その昔、正直者の森喜朗は「無党派層は寝ていてくれ」と口にしていました)。

 

 解散から選挙まで短くなれば、それだけ、情報が提供される時間、市民が考える時間は短くなる。もちろん、選挙までの時間が長くなったとて、SNSはフェイクだらけ。「停波」をはじめとする圧力や脅しに屈しがちなテレビ・新聞にしても、どれだけまともな報道をするかは分かりません。でも選挙期間が長ければ、それなりにマスコミの矜持を見せることもあるでしょうし、「文春砲」のようなゲリラ戦を挑むことがあるかもしれません。

 

 短期間選挙のなか、形式的にせよ行われるNHKの日曜討論さえ、自らの統一教会問題で追及される気配を察知したか、高市早苗はトンズラして、遊説に出かけました。トコトン不誠実、国民を小馬鹿にした政治家です。それでも、高支持率。どこを、どう評価しているのか、まったく分かりません。大丈夫ですか、この国。

 

 自民党圧勝ののち、待ち受けているのは、さらなる物価高。アベノミクスの異次元金融緩和が日本経済に与えた「異次元の重荷」はさらに重くのしかかってきます。これは与野党同罪かもしれませんが、消費税減税など物価対策にはなりませんし、現状で消費税廃止となれば、最終的なしわ寄せは社会的弱者にもたらされることになるでしょう。

 

 高市首相の不用意な国会答弁で対中関係が悪化したまま、自主独立どころか対米盲従の自縄自縛にある状況下、軍事予算も急拡大するでしょう。トランプ政権はあと3年続きます。対GDP比2%どころか、近いうちに5%も射程に入るでしょう。トランプ大統領は今回の選挙に口先介入し、高市政権を支持する旨、SNSに投稿しました。他国の選挙に口を挟むなど相変わらずですが、高市政権なら、自分の思うつぼで操れると踏んでのことでしょう。

 

 消費税減税も軍拡も財政への負担となりますから、財源が明示されなければ、あるいは財源がさらなる国債発行であるとするなら、日本の長期金利は上昇し、トリプル安によって経済が悪化するかもしれません。円安は物価をさらに上昇させます。軍事予算のために他の項目が減額されれば、生活苦はさらに重くのしかかってきます。大丈夫ですか、この国。

 

 「憲法を改正させてください」などと言っているわけですから、自民圧勝となれば、維新・参政などと手を携えて、日本国憲法の改正に突き進むのも明らかです。自主憲法制定などと言いますが、押しつけ憲法がギリギリのところで守ってきた対米追従最後の歯止めを失うことになるでしょう。普通に戦争する国に、また一歩近づくことになります。大丈夫ですか、この国。

 

 多様な社会の構築はまた遠ざかります。選択的夫婦別姓すら進めないわけですから、ジェンダー平等の実現は遠のきます。昨年の参院選で「捏造」された「外国人問題」はおかしな方向で決着し、日本は外国人にとってますます住みにくい国になり、経済・社会の担い手を失うことになるでしょう。大丈夫ですか、この国。

 

 労働規制が緩和され、長時間労働容認の方向に逆戻りして過労死が増大。原発再稼働ばかりか、新設・増設に向かってまっしぐら。唯一の戦争被爆国・日本で非核三原則が見直され、核保有すら現実味を帯びてくる。本当に大丈夫ですか、この国。というか、高市支持者は、このあたりのことをきちんと認識しているのでしょうか。それでも高市支持なのでしょうか。

 

 普通なら自民党寄りの姿勢を取ることが多い財界御用の『日本経済新聞』でさえ、今回は様々な形で警鐘を鳴らしています。財政問題が多くなるのは仕方がありませんが、時には「経済分析」の紙面まで使って,これから進められようとしている政策に対し、様々な批判や提言をしています。

 

 今回の選挙結果は歴史的分水嶺となるかもしれません。「日に日に世界が悪くなる」予感ですが、まだ結果が出たわけではありません。私たち以上に高市政治の被害を受けることが明白な若者の投票行動に一縷の望みを託したいところです。