こんにちは。素敵なひとり暮らし、実家暮らしを応援します!
おへやニストの芝垣茜です。
さあ、年内もいよいよ残すところ10日もない……。
いつもこの時期に「今年の目標が達成できていない」と焦る私ですが、それはさておき、年末年始も仕事の予定なので、慌ただしく年を越しそうです。
さて、当ブログの「お気に入りの本」は新旧取り混ぜて私が愛読しているものを紹介しております。今回はいつか紹介したいと思っていた、マザー・グースの本について。
マザーグースですが、詳しくは知らなくとも、英米の絵本や童謡として広く浸透しているものだということはご存知の方も多いでしょう。その詩は1000篇以上に及ぶのだとか。
その中で、私の最もお気に入りはこちら。
和田誠・訳 『オフ・オフ・マザー・グース』
和田誠氏はイラストレーター、映画監督、映像監督として活躍されている方ですが(週刊文春の表紙などを描いてますよ)この翻訳には驚かされました。
日本でも多くの方が翻訳を手掛け、絵本が出版されているマザーグースですが、和田氏の翻訳で一番の特徴は、日本語での押韻を気にしていることだと言えます。
歌などもそうですが、英語の詩はセンテンスの末尾にくる単語が、同じような発音の単語をもってくることで韻を踏むという楽しさがあります。この和田氏の翻訳は、日本語に翻訳する際にもそこを忠実に再現していることがうかがえるのです。
歌は六ペンス ライ麦いっぱい
二十と四羽の つぐみ入りのパイ
(本文『歌は六ペンス』より)
ベッドへゆくにはローソクのあかり
首を切るにはでっかいまさかり
(本文『セント・クレメントの鐘』より)
二十と四人の仕立て屋さんが 殺しに行ったカタツムリ
中でいちばんの男でも しっぽにさわるのさえも無理
(本文『二十と四人の仕立て屋さん』より)
グリム童話もそうですけど、マザー・グースの詩もちょっと怖い雰囲気があったりしますよね(^_^;)
ミステリーにもマザー・グースにちなんだものが登場することがしばしば。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」はマザー・グースの『10人のインディアン』の詩になぞらえたものであることも有名です。
本書は翻訳された詩と原詩の両方が楽しめる内容なので、読み比べてみるのも楽しさのひとつ。
レトロなイラストがまた私好みなのも、お気に入りの理由です。
本書の挿絵は18、19世紀のイギリス、アメリカの木版画を用いているそうです。そのまま使用しているものや、描き足したり、削ったり、コラージュなどをしたものもあるのだそう。この本が持つ世界観に本当によくマッチしていますよね。
さて、この辺りから芝垣茜のマニアック情報です(笑)
この『オフ・オフ・マザーグース』には、実はCDというものが存在します。
CMソングなどを数多く手がけてきた、櫻井順氏による作曲です。
このCDに参加されている方々がなかなか……!(笑)
どうでしょう、そうそうたる顔ぶれではないでしょうか。
個人的に島田歌穂さんのファンである私は、高校時代にこのCDを探したのでした。
『悪魔』の詩をデーモン小暮閣下が歌っていらっしゃるのですが、これがなかなかの迫力です。やっぱり高笑い(笑) しかも「悪魔がやっつけられる歌で参加し、度量の広さを見せてくれた」という紹介文を読んで噴き出してしまいました( *´艸`)
他にも井上陽水氏、忌野清志郎氏など、なかなか驚かされる方々も名を連ねていらっしゃいます。
ちなみに、和田誠氏と櫻井順氏ご両名は、谷啓さんが歌う『質草さらば』にコーラスとして参加されています。これがまた、ちょっと楽しそう。
世界中でも親しまれるマザー・グースですが、この『オフ・オフ・マザーグース』は特にお勧めしたいです。そして『オフ・オフ・マザー・グース』には続編があります↓
もちろんCDも存在するのですが、残念ながら私の手元にはありません。
この記事を書いていたらほしくなってきましたので、買っちゃおうかしら。。。
いっそう、マザー・グースの世界観に浸ってみるのもよさそうです。