夜番人(YABANJIN)
the desire for revenge
第3部・・・復讐編!
最終夜 「歴史・・・」
前回の続き・・・
土佐犬「あそこが詰所やで!」
蔵「じゃ~手前の病室に龍一が居てるんや!」
そして・・・
蔵達は龍一の病室を覗くと・・・
蔵「なんや?二人部屋やけど・・・
どうやら龍一が一人やな!
もう片方は空きベッドやで!」
土佐犬「だはは!ほんま運のない奴やの!
別の患者が居てたら・・・
そない無茶もされんのにな!」
蔵「じゃ~中に入るぞ!」
そして中に入ると・・・
龍一がベッドに寝てました!
蔵「ほんまガチガチに固定されとるの!」
土佐犬「ほんまやの!どっかヤバイ所でも・・・
骨折でもしとんやろな?」
蔵「点滴の数も多いな!1・2・3・・・」
土佐犬「なぁ~寝とるんか?」
蔵「みたいやな!軽くイビキをかいとるわ!」
土佐犬「じゃ~起こせや!」
蔵「おぅ~!」
と言って・・・
蔵は閉じられた龍一の瞼に・・・
コンパチをしました!
すると龍一は目を覚まし・・・
蔵と土佐犬の顔を目で追いました・・・
蔵「おはようさん!」
土佐犬「ほんま生きてて良かったぞぉ~!
これで・・・また遊べるのぉ~!」
と言って・・・
鼻にコンパチをしました!
龍一は痛がりながらも・・・
必死に声を出そうとしてました・・・
龍一「ん~・・・ん~・・・」
蔵「アホや!それで助けでも呼んでるつもりか?
そんなんじゃ~誰にも聞こえへんぞ!
もっと大声で叫べるようにしたるわ!」
龍一「ん~・・・ん~・・・」
土佐犬「じゃ~どうする?」
蔵「ほら!これを見てみ!こいつって・・・
自分でオシッコが出来ないんやろ!
だから管を通されとるんやろな?
ほら!ベッド横にぶら下げられてる
ビニールの袋にオシッコが・・・
溜まってるやんけ!
このオシッコを点滴に移せないかの?
どうせ龍一のオシッコや!
体に入れても問題ないやろ?」
土佐犬「さぁ~な?どうなんやろなぁ~・・・?
どっちにしても・・・
その袋は触りたくないよ!
じゃ~とりあえず・・・
点滴のスピードをマックスにしよや!
左側は蔵に任せるわ!」
蔵「了解!」
そして・・・
全ての点滴の落ちるスピードを・・・
マックスにすると・・・
蔵「おぉぉぉ~!メッチャ早なったで!」
土佐犬「こっちもや!」
龍一「ん~・・・んっん~・・・」
土佐犬「なんか言うとるけど・・・分からんの?」
そして2分ほど龍一の様子を見ると・・・
蔵「ん~・・・別に何の変化もないのぉ~!
ほな!土佐犬!
オシッコの管を袋から抜いて・・・
龍一の鼻の穴に突っ込めや!」
土佐犬「あほぉ~嫌じゃ!やりたいけど・・・
オシッコ管は触りたくない!」
蔵「あほ!潔癖か!と言っても・・・
俺も触るのは嫌やな!」
土佐犬「じゃ~次に来る時は・・・
ゴム手袋を持参やな!」
蔵「んっ?もう時間もあらへんな!
そろそろ仕上げをしよや!
どうするんがええかの?」
土佐犬「なぁ~憶えてるか?俺が入院の時・・・
強制退院させられた理由を?」
蔵「あぁ~憶えてるで!」
土佐犬「じゃ~あの時の爆弾爺の刑やな!」
蔵「了解!」
蔵と土佐犬は・・・
龍一の点滴を腕から抜き取ると・・・
蔵「どう刺すんや?縦に指しても刺さらんやろ?」
土佐犬「まぁ~な!だから斜めに指すんや!」
と言って・・・
龍一の額の右側に点滴の針を刺しました!
土佐犬「じゃ~お前は反対側や!」
蔵「おぅ~!じゃ~この辺やな!ほいっ!」
蔵も針を突き刺すと・・・
龍一「んっんぅ~・・・ん~・・・たっ・・・たす・・・」
蔵「なんや?口をパクパクしながら・・・
なんか言うとんな?」
土佐犬「どうせ命乞いやろ?そんなのは・・・
俺らに言うても無駄やけどな!」
蔵「まぁ~命乞いが出来るって事は・・・
生きてる証やないかい!
もう北君は命乞いすら出来んのや!
生きてる事に感謝しろ!」
すると・・・
土佐犬は龍一に顔を近づけると・・・
土佐犬「もう抗争も終り!俺も暇やし・・・
ちょくちょく来させてもらうわな!
まぁ~生き地獄を味わってくれ!
毎回・・・来るたびに・・・
デコ点滴をしたるわ!」
龍一「ん~・・・たっ・・・」
土佐犬「心配するな!同じ所には刺さんわ!
毎回・・・1センチづつ・・・
下にずらしたるから安心せいや!
まっ!最終的に・・・
目に点滴を差した時点で・・・
お仕置きも許したるやんけ!
それが嫌なら・・・
早く回復して逃げる事やな!
まっ!回復が先なのか?
目玉点滴が先なのか?
まだ分からんけどのぉ~!」
蔵「じゃ~俺はゴム手袋を持参して・・・
オシッコ管で遊ぼかの!」
土佐犬「じゃ~そっちは任すわ!」
そして蔵は龍一の顔を見ながら・・・
蔵「おいおい!ほんまに怖いんやの?
恐怖に満ちた目をしてるけど!
でも今さら後悔しても遅いで!
俺も土佐犬も・・・
北君が死んだ場所を見たんや!
だから鬼にもなれるし・・・
悪魔にもなれるんじゃ~!」
と言って・・・
別の点滴の注射針を抜くと・・・
その注射針を龍一の鼻に突き刺しました!
蔵「これが俺の意気込みや!分かったか?」
龍一「ん~・・・ん~・・・んっ・・・」
土佐犬「じゃ~行こや!」
蔵「そやの!」
そして病室の出口に向くと・・・
そこには冷が立ってました!
蔵・土佐犬「あっ!」
冷「お前ら・・・やりすぎ!」
土佐犬「まだまだ温いがな!」
蔵「全部・・・見てたん?」
冷「あほ見てたわ!」
土佐犬「覗き見は不謹慎やがな!」
冷「あほ!ちと下のロビーで待っとけ!
直ぐに行くから!」
土佐犬「はいはい!じゃ~行くで!蔵!」
そして蔵と土佐犬は・・・
ロビーに向かいながら・・・
土佐犬「最後の一刺しをやるとはの!」
蔵「あぁ~俺は・・・あれが最後や!」
土佐犬「そやろな!そう思ったわ!」
蔵「まぁ~どっちにしろ・・・お前は来るんやろ!
この病院と言うか・・・龍一の所へ?」
土佐犬「いや!もう来ないで!」
蔵「ほんまかい?」
土佐犬「あほ!何度もあんな事をやってたら・・・
その内・・・看護婦にバレて・・・
警察を呼ばれるがな!」
蔵「それもそやの!でも!これで・・・
九龍との約束は果たせたよな!」
土佐犬「あれで足りるんかの?」
この後も土佐犬は・・・
この病院に何度も訪れてたみたいでした!
そして・・・
ロビーに冷が現れました!
蔵「遅いで!何してたん?」
冷「あほ!点滴を抜いたりしてたんや!
あんな状態を看護婦が見たら・・・
即効で警察を呼ばれるわ!
デコと鼻に点滴やぞ!
悪戯の域を超えとるわ!」
蔵「まぁ~ええやん!でっ?なんか用なん?」
冷「あのな・・・これからの事は俺に任せろ!」
蔵「どう言う事?龍一の事?」
冷「あほ!最終的な結末や!」
蔵「だから結末の意味は?」
冷「それは言えないけど・・・いつかは分かる!」
蔵「また秘密かいな?」
冷「いや!そうやない!そない焦るな!
時が過ぎれば結論も出る!
そして!もっと時が流れると・・・
何もかも分かる日が来ると思うわ!
その時の蔵の気持ちに・・・
モヤモヤが残ってたら・・・
その時は・・・
また行動を起こせばいい!
でも・・・これだけは言える!」
蔵「何を?」
冷「俺も蔵や土佐犬と同じや!
方向はずれてない!」
蔵の心(こんな顔して言われたら・・・
疑う必要もないかもな?)
蔵「分かった!結論を急げへんわ!」
冷「だから後で赤川と会っても・・・
揉めるなよ!軽く流せよ!
お前が何を言っても認めないし・・・
何を言っても無駄やぞ!」
蔵「あぁ~!赤川の動きの変化に・・・
最初から何も言うつもりはない!
でも・・・
一言だけ言いたい事があるんや!
それを言ったら素直に去るわ!」
冷「分かった!」
蔵「じゃ~行くわ!」
冷「おぅ~!また飯でも行こや!」
蔵「分かった!ほなね!」
冷「おぅ~!ここまで・・・ありがとうな!
俺が不甲斐ないから・・・
欲が出た奴も居てる・・・
でも最終的には・・・
泥は俺が被る!」
蔵「泥を被るのは欲を出した奴やろ!
じゃ~行くわ!」
そして病院を離れた蔵達は・・・
土佐犬「まぁ~あれやな!」
蔵「なんやねん?」
土佐犬「俺は・・・あの街には残ると言うか?
残らないとアカンから・・・
去りはしないんやけど・・・
でもコブラには残れないよな!」
蔵「確かにコブラは嫌やろ!」
土佐犬「でも職探しも面倒やのぉ~!」
蔵「じゃ~どうするねん?」
土佐犬「まっ!俺は俺の神輿を担ぐか!
その為に俺も報酬を頂こかの!」
蔵「なんか考えがあるみたいやな?」
土佐犬「じゃ~俺は行くところがあるし・・・
ここで別れよか!」
蔵「えっ?4時まで中途半端な時間やし・・・
それまで一緒に居てようと思ったのに!」
土佐犬「あほ!わしゃ~忙しいんや!ほな!」
蔵「おいっ!」
土佐犬は去って行きました!
蔵の心(あらら・・・行っちゃったで!)
蔵の心(まぁ~ええか!一緒に居たら・・・
土佐犬も赤川の所へ行くと・・・
言うかも知れんしな!)
蔵の心(ほな!飯でも食ってブラブラするか!)
そして夕方の4時・・・
蔵はコブラの事務所の前に居ました!
蔵の心(じゃ~行くか・・・)
蔵が事務所に入ると・・・
赤川は事務所の窓際にある・・・
ソファーに座ってました!
赤川「来たか!」
蔵「よぉ~!俺に何の用や?」
赤川「まぁ~座れや!」
蔵が赤川の対面に座ると・・・
赤川「なんや一人で来たんか?」
蔵「大勢で来る必要があるか?
相手が敵なら・・・
それも必要やろうけど?
でも敵で無いのなら・・・
必要もないやろが!
ひょってして・・・
あんたの中では・・・
俺は敵なんかの?」
赤川「アホな事を言うな!」
蔵「でっ?俺を呼び出した理由は?」
赤川「どぼけるな!お前も分かっとるやろが!
なんや?俺の事で嗅ぎ回ってるんやろ!」
蔵「はぁ~?別に・・・あんたを疑って・・・
嗅ぎ回ってた訳でもあらへんのや!
嗅ぎ回ってたら・・・
あんたが出て来たんや!」
赤川「何が?」
蔵「んっ?秘密主義のあんたに・・・
報告が必要かの?」
赤川「俺に・・・ケンカ売ってる?」
蔵「だったら?」
赤川「まぁ~ええわ!でも冷に感謝しろよ!
昼過ぎに冷から電話があって・・・
何があろうが蔵に手を出すな!
と言われたし・・・
もし蔵に何があれば・・・
絶対に許さんとも言われたから・・・
ここは堪えたるわ!」
蔵「怒らしたらアカンのは冷君だけか?
あんたの行動を知れば・・・
コブラのホストも怒るやろ?」
赤川「あまり舐めるなよ!」
蔵「舐められるような事をしとんのは・・・
あんたやないかい!もうええけどな!」
赤川「あほ!もうええって言いたいのは俺や!
それに俺に言いたい事があるんやろ?
冷から聞いとるんや!
じゃ~それを言ったら帰れ!」
蔵「なぁ~これだけは勘違いするなよ!
今回の抗争で勝てたのは・・・
あんたの手柄でもないし・・・
あんたが神輿となって・・・
戦ったからでもないんやで!
神輿はあくまで・・・
北君の弔いでもあり・・・
それと各々が・・・
心に抱いてたモノが・・・
あったからこそ勝てたんやわ!
同じモノを抱いて同じ方向に・・・
進んでたはずやけど・・・
あんただけ反れたわな!」
赤川「なんやねん?同じモノって?」
蔵「the desire for revenge!」
赤川「なんやそれ?」
蔵「まっ!あんたが仲良くしてる・・・
バックマーケットのアマに聞け!
それが・・・
あんたが無くしたモノなんや!」
赤川「何が仲良くしてるじゃ!」
蔵「そっか!あんたはクライアントやな!」
赤川「知るけ!」
蔵「それと最後に言わして貰うけど・・・
俺は大きな勘違いをしてたんや!」
赤川「何が?」
蔵「あのな!あんたも北君と同じで・・・
夜番人と思ってたんやけど・・・
全く違ってたわなぁ~・・・
と言うか・・・
その夜番人精神すら・・・
無くしたんやろな!
でも今後は気をつけや!
夜番人でない奴は・・・
黒川と同じように・・・
いつかは・・・
夜番人に潰されるわ!
まっ!そうならない為にも・・・
欲を出す前にケジメはつけろよ!
それだけや!じゃ~の!」
赤川「もう行け!俺にも限界があるんや!」
蔵「そっけ!じゃ~最後に言わして貰うわ!
この街に残る土佐犬の要求には・・・
きっちり応じてくれや!
それも守れよ!」
赤川「・・・・・・・」
そして蔵はソファーから立ち上がると・・・
赤川の背後にある・・・
奥の部屋のドアを開けました・・・
そして静かにドアを閉めると・・・
蔵「なぁ~赤川はん!最初の頃に・・・
俺らに言われた事を憶えてるか?」
赤川「何をや?」
蔵「やっぱ・・・あんたの器は小さいのぉ~!
最初の頃から変わってないの!
俺一人相手に・・・
仲間を呼んでるとはのぉ~!
小さい奴やのぉ~!」
赤川「うるさい!お前も同じや!」
蔵「はぁ~?恥ずかしいからって・・・
訳の分からん事を言うなよ!」
そして蔵が・・・
事務所の扉を開け・・・
表に出ようとした時・・・
赤川「よぅ~蔵!二度と戻って来るなよ!
この街にはな!」
蔵「なんじゃ~それ?心配せんでも・・・
次に戻って来る時は・・・
あんたの敵や!」
赤川「黙れぇぇぇ~!」
そして蔵は・・・
コブラの事務所のビルから出ると・・・
蔵の心(ははは!こう言う事か!)
蔵の心(赤川が俺も同じと言ったのは・・・)
表には・・・
土佐犬・菊丸・空・陸・猛・攻・鷹・隼・・・
東兄弟・九龍らが居てました・・・
蔵「なんや?お前ら?」
土佐犬「あほ!今日で去るんやろ!
だから送別会や!お前のな!」
蔵「ははははは!アホや!」
土佐犬「なんや?スッキリした顔しとるの!
じゃ~言いたい事は言えたんやな!」
蔵「あほ!まだ足らんくらいや!
でも九龍はともあれ・・・
他の奴は・・・ええんか?
俺は赤川を怒らしたで!」
土佐犬「それはそれ!それもこれ!」
蔵「訳分からんわ!」
土佐犬「じゃ~店を予約してあるし行くぞ!
あとで林と森と林檎も来るわ!」
蔵「そっか!」
この送別会を最後に・・・
蔵は・・・
この街から去りました・・・
そして2週間が過ぎた頃・・・
蔵の家に電話が・・・
「プルルルル~プルルルル~」
蔵の心(あっ!電話や!ひょっとして・・・
採用の電話かな?)
蔵「はい!」
土佐犬「よぉぉぉ~俺や!」
蔵「なんや?お前かい!」
土佐犬「なっなんやねん!愛想ないの!」
蔵「でっ?なんの用や?」
土佐犬「あほ!お前が去ってからの報告や!
まず黒川からやけど・・・
冷君が言うには・・・
もう二度と会う事は・・・
絶対にないらしいわ!
この意味・・・分かるよな!」
蔵「分かる・・・」
土佐犬「それを俺に伝えると冷君は・・・
夜の街から去ったで!」
蔵「じゃ~赤川と決別したんか?」
土佐犬「みたいやな!」
蔵「そっか・・・・・」
蔵の心(じゃ~最後のケジメは冷君が・・・?)
土佐犬「それと龍一やねんけど・・・
2~3日置きに病院に行って・・・
お仕置きをしてたんやけど・・・
結果・・・
目玉点滴の前に・・・
別の病院に逃げたわ!」
蔵「どうやって病院を移ったんや?」
土佐犬「まぁ~最後の方は・・・
そこそこ声も出てたし・・・
まっ!医者に頼んだんやろな?
別の病院に移してって?」
蔵「まぁ~移ってくれて良かったやんけ!
目玉点滴までに逃げてくれて!」
土佐犬「まぁ~の!それと残った奴らの・・・
その後なんやけど・・・・・・・・」
土佐犬の話では・・・
九龍らは約束通り・・・
ドラゴンスープレックスを・・・
貰ったみたいでした!
あと!菊丸と空と陸と菊丸派は・・・
店を辞めて独立するつもりで・・・
店を辞めると赤川に告げました・・・
すると赤川に・・・
コブラの改装工事後の・・・
リニューアルオープンだけは・・・
菊丸らには居てほしいと言われ・・・
菊丸らはリニューアルから・・・
1週間だけコブラで働き・・・
そして1週間が過ぎると・・・
菊丸派の全員はコブラを去りました・・・
あと土佐犬ですが・・・
赤川と話をして・・・
報酬として・・・
黒川が出す予定だったBARを・・・
貰ったみたいでした!
あと鷹と隼もBARで働く事になり・・・
東兄弟は・・・
蔵の次にホストの世界から足を洗いました!
猛と攻は・・・
土佐犬の紹介で・・・
林が働く店へ移りました!
それと・・・
コブラクローのリニューアルの日・・・
招かざる者が現れたらしいです・・・
それは連太郎でした・・・
連太郎はコブラに一人で現れると・・・
見るホストを次々に殴り倒し・・・
大暴れしたみたいでしたが・・・
その連太郎の大暴れを・・・
空が征したらしいです・・・
そして・・・
これらの事を告げると・・・
土佐犬は電話を切りました・・・
そして抗争から1年後・・・
移動中の不動産屋の社用車の中で・・・
家蔵「おいおい!ほんま堪らんのぉ~!
久々に早よ帰れると思ったのに・・・
なんでジジ男の運転手やねん!」
ジジ男「そない言うなよぉ~!仕方ないやんけ!
店子がゲロで困ってるんや!」
家蔵「知らんがな!」
ジジ男「ええやん!まだ9時やし・・・
ちゃっちゃと済ませば・・・
1時間もかかれへんで!」
家蔵「ほんま不動産屋で働くのなら・・・
車の免許くらいは持っとけよ!
賃貸部でも車は使うやろ!
でっ!ゲロって・・・どこにあるん?」
ジジ男「エレベーターの中やねん!
だから掃除に来いって・・・
ウルサイんや!」
そして・・・
家蔵「ほら!着いたで!俺は待ってるから・・・
ちゃっちゃと掃除して来いや!」
ジジ男「えっ?手伝ってくれんのか?」
家蔵「あほぉ~!ゲロ掃除は・・・
スーツが汚れるがな!」
ジジ男「じゃ~一人で行くわ・・・」
そしてジジ男が行くと・・・
家蔵の心(この街も久しぶりやのぉ~・・・)
家蔵の心(あれから1年かぁ~・・・)
家蔵の心(まさか俺が働く不動産屋が・・・
この街でビルを・・・
2棟も持ってるとはのぉ~・・・)
家蔵の心(まぁ~俺は賃貸部でないから・・・
この街に来ることは・・・
無いと思ってたけど・・・)
家蔵の心(でも違う形で来たんやのぉ~!)
そして家蔵は・・・
車から出るとタバコに火を点けました!
家蔵の心(ほんま社用車は禁煙やし・・・
面倒臭いのぉ~!)
家蔵の心(んっ!この通りって・・・)
家蔵の心(ここを真っ直ぐ行けば・・・
焼サバ定食屋やん!)
家蔵の心(と言う事は・・・)
家蔵の心(あのビルが・・・あれやな!)
家蔵の心(メッチャ綺麗になってるから・・・
気づかなかったけど・・・)
家蔵の心(じゃ~これって!黒川のビル・・・
いや!元黒川のビルやな!)
そして家蔵は・・・
ビルの案内の看板を見ました・・・
家蔵の心(やっぱ・・・今は奴のビルやな!)
家蔵の心(じゃ~最上階のフロアの・・・
北君が死んだ場所に・・・
ある店(ホストクラブ)は・・・
奴の店なんやろな!
じゃ~移転したんかの?)
家蔵の心(なんかレベルアップしとるやんけ!)
家蔵の心(そのキングって・・・なんやねん?
それは店の事なんか?
それとも自分の事を・・・
キングって言うとんかの?)
家蔵の心(じゃ~結果・・・奴は・・・)
家蔵の心(復讐より欲が勝ったんやの!)
家蔵が見た・・・
北が死んだ元黒川のビルの最上階には・・・
キングコブラと言う名の・・・
ホストクラブがありました・・・
そして・・・
サウスダークで・・・
家蔵「まぁ~これが延長戦の結果や!」
油虫「なんか・・・スッキリしない終りやね!
赤川だけが得してるやん!」
家蔵「まぁ~世の中って・・・こんなもんやで!
でも黒川に勝ったとは言え・・・
最後の黒川を見てないから・・・
勝った気分にはなれなかったけどな!」
油虫「でもケジメは冷がとったんでしょう!
じゃ~最後の泥は・・・
冷が被った事になるんやね?」
家蔵「まぁ~の!奴こそ夜番人や!」
油虫「でっ?菊丸は独立して店を出したの?」
家蔵「いや!後に分かったんやけど・・・
菊丸は冷が任されるはずやった・・・
元ココクラを相当安くで・・・
赤川から譲って貰ったみたいや!
それも赤川から・・・
安く譲ると言って来たらしいわ!」
油虫「それって・・・抗争で得た店やろ!
それじゃ~タダでもいいやん!
菊丸派の空が活躍してるやん!
最後に連太郎を潰したのも・・・
空なんやろ!」
家蔵「まぁ~そうなんやけど・・・
赤川は欲に走ったからの!
欲に塗れてる奴って・・・
自分が見えてないんや!
だからケチな事を・・・
平気で言えるんやわ!」
油虫「そらそやね!でも不思議やな?
なんで赤川は・・・
菊丸に店を安く譲ったの?
別に自分で持ってても・・・
良かったのでは?」
家蔵「まぁ~それは元ココクラを・・・
任すはずやった・・・
冷君が去り・・・
東兄弟も去ったやんけ!
それで人でも・・・
足らんかったんかの?
だから菊丸に譲るのが・・・
得策と思ったんやろ?」
油虫「得策?なんで?」
家蔵「まっ!それは菊丸派と言うか・・・
空と親交を持ちたかったんやろ?
結局!連太郎を・・・
負かしたのは空なんやで!
もしもの時は空が必要やろ!」
油虫「なんか・・・ほんまにセコイな!」
家蔵「まぁ~セコイんかのぉ~?」
油虫「それと黒川は・・・どうなったの?
ち(死)んだん?」
家蔵「まっ!それは知る必要は無いわな!
二度と会えないんやから!
それ以上の答えは必要ないで!」
油虫「何それ?」
家蔵「まぁ~ええやんけ!」
油虫「でも他にも聞きたい事もあったのに・・・
ちと忘れたなぁ~?どれやったかな?」
家蔵「そない焦るな!また話すやんけ!」
油虫「でもエグイ事をやってたんやな!」
家蔵「そうかな?まだまだ序の口やで!
もっと・・・・・まぁ~ええか!」
油虫「でも・・・怖くなかったの?
と言うか・・・
ほんまの事なん?」
家蔵「そっか・・・信じられへんか?
人って自分が見たものや・・・
得た情報で過ごしてるからの!
だから知らない世界は・・・
受け入れられへんのやろな!
でも・・・あの時代・・・
俺が居た世界は・・・あれなんや!
まぁ~あの環境の中で・・・
生きてたんやし・・・
あれはあれで受け入れてたで!
もっと酷い世界もある訳やし・・・
見る人によっては・・・
まだまだ甘い世界やで!」
油虫「そっかぁ~・・・」
家蔵「まぁ~後に分かる事もあったけど・・・
でも知らない事も多くあったかもな?
事実は小説より奇なり・・・
そない全てが分かるもんでもないで!
ちと例えが違うかも知れんけどな!」
油虫「何をカッコつけてるん?」
家蔵「アホか!」
油虫「それとthe desire for revenge・・・
これは・・・どう言う意味?」
家蔵「復讐心や!アマから聞いたんや!」
油虫「あぁ~そう言う意味やったんか!
あと気になったのは・・・
何故?土佐犬は残ったの?
別に去っても良かったのでは?」
家蔵「あほ!それは土佐犬の・・・
優しさと復讐心や!
残る理由は二つ!」
油虫「二つ?なにが二つなん?」
家蔵「じゃ~あの抗争で報復があるとすれば・・・
最初に狙われるのは誰と思う?」
油虫「そらぁ~土佐犬と蔵でしょう!」
家蔵「じゃ~お前が狙うなら・・・
どっちを狙う?」
油虫「きっと蔵です!土佐犬は危険すぎる!」
家蔵「だから二人とも去っていれば・・・
最初に狙われるのは蔵なんや!
まっ!それを避けるために・・・
土佐犬は残って・・・
自分に来るようにしたんや!
去った奴を追うより・・・
すぐ近くに居る奴を狙うやろ!」
油虫「そっかぁ~優しい所もあるんや!
でっ?もう一つの理由は?」
家蔵「あほ!ちゃんとブログを呼んでたか?
土佐犬には・・・やり残しがあったんや!
そのヒントはブログに書かれてるやろ!
ある物が無くなってたやろ!
それが土佐犬の・・・
やり残しの必需品や!」
油虫「じゃ~もう一度・・・読むわ!
それと・・・」
家蔵「なんや?」
油虫「今でも夜番人って・・・居てるん?」
家蔵「それは!このBARの2代目マスター・・・
南ちゃんに聞けや!」
油虫「あっ!やっぱり!長い毛から・・・
覗かせる顔に・・・
ヤケドの痕があるから・・・
ひょっとしてと思ったんや!」
家蔵「なぁ~南ちゃん!夜番人って・・・
まだ居てるか?」
南「さぁ~な?昔は・・・この店にも・・・
ホストが大勢来てたから・・・
それなりに情報は入ってたけど・・・
でも今はホストは来ないし・・・
その辺の情報は皆無やな!
でも・・・」
家蔵「なんや?」
南「でも最近は夜の街が騒がしいぞ!
ここん所・・・
ホスト同士の抗争が・・・
始まったみたいやで!
あちこちで暴れとるみたいや!
ここ何年かは静かやったのに・・・
また夜の街が・・・
荒れてるみたいやな?」
家蔵「まぁ~今も昔も変わらんの!」
南「まぁ~な!また悪い奴が頭角を・・・
現して来たんやろな?」
家蔵「そっか!」
南「まぁ~でも!心配しなくても・・・
夜番人が居てたら・・・
また良い方向へ戻るやろ?」
家蔵「あぁ~!夜番人が居てたらな?」
油虫「えっ?夜番人って夜番人から・・・
受け継がれて行くんやろ?
じゃ~居てるんとちゃうの?」
家蔵「いや!そこは勘違いやったんや!
受け継ぐんでなく・・・
この街の歴史が・・・
夜番人を生むんやで!
過去に活躍した・・・
夜番人の功績が・・・
語り継がれる事で・・・
また新しい夜番人が・・・
出て来るんや!
それに気づいたのは・・・
抗争から1年後やったな!」
南「あぁ~あれか!」
油虫「あれって?」
家蔵「まぁ~ええやんけ!
そろそろ帰ろや!
もう2時やぞ!」
油虫「ほんまや!明日・・・契約やで!」
家蔵「嘘こけ!」
そして家蔵と油虫は・・・
サウスダークを出ると・・・
油虫「じゃ~タクシー乗り場に行く?」
家蔵「あほ!混んでるかも知れんし・・・
別の所から乗るで!ついて来い!」
油虫「はいはい~!」
そして10分ほど歩き・・・
人気の無い所へ出ると・・・
少し離れた所から・・・
大声が聞こえました・・・
油虫「あれ?あっちの方でケンカかな?
なんか揉めてるな?」
家蔵「みたいやな!ちと近くで見よや!」
油虫「大丈夫?」
家蔵「あほ!ヤバイ時は逃げるやんけ!」
油虫「えっ?この街では逃げると言う・・・
選択はないって言うてたやん!」
家蔵「あほ!それは・・・この街で・・・
生きてる奴の掟や!
ほら!せめて・・・
見通せる所まで近づくで!」
そして・・・
その揉めてる場所へ近づくと・・・
家蔵「ほら!ここなら問題ないで!」
油虫「んっ?あれって・・・」
家蔵「あぁ~ホストや!ホスト同士の・・・
抗争みたいやな!
なかなか緊迫しとんな!
そろそろ始まるかもな?」
油虫「でも1・2・3・・・対・・・5・6・7やん!
えっ?3対7やで!
こらぁ~3の負けやな?」
家蔵「まぁ~の!でもケンカは数やない・・・」
油虫「何それ?意気込みとでも言いたいの?」
家蔵「あほ!この街では違うんや!」
油虫「じゃ~何?」
家蔵「夜番人の居る方が・・・勝つ!
それが・・・・・」
油虫「それが・・・?」
家蔵「この街の歴史や!」
END・・・
夜番人(YABANJIN)を・・・
読んで頂いて・・・
ありがとうございました!
ブログの方は・・・
暫く・・・お休みします!
それと・・・
次の掲載するブログが決まれば・・・
また更新します!
おしまい!
この物語はフィクションであり・・・
登場人物や店名などは・・・
架空の物であります!