中国的「今を生きる」生活。を読んで | SC神戸中国語スクール 京都校

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先日、「中国語の発音について話す会」で知り合った、ちゃーちゃん@中国瀋陽が紹介されていた、中国的「今を生きる」生活。を読み終えました。

友人にも日中国際結婚カップルが多くおられますし、中国語を学んでおられる方の中にも日中国際カップルがおられるでしょうし、国際カップルではなくても結婚されている方にとって参考になる本だと思ったのでご紹介します。

 

2005年、日本に留学中だった中国人男性(遼寧省瀋陽市出身)と結婚。
その後、2012年に訪中、2014年までの体験を紹介してくれています。


1980年代に初めて訪中し、1985年から日中ビジネスに従事し、同じく1985年に上海市出身の女性と結婚し、男の子と女の子を授かり、その後、離婚した私にとって日中国際結婚。特に日本人女性が中国人男性と結婚し、中国で暮らすということがどのようなものだったのかを教えてくれました。


著者はフリーランスライターとのことで表現も豊かで状況をとてもわかりやすく描いてくれています。
 

中国の文化について事前知識があまりない著者が中国の東北三省のうちにひとつ遼寧省の瀋陽を訪問し、自分自身の親戚でもある夫の親族や友人、そして出会う中国人たちとの交流、瀋陽での反日デモとはどういうものであったのか、子育て事情、そして結婚式事情などが描かれ、そしてそれに向き合う著者の心の状態が描かれているのですが、私としては「こんな風に思うんだ」「女性でも腹が立ったりするんだ」と思い、興味深く読み進むことができました。


そして、淡々と紹介される中国事情の中にさりげなく表現される中国人とはどういうものなのか?についての著者の思いは、中国と関わり合いのある方はもちろん、日本にいても海外からの旅行者が増えたり、働き手として日本にやってくる。そういう時代ですから、日本以外の国がどのような文化を持っているのかを理解するために是非読んでいただきたいと思いました。
 

私がこの本を読んで思ったのは、(男性に比べて)女性ってやっぱり強いんだということと結婚とは一体何なのだろう?ということです。
 

友人にも日中国際結婚カップル(女性が日本国籍)がいます。
ほとんどが幸せな結婚生活を送られています。
私は「日本人同士で結婚しても問題がある。でも国際結婚ならはじめから『違い』があることが前提だから、二人でその『違い』を乗り越えやすいのではないか」と思い、両親の反対を押し切って国際結婚したのですが、二人だけではない事情。
私の両親や親戚など、日本の文化というものが大きな障害となって離婚してしまいました。
そんな私にとって、著者の自己紹介にある、
「家庭内平和からはじまる日中友好を実践中」
が心に響きました。


中国には「修身斉家治国平天下」という言葉があります。


天下を治めるには、まず自分の行いを正しくし、次に家庭をととのえ、次に国家を治め、そして天下を平和にすべきである。
という意味ですが、自分自身の行いを正しくするのはもちろんのことですが、家庭をととのえることが平和につながる。
本当にそういうことなんだなぁと思いました。


多くの方がこの本を読み、異文化に対する理解を深め、そして異文化を受け入れることの大切さを理解することが平和につながる。そう思いました。


少し気になったのは、一個人としての付き合いではなく、国と国の損得勘定で使われる国策というものの影響です。


これについては、著者も、そして著者の夫や周りの人も戦後生まれで知らず知らずに大きな影響を受けていると思いますが、これについては著者がこれからも、
「家庭内平和からはじまる日中友好を実践中」
されていくことで体験し理解されることでしょう。


国策に惑わされず、民間での交流で相互理解を深めていくこと、そのことが平和につながっていく。
そういうことなんだなぁと思った一冊でした。