『日本人のための英語発音完全教本』によると、
英語を話すのに一番大切なのは「息」と「声」
ということですが、中国語の場合でも同じです。
そして「息」についてはこれまであまり意識されていないと思います。
「息」については、
でご説明しましたが、もう一つの「声」について今回ご説明します。
今回の中国語発音クリニックでも取り上げられていますが/a/の「音」です。
この動画の中でも色々と説明されていますが、これについて私は、
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の説明がわかりやすいと思ったのです。
その前に、私が習ったというか体感している/a/の音とは、
口を大きく開ける(あごを外さないように注意)。
この時に両耳の下が「ペコっ」とへこむのがポイント。
でした。
でも、最初に練習する時は別にして、実際の会話なので誰もここまで大きく口を開けていない。
そして、動画にもある“大 dà”は無気音の“d”が日本語が母語の人にとって難易度が高いということもあり、日本語で「ダー」があるということから日本語の「ダー」で代替されることが多いと思いますが、これに、動画で森川代表が説明している、
・声門閉鎖
という考え方と取り入れ、『日本人のための英語発音完全教本』にある「あくびの喉」の考え方を加えるとわかりやすく、また発音もしやすくなると思ったのです。
英語の声をつくる
英語の声に一番大切なポイントは、「喉を開ける」こと。
(『日本人のための英語発音完全教本』P38)
この「あくびの喉」は英語のスタートポジションと説明されていますが、中国語でも同じで、全ての「声」の基本です。
[1]喉を開ける(英語のスタートポジション)
1.あくびの喉
だれでもする「あくび」が英語の発声の秘密を握っています。
あくびをすると頭部には次のような変化が起こります。
①首の前側の筋肉を使う。
②下あごが下に移動する。
③首後部の筋肉を使う。
下あごが下に移動することで、下が動きやすくなります。
また、あくびをすると、以下の変化が口内で起こります。
①口蓋垂が上がる。
②舌根が下がり、喉頭蓋が上がる。
③口舌部がくぼむ。
「あくびの喉」は口内の空洞を広くし、声の共鳴を促します。
また、喉頭が下がり、声帯を支える靭帯がある程度緊張するため、声帯が安定します。
喉奥は、息を吐き切った状態から息を吸おうとする状態になります。
この状態は、声帯がきちんと閉じた状態であり、声を出す(=肺からの息が外に出る)と同時に外気が声帯を通して肺に入り込む状態になります。
そして、呼気が声帯を通るとき、安定した振動が得られます。
また、上記のすべての変化が、声を出すときに、胸からではなく、お腹の筋肉を使って横隔膜を持ち上げて呼吸する横隔膜呼吸を促します。
ポイントは、
「あくびの喉」は口内の空洞を広くし、声の共鳴を促します。
です。
つまり、声を共鳴させることで響く「声」にするのです。
この様子は以下です。
欧米型
(上の図はいずれも『日本人のための英語発音完全教本』P40, P41)
と、色々書いてきましたが、最終的には以下です。
・中国語は英語と同じように相手に「わからせる」言葉。
・そのためには大きな声で、はっきりくっきり話す必要がある。
・どうやって「わかりやすい音」を出すか。
・それは与えられたモノ(呼吸や舌や唇、声帯などの発声器官)を十分に活用する。
だから、「大きく、広く、響く音」なのですね。
専門的な言葉が多いのでわかりにくかったと思いますが、結局は「与えられたものを最大限活用する」ことを意識されると中国語らしい発音になるということです。
自己主張だけではない、冷静にとことんコミュニケーションをとるためにネイティブ・スピーカーが聴いてわかる発音をマスターしましょう!
追伸:
最後に「声門閉鎖(音)」についてです。
今回の動画を見ていて思ったのは「咳」をする時の声帯の状況です。
※声門(せいもん、英: glottis)とは、左右の声帯とそれらの間の空間(声門裂)とをまとめていう。
(大きな声が出せなかった♪ボイストレーナーのブログ♪|声門閉鎖?正しく閉鎖を感じられるかな?【要注意】より)
もう一歩進むと、上海語の入声も関係するかなと思ったのですがそれはさておき、
次の説明の中にも「咳」が出てきますのでご紹介します。
英語の声は、開いた喉(あくびの喉)で大きく共鳴する、響く声です。
子音は、強い呼気で鋭くとがらせます。
母音は開いた喉で十分に息を吐ききるようにして発音します。
声門閉鎖音といって、閉まった声帯まで強い呼気をため、いきなり開く咳のような無声の音が伴うことが多く、また共鳴スポットに声のエネルギーを収束させるため強い音になります。
あくびの喉によって喉頭が下がることで、声帯に張りが出て、強い呼気が声帯に安定した振動をもたらすため、一般に英語の声は太く、低音になります。
(寝起きのときのような声です。)
強い息がエネルギー源の大きく太く、低い音が英語の声なのです。
このことが中国語にも当てはまるのかどうかについて、今後、検証していきたいと思います。