日本語教育能力検定試験の学習を初めて、多くの気付きがあるのですが、その中で特に大きな気付きとして第二言語習得論があります。
ネットで調べるとたくさん出てきますが、これまでは英語の学習法や日本語については学びましたが第二言語習得論があるとはまったく知りませんでした。
今回読み終えたのは次の本です。
『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』(佐藤洋一著、ディスカヴァー携書)
外国語をどうやってマスターするか。
多くの人が悩むところだと思います。
そして、日本語教育でもそうですが、色んな教授法があります。
また、街には「外国の子供はこうやって外国語を学ぶ」といった本もあります。
色々と学ぶ中で思うのは、最終的には一人ひとりの事情に合った学び方があると思い、自称、中国語学習カウンセラーの私ですが、第二言語習得論は子どもではなく、大人が母語の他に外国語を学ぶ時にどのようにすれば効率的なのかを科学的に研究したものです。
(もっとも、色んな理論があり、まだこれが絶対に正しいという理論はないようですが)
私はずっと感じていたのですが、子どもが母語を習得するのと、大人になって母語とは別の言語を習得するのは違うでしょう。
大人は理論的というか理屈を活用して効率的に言語をマスターできるはずです。
それをもっとも効率的な方法を研修しているのが第二言語習得論のようです。
(第二言語習得理論で英語を絶対にしていけない理由というサイトもありますが)
さて、本に戻ります。
この本は、6か月で大人の、日本語が母語の人が英語の読み・書き・聴く・話すの4つの能力を学習する方法を説明しています。
その方法とは:
短期集中英語学習マニュアル
1.文法のコアを自然順序仮説に沿って学習する。
2.十分な量の英語をインプットする。
3.「受信型の英語」から「発信型の英語」へ切り替える。
4.「発信型の英語」から「相互理解のための英語」へ切り替える。
5.自分の英語をモニタリングする方法を身につける。
6.学習方法をカスタマイズし、学習を継続する。
「自然順序仮説」というのは、
ある言語を学ぶにはもっとも適した順序がある。何を先に学習し、何を後で学習するのが良いかには法則がある。
(日本語教師のページ、用語検索マンボウのクラッシェンの五つの仮説の項目)
子どもがその母語を習得(学習だけではない)するのは圧倒的なインプット量を素直に吸収できるからでしょうが、大人はそうはいきません。
でも、大人には考える力があります。
それを使って第二言語を習得するには適した順序があるそうです。
その順序に従って、まず文法を学習する。
まず言語の骨格を理屈で学ぶということですね。
中国語では、
を理解し、疑問文、否定文の作り方をマスターすることです。
つまり、その言語(習得しようとする目的言語)がどういうものなのか、どのように成り立っているのかをつかんでから、十分な量のインプットをする。
ここまでは「受信型の中国語」の学習で、「わかる」段階。
次に「受信型」から「発信型」に切り替えます。
中国語の学習者で、長年学んでいるけれど、話すことが苦手。という人は、この切り替えがうまくできていないのではないでしょうか?
「発信型」への切り替えができたら次は「相互理解のための中国語」へ切り替えます。
これでコミュニケーションのための外国語が一応マスターできたのですが、言語というものは一生学び続けるもの。
そのために必要なのが、
5.自分の英語をモニタリングする方法を身につける。
「モニタリング」
最近はテレビ番組でもありますね。
面白いのでよく見ていますが、中国語では:
“监视”“监测”
です。
つまり、自分の使っている第二言語を客観的に観察します。
私の場合、自分が使っている中国語がワンパターンであることに気付き、また、口ぐせがあると思ったので、表現を増やすように、そして口ぐせを言わないように意識しました。
これをするとしないとでは、習得速度がまったく違うと思います。
中級でのツボなのかも知れません。
そして次が、
6.学習方法をカスタマイズし、学習を継続する。
自分の第二言語をモニタリングして、弱点や欠点を分析し、その上で、自分なりの学習方法を作り上げて学習を続ける。
これも中級のツボなのでしょう。
「受け身」ではなかなか伸びませんものね。
「第二言語習得論」
素晴らしいものに出会うことができました。
これも歩けなくなったから。
ありがたいことです。
『「第二言語習得論」に基づく、中国語学習法』が作り出せないか考え中です。
これまでに私なりに学んできた、アドラー心理学での①視覚タイプ②聴覚タイプ③身体感覚タイプを踏まえた学習方法になればかなり効率的な学習方法になると思います。