外国語の100言語を独学でマスターしたという著者がマスターのコツをすべて伝授してくれるというこの本。
著者の大山祐亮氏は比較言語学の研究者です。
自らが100言語をマスターされたとあって、外国語学習の具体的な方法についてご自身の経験からマスターするコツを細かく分析した結果を紹介されています。
この本の中で、私が特に初学者やいつまで学んでも進歩が感じられないという方にとって役立つこと。
また、教える側にとっても参考になると思ったことをご紹介します。
それは
『第2章 外国語習得の心構え』外国語学習はまずここまでを目指す
で紹介されている:
(何を最終的な目標にするとしても、)語学を始めようと思っている人が共通して目指すレベルがあります。
著者が言うのにはこのレベルは:
外国語学習をするときに目指すべき「最大公約数」
だと言います。そして、著者のように複数の言語をマスターするにはこの地点(レベル)から、それぞれが目標にするゴールへとそれぞれが進んでいく。そんなイメージを持つとわかりやすいとのことです。
これはどんな言語であっても著者がまず到達すべきレベル、基準であり、ここまで到達できれば、勉強だけではなく、その言語を使ってできることにも楽しみを感じられるようになるでしょう。
とあります。
皆さんは外国語を学ぶとき、どんなレベルと目標にしますか?
「字幕なしで映画がわかるようになる。」
「外国での買い物が不自由なくできるようになる。」
「外国旅行で困らないレベル。」
私の場合、中国人との会話が不自由なくできるようになること。でした。
そして、大学に入る前からNHKの講座(ラジオとテレビ)を初め、大学(関西大学文学部中国文学科)で中国語、特に会話を重視して学び、自分でも時間があれば中国語に親しみ会話力を磨きました。
でも、大学卒業時のレベルははなはだお恥ずかしい限りで、なんとか会話ができ、そして通訳もすることができる程度でした。
それから仕事で中国語を使い、商談や通訳をして学び続けたのですが、今は、日本語話者の日本語を同時通訳で中国語にすることができるまでになりました。
(でも、中国語話者の中国語を同時通訳で日本語にすることはまだできません。)
中国語との付き合いは40年以上です。
それでやっとこの程度です。
外国語をこれから学ぼうという方、また今学んでいる方にはそれぞれの目標があるでしょうが、あまり高い目標を初めから持つと、途中で投げ出してしまうかもしれません。
それはもったいない。
そこで著者が端的にまとめてくれている語学を始めようと思っている人が共通して目指すレベルを目指してみてはいかがでしょうか?
・読み書きならば「自分の興味のある分野の内容は辞書を引けば読める」レベル。
・会話ならば「基本的な文法事項の例文がある程度頭に入っていて、ゆっくり発音された短い文なら聞き取れる」レベル。
え?それでいいの?と思われましたか?
著者はさらに詳しく説明してくれています。
・(読み書きならば)「辞書を引けば読める」というのは、知らない単語があっても、活用のような文法事項はおおよそ頭に入っているという状態です。
これは難しいことを考えなくても、初級の教科書をひととおりこなせば無理なく身に付きます。
教科書の使い方は、この本で具体的に取り上げていますのでご安心ください。
・会話については「私は日本人です」や「私は〇〇語を勉強しています」のような基本的な構造の例文がすぐに口から出るようになること。
そして初級の教科書に登場する文章をつっかえずに音読できる水準を目指しましょう。
無理に母語話者のスピードを再現しようとするのではなく、まずは正確に発音できるレベルです。
そのうえで、ゆっくりと発音された「レジ袋は必要ですか?」、「ポイントカードはお持ちですか?」のような短い文が聞き取れるようであれば最低限は身についていると言って良いでしょう
著者は続いて次のようにまとめています。
このレベルまでが外国語学習をするときに目指すべき「最大公約数」です。
この地点からそれぞれが目標にするゴールへとそれぞれが進んでいく。
そんなイメージを持つとわかりやすいです。
いかがですか?
まずはこのレベルまでマスターするのならそれほど苦にはならないのではないでしょうか?
日本語が母語の人はどうも完ぺき主義というか几帳面というか、「おおよそ」では自分を許せない方が多いように思います。
初めからネイティブスピーカーのように自由自在に言語を扱うなんて目標が高すぎると思います。
語学は語楽。
楽しまないと学習が続かないでしょう。
ハードルを下げて楽しくマスターしましょう!
ところで最後に一言。
会話の目標に次がありますが、中国語の場合特に学び始めに正しい発音をマスターしないと、変なくせがついてしまうと通じない発音になり、その修正に時間と労力がかかるようです。
SC神戸中国語スクールの森川代表がちょうど動画を作ってくれたので、是非参考にしてください。




