こんばんは!
今回は、定時制での私のとても思い出深い出来事を書きます。
これは恋とまではいわないまでも、少しだけドキドキした出来事です。
定時制高校だからこそ体験できた思い出ですね。
定時制(夜間高校)は、全日制(昼間の一般的な高校)と同じ教室を使用して授業を受けます。
全日制の生徒は午後4時頃までに全員教室をあとにして、その後、空になった教室を定時制の生徒が利用するという形です。
定時制の生徒が登校する時間になると、全日制の生徒は教室に入ることが原則として許可されません。
忘れ物をした場合などは例外です。
そして勉強机も共有で、昼間に全日制の生徒が使っていた勉強机を定時制の生徒が使います。
ある日、この共有している勉強机で、ちょっとした出来事が起きました。
私がいつものように授業を受けていると、自分が座っている机に落書きがあるのを発見しました。
全日制の生徒が昼間に書いた落書きです。
落書きの内容は他愛のないものだったのですが、私はなんとなく消しゴムでその落書きを消しました。
しかし翌日、机には再び同じ筆跡で落書きが書かれていました。
私もまた再び消しゴムでそれを消しましたが、その翌日もやはり新しい落書きがその机にはありました。
特に不快になっていたわけではありませんが、これは何度消しても無駄だろうなと悟った私は、その落書きのすぐ下に「落書きをするな~」という文とともに、ちょっとふざけた絵を書きました。
あんまりストレートに書くとトラブルになりかねないので、ややフランクな感じで書いたんです。
すると翌日、前日の落書きがすべて消された上で、新たに「さーせん(笑)」という文とともに、向こうが描いたと思われる何かのキャラクターの絵が添えてあったんです。
ちなみに「さーせん」とは「すいません」をくだけた表現にしたものです。
向こうが描いた絵が落書きにしては結構上手だったのもあり、私はその落書きの下に「ってか絵上手だね」と書きました。
そして翌日、机には向こうからの返事の落書きがあり、「イラストレーター目指してるんで!そっちも上手でしたよ」という文がありました。
私自身、実は中学生の頃まで漫画家を目指していた時期があり、当時熱心に絵を描いていたのもあって、そのことをやはり落書きという方法で向こうに伝えました。
そして翌週、机に「机の中を見てください」という文があり、中を見てみると折りたたんだ一枚の紙が入っていました。
その紙には、向こうの子が描いたと思われるオリジナルキャラクターのイラストがありました。
プロレベルとまではいわないまでも、なかなかの腕前でした。
少なくとも中学卒業と同時に漫画家を諦めた私よりもはるかに上手でした。
正直言って結構驚いていたので、私は率直に感動したことを伝えるメモを机の中に入れた上で、「返事を机の中に入れました」というメッセージを机に書いてその日をあとにしました。
そのまた翌日、再び机の中を見るよう促す落書きとともに、新たなイラストが描かれた紙が3枚入っていました。
最初の1枚よりも丁寧に描かれたその絵は、本気で夢を追ってるんだなと思わせるのに十分な内容となっていました。
なにかの動物の絵(モンスター系)でしたね。
そしてそこには、これまでのようなメモではなく、しっかりとした手紙が1枚含まれていました。
そこには、向こうの人が高校三年生の女子生徒であることが書かれていました。
さすがに名前は書かれていませんでした。
正直に言います。
正直、ドキドキしました。
まぁ、だってそりゃそうでしょう!
建前とか綺麗ごと抜きで、私と同じ机を使用してる女子生徒と落書きでメッセージの交換とか、それなんていうラノベだよ!って感じですもん。
少女漫画とか恋愛小説でしか見たことのないような出来事に、当時私は21歳の成人男性でしたが、ぶっちゃけかなりドキドキしました。
だってさぁ、こんな状況でドキドキしない男性のほうがむしろおかしいでしょう?
誰だってときめくだろ、こんなん!
昭和の恋愛ドラマかよ!ってなぐらいの、ベッタベタな状況ですからね。
とはいえ私も大人という立場上あまり深入りはしないよう自分に言い聞かせつつ、返事の手紙を書きました。
嘘いつわりなく、正直に私が21歳の男性で、定時制に通う成人した生徒であることを伝えました。
翌日、相手からの返事の手紙が入っていました。
内容は、向こうもまた相手(私)が男性であったことに驚いたこと、そして成人しているとは全く思っていなかったことが書かれていました。
無理もないと思います。
全日制の生徒の大半は、高校は16~18歳の子が通学するという認識のもとで生活しています。
定時制の存在こそ知っていても、成人した大人が高校生として通っているというのはなかなか想像はできないものだと思います。
手紙には、その子がイラストレーターを目指しながら日々努力していること、卒業後は専門学校に進学することなどが書かれていました。
明確な目標を持ち、具体的に行動をしているその姿勢はとても輝いているように私は感じました。
そして手紙には、新たに描いたのであろう新作の絵が添えられていました(手紙と同じ紙に描かれていました)。
やはり上手でしたね。
プロを目指してるだけはあります。
私のために新たに絵を描いてくれたことのお礼として、昼間私が働いているスーパーマーケットでチョコモナカ菓子(リスカというメーカーの)を2個購入し、返事の手紙とともにそれを渡しました。
下心…
んー、あったのかな。
あったんでしょうね、きっと。
もうこの際だから全部正直に言いますよ。
ちょっと気にはなってました。
そりゃそうですよ。
姿も名前も声もわからないので、まぁ、勝手ながら私の理想に近いような女性像を想像したりもしました。
キモいと言われようが構いません。
こんな状況、男のロマンじゃないっすか!
ちょっとアンニュイな感じの女性を思い描いたりしました。
それこそ今でいうところの、平手友梨奈みたいな美少女を勝手に想像してました(ーー;)
もちろん当時まだ欅坂46自体存在してなかったけど、ようするにそんな感じの子を想像してました。
翌日、相手からはお菓子のお礼の手紙とともに、その子が好きだというお菓子が入っていました。
ジャイアントカプリコとラムネ菓子でした。
そしてなんと…
携帯電話のメールアドレスを書いた紙が添えられていました。
この展開、予想はしてました。
年頃の高校生ですから、アドレス交換はしたくなりますよね。
でも私はそのメールアドレスに連絡はしませんでした。
理由は、なんとなく怖かったからです。
たかがメールの交換だと思うかもしれませんし、自惚れんなよとも思われるかもしれません。
でもやはりどこか不安だったんです。
というのも、全日制と定時制の違いって、ただ単に昼間と夜に学校に行くってだけじゃないんです。
定時制高校って一般的に想像される高校とはかなり毛色が異なっていて、多種多様な人種もいるし、学校生活そのものも独特なリズムで展開されます(すいません…わかりにくい表現で…)。
アングラっぽい空気って言ったら定時制の生徒さんに失礼ですけど、全日制ほど賑やかじゃないというか、定時制は部活動も事実上無いに等しいし、21時に授業が終わったあとに夜遊びして帰る生徒とかも沢山いました。
何が言いたいのかというと、大げさに聞こえるかもしれませんが、全日制と定時制って住んでる世界が違うんですよね。
私もそうですが、定時制の生徒は全日制の生徒にちょっと苦手意識というか、もっとザックリ言っちゃうとコンプレックスのようなものを感じてる生徒さんが結構いるんです。
全日制の生徒さんは、んー上手く説明できないんですが、明るいオーラというか輝いてる感じがするんですよ。
制服も着てるし、学校イベントの規模だって全日制は盛大に開催されます。
そんな意識もあり、私もその状況にちょっと魅力を感じつつも、どこか臆病で冷静な自分もいてメール交換までには踏み込めなかったんです。
だってメールアドレスを交換したら、手紙の交換と違っていつでもメッセージのやり取りができるようになるじゃないですか。
正直それもちょっとな…という感じがして、手紙という形のほうが妙にバランス取れてていいかなとも感じたんです。
定時制の女子生徒とは普通にメールで会話したりはしてましたが、全日制となるとやっぱり少し身構えてしまうんですよね。
そのような理由により、それ以降も手紙だけのやり取りを続けました。
自分からお菓子を送っといてメルアドは無視ってのも、なんかひどい奴だなぁとは自分でも感じました。
でも手紙の子はその後も気さくな感じで手紙の返事をくれて、そのやり取りは約3ヵ月間ほど続きました。
さすがに毎日手紙の交換をしてたわけでもなくて、返事が数日後というのも多々ありました。
私も忙しい時は返事を出せませんでしたから。
そしてその手紙のやり取りは、ある日突然パッタリと終わりを迎えました。
理由は、おそらく卒業です。
相手は高校三年生で、手紙のやり取りを始めたのは冬でした。
私が最後に手紙を出し、その返事が来ない形のまま春を迎え、そして春休みを挟んだのちに新学期へと移りました。
相手の子は当然ながら、もう学校にはいません。
私のほうは卒業はまだ先だったので定時制に残ったままです。
ただ、私が「おそらく」卒業と書いたのには理由がありまして…
この記事を読んでる皆さんもお分かりいただける通り、
まぁ…
お別れの挨拶の手紙が無かったんですよね。
…はい。
正直、ちょっと寂しかったです。
ただ、希望的観測をするとしたら、手紙の子が卒業前に机に返事の手紙を入れたけど、私が受け取る前に春休みに入ってしまい、その春休み中に学校側が清掃等の関係で手紙を処分してしまった可能性もあります。
ちなみに高校三年生は基本的に卒業間近になると学校に登校する必要がなくなりますが、それでも学校には来れます。
実際その期間も、手紙の子は返事を出し続けてくれました。
手紙のためだけに学校に来てくれてたんだとしたら、ちょっと無理させてしまったかもしれません。ごめんなさい。
なお、定時制高校はクラス替えが無く、その年に入学した生徒に一つの教室が割り当てられ、卒業までその割り当てられた同じ教室を使用します。席替えこそありますが、教室は同じなので私は手紙の子が卒業したあとも同じ机を確認することができました。
そんな感じで、上記のようなちょっと都合の良い理由を想像してたりもしました。
もうひとつ、別の理由も考えました。
それは…
それは…
あまり考えたくないんですが…
その手紙の子が、リアルで私の姿を見て幻滅してしまった可能性です。
ブログのプロフィールにも記載していますが、私は決してイケメンではありません。
謙遜して言っているわけではなく、アンチャーテッドでいうところのエディー・ラジャのような顔です。
身長も164㎝と低く、顔にはニキビがあります。
太ってはいませんが、良い体格かといわれたらそうでもありません。
定時制は夜間高校なので、必然的に全日制のあとに始まります。
定時制の生徒が全日制の生徒を確認するのは困難ですが、全日制の生徒が定時制の生徒を確認するのは容易です。
広い校内ですし、私と手紙の子の席は窓際だったので外から確認することも可能です。
部活で残っている全日制の生徒は沢山いましたので、外に全日制の女子生徒が立っていても(実際毎日何人もいた)私にはそれが手紙の子だとはわかりません。
なお、教室は1階にありましたので、窓の外はいつも誰かしら生徒さんが歩いてました。定時制はともかく、全日制で三年生のクラスが1階にある高校って珍しいですよね。
私はもちろん、その子の姿を確認しようとしたことはありません。
正直見たい気持ちは少しありましたが、相手に失礼ですし、それこそトラブルの種になりかねないので、それだけは避けるようにしました。メルアド無視と同じ理由です。
私が手紙で失礼なことを書いてしまった可能性もあります。
または、単純に向こうもトラブルを避けるために手紙のやり取りをスパッと止めた可能性もあります。
メールアドレスに最後まで連絡をしなかったことに対して、怒ってしまったのかもしれません。
結局のところ、理由はわかりません。
以上が、私が体験したちょっと興味深い思い出でした。
オチが無くてすみません(--;)
多分、ブログを読んでる皆さんのなかには、素敵でロマンチックな結末を予想していた方もいたと思います。
私自身…
んーーーーーー
どうなんでしょう。
してたんですかね?
まぁ、なんにせよ、昔の話です。
現実というのは、恋愛漫画やドラマのようにはいかないものなんですよね。
でも、その手紙の子がとても素直で立派な子だったというのは、私の正直な感想です。
彼女はイラストレーターになれたんでしょうか。
なってて欲しいと今でも願っています。
定時制(夜間高校)と全日制(昼間の高校)が共存する学校だからこその思い出ですね。
当時その子から受け取った手紙は、いまでも全部手元に残してあります。
あー、やだやだ
未練たらたらじゃーーん
うわぁ
ま、いいか!(笑)
皆さん最後まで読んでくれて、どうもありがとうございました!
次回、何を書くかはまだ未定です。
定時制の思い出は他にもいろいろあるので、書く余裕ができ次第また更新していこうと思います。
寒いので皆さん風邪ひかないように気をつけてくださいね!
では、また!