前回に続きます。
12人産んだ助産師HISAKOさんがママさんたちに支持されている理由のひとつ、「わかりやすさ」について。
大なり小なり、常に不安と付き合い続けるママさんたちにとって、「これはこう、だから絶対大丈夫!」明るい笑顔の言い切りは、なにより心を軽くしてくれる、涙がでるほど安心させてくれるものです。
しかし、「これはこう」
それはそう?エビデンス不確かであったり、
「絶対」と言い切れないことを「絶対」と言い放ったり。
助産師さんの発信には、よかった、いいこと聞いた!じぶんの知識に!
とするには危うい情報がしばしばあります。
たとえば授乳中の薬。
「授乳中でもまったく問題なく使っていただける」
誰にどう飲まれても何の問題もない薬は、もはや薬じゃない。
たとえば緊急避妊薬。
「ぜったい避妊できる」ちがう。
たとえばつかみ食べ。
「窒息しない」します。
たとえば
妊婦さんの体重。
「体重を増やしすぎても色んなリスクは上がりません」ショート動画で断言。
ショートじゃない動画も出た。
増えすぎたらやっぱりリスクは上がるし、管理が必要とされる「BMI30」は、助産師さんが使った言葉「超肥満」のもつイメージほどの太り方ではありません。
安心してはいけない人まで油断してしまう。
いちどひろまったものは、もとを止めない限り、止まりません。
たとえば綿棒浣腸。
いまでも毎週のように誰かが善意でHISAKO式綿棒浣腸を人におすすめしています。危ないよの指摘コメントを消して、動画自体はなにも変わっていないから、危なさには気づけない。
専門知識のある助産師さんが、エビデンスのある確かな情報と、12人もこどもを産み育てた豊富な経験に基づき、視聴者の迷いに寄り添い、涙し、笑顔ではげましてくれる。
助産師さんが看板に掲げているそんなイメージを、信じているママさんたちを、裏切らないでほしい。
ママさんたちは、不安と友達になれたらいいなと思います。
「わかりやすさ」の正体は、しばしばテキトーすぎる無責任です。
わかりやすい無責任に「大丈夫ってあの方が言ったから大丈夫!」と刈り取らせてしまわず、不安は自分で飼いならしてほしい。
その不安は、こどもの危機を察知するアンテナでもあるからです。
子育ては迷うものです。こどもにまつわるすべてのことが、養育者の決断に委ねられます。
こと女性にとっては、妊娠を意識しはじめた時から心身はじぶんひとりのものではなくなり、こどもが生まれても、育っても、大人になっても、恐らくは幸せと変わらない大きさの不安が、見え隠れしながらいつもそばにある。
それだけの不安をもてること。
こどものために、思い、悩み、迷い、どうしようもなくみっともなくうろたえてしまうこと。
それこそが親であるということ、親の証だと、私は思います。
こどもにぶつけちゃいかんけどな。それは毒親の入り口。
だからみなさん、不安でいい。
テキトーでええんやで。頑張らんでええんやで。
っていう結論は、一緒なのよね。