夜番人(YABANJIN)
the desire for revenge
第3部・・・復讐編!
七夜 「勇者!」
連太郎と初対面した蔵は・・・
翌日・・・
いつも通り出勤することに・・・
蔵の心(土佐犬から連絡がなかったけど・・・
今日は・・・来るんかの?)
蔵の心(しかし・・・)
蔵の心(連太郎へのデコパンチで拳が・・・
まだパンパンに腫れてるがな!)
蔵の心(まっ!名誉の負傷やな!)
そして・・・
蔵が店の近くに来ると・・・
前から時期外れのマスクをする男が居ました!
蔵の心(あっ!土佐犬や!)
蔵「おい!土佐犬!」
土佐犬「おっ・・・ゴホッゴホッ・・・オェェェ~」
蔵「おい~大丈夫かいな?なんで・・・?
電話して来んかったんや?
迎えに行ったのに!」
土佐犬「いや・・・風邪をうつしたら悪いやろ!」
蔵「ほんまぁ~なんで風邪やねん?
もう暖かいのに・・・」
土佐犬「知らんがな!ブホッブホッ!」
蔵「それより!昨日・・・大変やってんぞ!」
土佐犬「なんか・・・あったんか?」
蔵「なにもクソも・・・どえらい事があったんじゃ!
ほんま・・・えらい勘違いをしてたで!
お前も俺も!」
土佐犬「何の勘違いやねん?」
蔵「まぁ~ええわ!店で言うわ!行くぞ!」
土佐犬「おぅ~・・・」
そして蔵と土佐犬が・・・
コブラに出勤すると・・・
一つのテーブルに・・・
菊丸・東兄弟・猛・攻が座ってました!
そして・・・
猛は蔵の顔を見るなり・・・
猛「あっ!来た!」
蔵「はぁ~?何が来たやねん?来たらアカンのか?
ひょっとして・・・悪口を言ってたんか?」
猛「いやいや違いますよ!」
蔵「じゃ~なんや?」
猛「いやいや!昨日の事を聞きましたで!
あの連太郎と・・・やり合ったんでしょ!
今も・・・その話をしてたんですわ!
そしたら・・・蔵君が現れたんや!」
蔵「そうなんや!」
土佐犬「おいぃ~マジかい?蔵と連太郎が・・・?」
猛「ですよね?蔵君!」
蔵「なんや・・・赤川はんから聞いたんか?」
猛「はい!」
蔵「でっ?赤川はんは・・・なんて言うてた?」
猛「いえ!なんや蔵君が連太郎を・・・
負傷させたみたいやって・・・」
蔵「それだけか?」
猛「はい!でも詳しく知りたかったから・・・
蔵君が来るのを待ってたんですよ!」
蔵「なんで?詳しくやねん?」
猛「そらぁ~あの・・・連太郎ですよ!
あの連太郎を負傷させるって・・・
凄い事ですやんか!」
蔵の心(オホホ!なんじゃ~その眼差しは!
ちと俺を尊敬と言うか・・・
なんと言う目で俺を見とるんや!)
蔵の心(どほほほ!そんな目で見られると・・・
ちと調子乗ってまうやんけ!)
猛「あっ!それと赤川さんが言ってたけど・・・
蔵君を呼んで正解やったわ!って
言ってましたよ!」
蔵「何が正解やねん?」
猛「いや!思った以上に使える男やで!って・・・
言ってましたで!」
蔵の心(おぉぉぉ~使える男・・・使える男!
なんと言う素晴らしい褒め言葉や!)
蔵の心(おっ俺は・・・つっ使える男なんや!
おほ・・・うほほ・・・嬉しい!)
蔵の心(じゃ~ここは!普通に話しても・・・
つまらないし・・・ちと話を盛ろかな!)
蔵「まぁ~負傷したのは俺もなんや!
ほら・・・見てみぃ~や!」
猛「ほんまや!拳が腫れてるやん!
でも?他は・・・やられてないな?
拳以外は・・・無傷やん!」
蔵「当たり前じゃ!俺を誰やと思っとんねん!
この俺が簡単に負傷するかい!」
猛「やっぱ!黒川潰しに呼ばれるだけ・・・
あるよな!」
蔵の心(おほ!俺の大口を受け入れたで!
じゃ~盛っても大丈夫やな!)
蔵「ほな!詳しく聞かせてあげるから・・・
俺様の席は・・・どこや?
案内しなさい!」
猛「じゃ~真ん中に座って下さい!」
蔵は菊丸達が居るテーブルの・・・
ど真ん中に座ると・・・
蔵「よぉぉぉ~猛!ちと喉が渇いたわ!
なんか飲み物を持って来い!」
猛「はい!」
そして・・・
猛が厨房からコーラを持って来ると・・・
そのコーラを蔵は一気に飲み干し・・・
蔵「あのな・・・・・」
ここから・・・
思わぬ反響により・・・
有頂天になった男の・・・
盛りに盛った話が・・・
蔵「あのな!昨日は土佐犬も休んでたし・・・
いつも路駐する場所も・・・
いっぱいやったんや!
だから昨日は少し別の所に車を停めて
いつもと違う道でコブラに向かってたんや!
それで人気の無いオフィス街を歩いてたら
なんや・・・揉めてる声が聞こえたんや!
それで・・・ふと見てみると・・・
なんて事ない・・・あれやがな!
どっかのホスト3人に対し・・・
一人の男が文句を言ってたんや!」
猛「へぇ~最初は別のホストと揉めてたんや!」
蔵「まぁ~その3人のホストと揉めてたのが・・・
連太郎やったんやけど!
まぁ~でも驚いたわな!」
猛「なんで?」
蔵「あのな!連太郎の容姿を知ってる奴・・・
この中に居てるか?」
菊丸「知らん!」
東兄弟「いや・・・見た事ない!」
蔵「あのな!連太郎って・・・見た目は・・・
拳王を小さくした感じの男や!」
蔵の心(ほんまは背の小さい鼻饅頭やけど!)
猛「拳王?」
蔵「あほ!拳王と言えば・・・ラオウやんけ!
まぁ~小さなラオウ・・・
それが連太郎の正体なんや!
でも小さいとは言え・・・
なかなか迫力があったで!」
猛「じゃ~小さいラオウは分かったけど・・・
でもなんで?蔵君とミニ拳王が・・・
やる事になったの?」
蔵「いや!俺も見過ごすつもりやったんやけど!
でもミニ拳王が放つ闘気が・・・
戦士の血を持つ・・・
この俺様を目覚めさせたんや!
それでや!それで俺が近づくと・・・
連太郎が俺に文句を言って来たんや!
なんやワレ!とか・・・
シバクやら言って来よったわ!
それで俺も連太郎の迫力に・・・
押されてたんやろな?
だから何も言えず・・・
黙ってたんやけど・・・
結果・・・連太郎の標的は・・・
3人のホストから・・・
俺に代わったんや!」
猛「なんで?蔵君は黙って文句も・・・
言い返してないんでしょう?」
蔵「あぁ~でも標的は俺になったんや!」
猛「なんでなんやろね?」
蔵「そらぁ~俺が戦士の血を継ぐ者って・・・
連太郎も感じたんかもな?
だから俺が標的になったんやろ?」
土佐犬「アホか!何が戦士の血やねん?
そんなもん・・・無いわい!」
猛「ちょっと~土佐犬君は黙っててよ!
それで・・・どうなりましたん?」
蔵の心(ぷっ!怒られてやんの!)
蔵「それでや!そこから連太郎の・・・
猛攻が始まったんや!」
猛「猛攻?」
蔵「あぁ~連太郎のパンチと蹴りの嵐や!
まぁ~最初の一発目の蹴りは・・・
俺も腕でガードしたんやけど!
でも・・・
あんな蹴りは初めて受けたわ!
まるで太い丸太で殴られた様な・・・
ずどぉ~んとした重い衝撃や!
ガードした腕が痺れるし・・・
そらぁ~強烈やったで!」
猛「そない凄いんや!まぁ~ケンカが職業の・・・
連太郎なら破壊力はあるでしょうね!」
蔵「あほ!あれはケンカレベルでは無いで!
マジで試合と言うのが合ってるかもな!
まぁ~しいて言えば・・・果し合いやな!
俺には果し合いに感じたな!」
猛「えっ?ケンカと果し合いの違いは?」
蔵「あほ!命をかけたケンカってあるんか?
ケンカで命をかけてたら・・・
その辺は死人だらけになるやんけ!
でも果し合いは命をかけての戦いなんや!
まぁ~命が・・・どうこうより・・・
それだけ緊迫した戦いやったんや!」
猛「ねぇ~蔵君と連太郎がやり合ってる間・・・
その3人のホストは何をしてたの?
手助けに入らなかったん?」
蔵「あほぉ~!しいて言えば・・・
俺と連太郎の戦いは・・・
ライオンとトラの・・・
戦いみたいなもんなんや!
その猛獣同士の戦いに・・・
草食動物に何が出来るねん?
まぁ~その3人のホストらは・・・
草食動物みたいなもんなんや!
だから大人しく見守るしかないねん!」
猛「そっか・・・そらぁ~入れないな!」
蔵の心(あらら!ほんま素直に聞いてるんやな!)
蔵の心(じゃ~もうちょっと盛っても・・・
大丈夫そうやな!)
蔵「それでや!腕でガードしてたら・・・
腕が持たないと思ったから・・・
連太郎の猛攻を避けつつ・・・
反撃の機会を待ってたんや!
それで連太郎の猛攻が・・・
いったん静まり・・・
連太郎が一呼吸ついた所に
俺の右ストレートが炸裂や!
でも連太郎も流石に百戦錬磨と
言われるだけあって・・・
俺が連太郎の鼻に目掛けて
放った右ストレートを・・・
見事に顎を引いて・・・
かわしやがったんや!」
猛「それで?」
蔵「それでや!結果・・・俺のパンチは・・・
連太郎のデコにヒットしたんや!
でも・・・ヒットしたのはいいけど!
連太郎のデコはコンクリート・・・?
いや!鉄板のように固いデコやったわ!
だから・・・俺の拳は・・・
こんな事になったんや!」
猛「あぁ~・・・それで拳を痛めたんや!
じゃ~連太郎は?」
蔵「まぁ~連太郎のバカと比べると・・・
破壊力的には俺が劣るけど・・・
でも俺のパンチにはキレがあるから
その俺のキレのあるパンチを・・・
食らった連太郎は膝がガクガクや!
まるで生まれたての小鹿のように・・・
膝をガクガクプルプルしてたがな!
まぁ~それを見て何を思ったのか?
見学してただけのホストらが・・・
連太郎に襲いかかったんや!
まぁ~草食動物でも・・・
小鹿なら勝てるんと思ったんやろ!」
猛「せっこ~!セコイ奴らやなぁ~!」
蔵の心(あほ!セコイのは俺や!)
蔵の心(話を盛ってるんやから!)
蔵「それで俺も拳を負傷したから・・・
ちと休憩しよかと思ってたんやけど
でも・・・何て事無い・・・
あっと言う間に3人の内・・・
1人がやられたんや!
だから俺も・・・
近くに置いてあるレンガを持って
再び参戦したんや!」
猛「あらら・・・また参戦してるんや!」
蔵「あほ!デコパンチ一発で・・・
負傷させたと言わんがな!」
猛「そっか!」
蔵「それでや!俺がレンガを手にすると・・・
連太郎がレンガで何する気や?って
聞いて来よったから・・・
俺は・・・
その饅頭みたいな鼻を潰すって
言ってから・・・
レンガを振り降ろしたんや!
まぁ~連太郎も左腕で・・・
レンガ攻撃を受けようとしたけど
でも俺が狙ってたのは・・・
鼻でなく足やったから・・・
意外と簡単に足の上に・・・
レンガを叩きつけれたんや!
そしたら唸り声を上げながら
連太郎は転げ回ったんや!
そこで・・・もう一回・・・
レンガ爆弾を食らわそうと思って
レンガを拾って手にした所に・・・
赤川はんが現れたんや!
まぁ~俺は続けたかったんやけど
でも赤川はんがアカンて言うから
まぁ~結果的に逃げた形になるわな!」
猛「じゃ~もし赤川さんが現れず・・・
そのままケンカを続けてたら?」
蔵「まぁ~6割?いや・・・8割?
いやいや!99パーセント
俺が連太郎を潰してたやろな!」
猛「そうなん!もったいないなぁ~・・・
赤川さんも止めずに参戦してれば・・・
確実に連太郎を潰せたのになぁ~!」
蔵「まぁ~赤川はんは何事も慎重に事を運ぶし
用心深い所もあるやんけ!
だから未だに黒川との戦いも・・・
始まってないやろ!」
猛「そやね!」
蔵「まっ!男なら冒険しないとな!
冒険が男を磨くんや!」
猛「そっかぁ~そうやわなぁ~!」
蔵「まぁ~でも俺や土佐犬も・・・
赤川はんに身を預けた訳やし
文句を言うつもりは無いけどな!」
猛「ふぅ~ん!」
蔵「まぁ~でも!俺は連太郎を・・・
負傷させたかも知れんけど?
結果的に俺は・・・
逃げた形になったから・・・
偉そうには言えんけどな!」
猛「いやいや!連太郎は負傷してるでしょう?
思いっきりレンガを足に叩きつけたんやろ!
まっ!あの男を負傷させただけでも・・・
勲章もんですわ!」
蔵「まぁ~でも・・・中途半端やわな!」
猛「いやいや!知らなかったとは言え・・・
あの連太郎と・・・
やり合うだけでも凄い事ですわ!
でも・・・怖くなかったの?」
蔵「あほぉ~!正直・・・怖かったがな!
相手は連太郎やぞ!
その辺のヤンチャと比べても・・・
オーラが違ってたがな!
だから・・・
恐怖で心臓はバクバクするし・・・
緊張でババまでしたくなったがな!
まっ!屁は出たけどな!」
猛「でも怖いのに・・・よく向かって行けたね?」
蔵「あのな!男の値打ちって分かるか?」
猛「分からん?」
蔵「あのな!恐怖に打ち勝ってこそ・・・
男の値打ちが上がるんや!」
猛「そっか!なんか分かる気がする!」
蔵「なぁ~猛!恐怖に打ち勝った者を・・・
なんと呼ぶか?知ってるか?」
猛「知らん?」
蔵「じゃ~土佐犬!教えたれ!」
蔵の盛った話に機嫌悪そうにしてた
土佐犬は・・・
土佐犬「くっそぉぉぉ~風邪くらいで・・・
休むんじゃ~なかったわ!
もし休んでなかったら・・・
俺が連太郎を・・・
くっそぉぉぉ~ゲホッゲホッ!」
蔵「あほぉ~!質問に答えてないがな!
恐怖に打ち勝った者を・・・」
土佐犬「勇者!勇者や!これでいいか?」
蔵「分かったか?風邪くらいで休んだ罰や!
だから活躍のチャンスを逃すんや!
まぁ~どっちにしろ・・・
これから俺様の事を・・・
現代に蘇った・・・勇者と呼べ!
分かったか?だはははははは!」
猛「う~ん・・・じゃ~俺も・・・
誰が名のある奴と・・・
やろかなぁ~・・・
連太郎は負傷してるし
じゃ~百太郎?」
蔵「あほぉ~!百太郎は仲間にするんやろ!」
猛「だって俺も勇者と呼ばれたいわ!」
蔵の心(ほんま単純な奴やのぉ~!)
蔵「まっ!今後の為に連太郎の・・・
特徴を教えたるわ!
鼻が饅頭の様に大きい・・・
鼻饅頭ミニ拳王!
それが連太郎や!」
猛「なんか・・・よう分からんな?」
こうして・・・
調子に乗った男の盛った話は終りました!
そして・・・
菊丸「なぁ~蔵!もう自慢話はええやろ!
ちと紹介したい奴が居るんや!
こいつらやねんけど!
俺が可愛がってる奴やねん!」
蔵「んっ?」
菊丸から2人の男を紹介されました!
男「どうも!空(そら)と言います!」
男「陸(りく)と言います!」
蔵の心(なんや・・・対照的な2人やな!)
空と言う男は・・・
色白で少し中性的と言うか・・・
大衆演劇の女形が似合いそうな
少し線の細い男でした!
それに比べ・・・
陸と言う男は・・・
色黒で体も大きく・・・
見るからに男性ホルモンの塊の様な男でした!
でも2人とも・・・
異性にはモテそうな雰囲気を備えた・・・
かなり男前の2人でした!
蔵「あぁ~蔵と言うんや!よろしくな!」
空「はい!こちらこそ!」
陸「よろしくです!」
菊丸「なぁ~蔵!こいつら見て・・・どう思う?」
蔵「ん~・・・どう思うと言われてもなぁ~!
まぁ~どっちともタイプが違うけど
男前やんけ!普通にモテるやろ!」
菊丸「まぁ~な!まっ!こんな奴らが・・・
今後のホスト界を盛り上げるんや!」
蔵「まぁ~の!今・・・盛りあがってるのは・・・
潰したや潰されたやら・・・
なんか男臭さと言うか・・・
今のホスト界はゴチャゴチャやしな!
でも・・・男前だけでは・・・
どうなんやろな?
黙ってるだけでは・・・
なんぼ男前でも厳しいやろ!」
菊丸「あほぉ~そんな事は分かっとるわい!
この空も陸もホストとしての・・・
努力もしとるわ!
只でさえ・・・
男前と言う武器を備えてるのに
サービス・話術・かけ引き!
これらも磨いてるし・・・
強引さも持っとるわ!
まぁ~容姿だけで生きて行けるほど
ホスト界も甘くないやんけ!」
蔵「まぁ~の!多少ブサイクでも・・・
話術の優れた売れっ子ホストは
男前に見えるもんなぁ~!
男前でも無い奴と・・・
男前の奴が同じ努力すれば・・・
そらぁ~男前の方が前に出るか?」
菊丸「まぁ~の!スタート地点が違うしの!
まぁ~この空も陸も・・・
なかなか勉強家やで!
だからコブラでも俺の次に・・・
売れっ子ホストなんや!
その内・・・俺も抜かれるかもな?」
蔵「そっか・・・凄いやんけ!」
菊丸「それで相談なんやけど・・・
こいつら預かってくれへんか?
蔵と土佐犬で!」
蔵「なんでやねん?俺らは期間限定やで!
まして今はヘルプ要員なんやで!
そんな客も居ないヘルプ要員の
俺らから何を学べるんや?
ヘルプの心得でも学びたいんか?」
菊丸「あほ!なんでヘルプの心得を学ぶねん!
ちと悪い言い方するけど!
店の中では蔵達から学べる事は無いわ!」
蔵「そらそやろ!」
菊丸「だから店外で蔵達と共に行動して・・・
学んでほしい事があるんや!」
蔵「店外?」
菊丸「あぁ~時期に黒川との抗争が始まるやろ!」
蔵「まっ!近いやろな?」
菊丸「だから・・・その抗争を空や陸に・・・
見てほしいんや!」
蔵「なんでや?」
菊丸「きっと今回の抗争はアンクロの時よりも・・・
激しい抗争になるやろ!
なんやかんやとバカ話してるけど
でも空気で分かるんや!
お前らが何を思って・・・
この夜の世界に戻って来たかな!
それに日に日にピリピリ感が・・・
増して来てるやんけ!」
蔵「そうなんかのぉ~?でも・・・なんでや?
なんで激しくなると分かってるのに
菊丸が可愛がってる後輩を・・・
俺らに預けるんや?」
菊丸「いやな!ホスト同士の抗争が・・・
どんなに醜いモノか・・・
空や陸にも知ってほしいんや!
それを見る事によって・・・
この空や陸に・・・
それぞれ感じてほしいんや!
自分の欲望で勢力を拡大する為・・・
人の命や人の人生を・・・
なんとも思わない奴に・・・
この街だけに居ると言われる
夜番人と呼ばれるホスト達の
挑む姿を見せたいんや!」
蔵「あほぉ~!俺らが負けたら・・・
どうするんねん?
勝てるとも限らんのやで!
まして俺や土佐犬は・・・
夜番人でも無いしな!」
菊丸「いや!危険と分かりながらも・・・
この場に戻って来た・・・
お前らは・・・夜番人や!
北さんの夜番人魂を・・・
受け継いでるからこそ・・・
間違った奴を潰そうとしてるんや!」
蔵「あほぉ~!買いかぶり過ぎなんや!
そない立派なモンでも無いんや!
まぁ~どっちにしろ・・・
危険を伴うけど・・・
それでも・・・いいんかの?
空も陸も潰される事になるかもやで?」
菊丸「あほぉ~!最悪・・・空や陸を・・・
蔵や土佐犬が身を挺して・・・
逃がす事くらいは出来るやろ!」
蔵「あほぉ~!そんな余裕は無いで!
逆に危機の時は・・・
俺を先に逃がしてほしいわ!」
菊丸「あほ言うな!」
土佐犬「まぁ~ええやんけ!預かろうや!
正し・・・自分の身は自分で守る!
それだけは頭に入れとけよ!」
空「はい!」
陸「あぁ~俺も自分の事は自分で守れるで!」
土佐犬「そっか!」
菊丸「まぁ~見るのも成長に繋がるんや!
ほな・・・頼むわな!」
蔵「あぁ~!」
土佐犬「ほんま!そんなに見せたいのなら・・・
菊丸も抗争に参加しろよ!」
菊丸「あのな!参加せずに生き残るのも大事なんや!
ここで全員が潰れてしまうと・・・
次は誰が・・・黒川に挑むんや?
また次に繋げる為・・・
生き残る奴も必要なんや!
これは赤川さんの教えや!」
土佐犬「それもそやな!まぁ~心配するな!
黒川は今回で終りにする!
でも・・・時間が掛かり過ぎや!
北君の死で燃え上がった気持も・・・
日に日に醒めて行ってるのも・・・
確かなんや・・・」
蔵「そやのぉ~段々・・・醒めて来てるのぉ~!
ほんま黒川との決戦前には・・・
気持的に上げとかないと・・・
今の気持ちのままでは・・・
アカンかもな?」
土佐犬「あぁ~ほんまやで!蔵の言う通りや!
気持的に何かが足らん気がするけどな?」
蔵「まぁ~な!」
土佐犬「じゃ~どうしよ?」
蔵「何をや?」
土佐犬「ほらぁ~・・・今後の行動やんけ!
なんだかんだと言って・・・
猛・攻・空に陸・・・
それに加え・・・
俺と蔵とで6人や!
これから抗争が始まるのに
この6人でチョロチョロしてたら
目立つやんけ!」
蔵「そっか!6人で行動するのもなぁ~・・・
じゃ~取りあえず!3・3に分けよか?
俺と土佐犬の班に!」
土佐犬「そやの!じゃ~俺の班に入りたい者は?」
シ~ン・・・・・
土佐犬「じゃ~蔵の班に入りたい者は?」
猛「はい!」
攻「はい!」
空「はい!」
陸「俺は・・・どっちでもいいんやけど!
まぁ~しいて言えば・・・蔵君やな!」
土佐犬「なんじゃい・・・それ?シバくぞ!
もうええ!俺一人で十分や!」
蔵「あほぉ~アカンぞ!」
土佐犬「よぉぉぉ~猛!攻!なんで蔵が・・・
いいんじゃ~!」
猛「だって勇者やもん!そんな風邪くらいで休む
意志も体も弱い人と違うやん!
それに俺も勇者と呼ばれたい!」
土佐犬「ボケェェェ~!何が勇者じゃ~!
お前は要らん!」
蔵「ははははは!人気の無い奴やのぉ~!
ほな・・・こうしよか?
猛は勇者候補生として・・・
俺が預かるわ!だから・・・
土佐犬は攻でいいいかな?
攻もいいよな?」
攻「はい!」
蔵「土佐犬もいいよな?」
土佐犬「おぅ~!」
蔵「じゃ~空と陸やけど・・・どないしよ!
ん~・・・あっ!こうしよか?
じゃ~土佐犬には陸をあげるわ!」
土佐犬「なんで陸やねん?」
蔵「ほらぁ~陸の方が男臭いし・・・
戦力的にも空より・・・
強そうやから・・・
陸は土佐犬にあげるわ!」
土佐犬「ええんか?強い方を貰っても?」
蔵「あぁ~全然・・・かまへんで!
なんせ俺らチームは・・・
勇者チームなんや!
そんな風邪で・・・
休みますチームと比べたら・・・
勇者チームの方が・・・
遥かに優れてるがな!
のぉぉぉ~猛!」
猛「ぬほほほ!俺は勇者予備軍じゃ!」
土佐犬「黙れぇぇぇ~ボケ!」
蔵「ははは!怒るなや!風邪くらいで休むから
連太郎とやるチャンスも逃すし
人望まで無くすんや!
これで分かったやろ?
期間限定の仕事やからって・・・
軽い考えを持つから・・・
こないな事になるんや!」
土佐犬「うるへぇ~!」
蔵「じゃ~土佐犬!この班分けでいいよな?」
土佐犬「けっ!なんか気に入らんけど・・・
それでいいわ!」
蔵「ははは!拗ねるなよ!」
土佐犬「くっそぉぉぉぉぉ~!まぁ~見とけよ!
おっ俺の恐ろしさを見せたるわ!」
蔵「はいはい!頑張れや!」
菊丸「蔵!お前は勘違いしてると言うか?
見る目がないと言うか?
なんも分かってないよな!
でもクジ運はいいんかもな!」
蔵「なんやねん?それ?」
菊丸「まっ!その内・・・分かるわ!」
こうして・・・
蔵班に猛と空・・・
土佐犬班に攻と陸となりました!
新たに班分けした蔵は・・・
猛と空を連れ・・・
出勤前に食事をして・・・
夜の繁華街を歩いていると・・・
オナベの中と会いました!
中「よぉぉぉ~蔵!」
蔵「あっ!中やんけ!何しとんや?
今から出勤か?」
中「いや・・・買い出しに行ってたんや!」
蔵「そっか!」
中「あれ?そっちの2人は?」
蔵「ん~後輩と言うか・・・店では先輩やし!
なんと言えばいいんかのぉ~!
まぁ~同僚かな?」
猛「いや!俺達は蔵君の弟子みたいなもんです!
猛と言います!」
中「弟子?なんの弟子なん?ホストって・・・
弟子入りがあるん?」
猛「いや!ホスト界の弟子では無いですよ!
俺が蔵君から学びたいのは・・・
勇者として生きる方法です!」
中「勇者・・・?勇者って・・・何?」
猛「蔵君は勇者なのだ!」
中「・・・・・・」
蔵「なぁ~引くやろ?」
中「うん・・・ちと話してて恐怖を感じた!」
蔵「ははは!猛は素直と言うか・・・
ちとオツムが弱いねん!
だから聞き流してくれ!
あぁ~それと・・・
そっちのオナベでも
使えそうな奴は・・・
空って言うんや!」
空「空と言います!」
中「よろしくなぁ~!ほんまオナベと言うか?
ほんま女みたいな柔らかさ?
なんや色白やし・・・
ちと女っぽい子やなぁ~!
でもメッチャ男前やん!」
蔵「まぁ~な!」
中「あっそや!」
蔵「なんやねん?」
中「この前・・・龍一と居た・・・おデブ君!
いきなり店に現れたんや!」
蔵「マジ?何しに来てん?」
中「なんや!客として飲ましてくれって・・・
来よったんやけど・・・追い返した!」
蔵「はぁ~?何が・・・客としてやねん?
ほんま・・・何が目的なんや?
ひょっとして龍一の指令かな?
それとも他に目的があるんかの?」
中「いや・・・きっと小を狙ってるんやで!」
蔵「あほぉ~なんで狙うねん?小の心は男やで!
そらぁ~パイパイは大きいけど・・・
心は立派な男やんけ!
相手にされる訳がないがな!」
中「あぁ~俺も・・・そう思うんやけど!
でも店に現れた時も・・・
小しか見てなかったで!」
蔵「マジかい?なんか危ない奴やのぉ~!
じゃ~俺が何とかしたろか?
もう店に現れないように!」
中「いや!一回追い返してから現れないし・・・
ほっといっても大丈夫やろ?」
蔵「そっか!でも何かあったら連絡くれよ!」
中「あほぉ~店のトラブルは俺達で処理するわ!」
蔵「そっか!でも相手は龍一関連やし・・・
その後ろには黒川も控えてるんやで!
油断するなよ!」
中「あほ!黒川が居ても関係ないやんけ!
龍一を含め黒川らを潰すんやろ!
その為に蔵も戻って来たんやろ!」
蔵「あぁ~!」
中「じゃ~なんも・・・問題ないやんけ!
まぁ~蔵らが負けたら用心するわ!」
蔵「あほ!何が負けたらやねん?」
中「あはは!冗談やんけ!ほな行くわ!」
蔵「おぅ~またな!」
中「蔵だけ負けたら笑うでぇ~!」
蔵「うるさい!さっさと行け!」
中「あはははは!ほなのぉ~!」
この時・・・
互いに満身の笑顔で別れた二人でしたが・・・
でも・・・
中の笑顔を見るのは・・・
これが最後でした・・・
続く・・・
次の八夜は・・・
来週・・・火曜日に更新します!
この物語はフィクションであり・・・
登場人物や店名などは・・・
架空の物であります!