夜話 1343 石橋美術館と『鮭図』 | 善知鳥吉左の八女夜話

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父の日コンクール金賞

金丸小四年是枝文太郎

杉山 子どもの絵の教室


夜話1343 石橋美術館と「鮭図」


九月一日まで「画家たちの明治」展が開催されている 

青木・坂本らとともに小山正太郎の画塾で学びながら そのご画檀から忘れられた作家などの作品も陳列されている 

初めて知った画家たちの作品は勉強になった 

とくに「歴史を描く」 「日常を描く」のコ―ナ―の画家たちは名は知っていても作品は知らなかったのでものすごく勉強になった 

明治初期の洋画壇の紹介が企画のなかにキチンおさまり 近年まれに見る美術展になっている

石橋美術館と山岡コレクションの合体展である   
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山岡コレクションはわが国のディゼルエンジンの開発の草分けをした山岡孫吉氏によるもの 

一個人がよくこれほどのものを集められたもの 収集の眼力と熱意にまず圧倒された 

別館に陳列された高橋由一の『鮭図』を見るのは初めてだった 

高橋には『鮭図』が数点あり 其の最高作品は東京芸大にあるとか しかし今回陳列のもので高橋という画家の日本洋画壇における役割が理解できた 

なんの変哲もない日常の一風景が絵になるということを作家は主張している 

後世坂本繁二郎も『鮭』を描いている 横にした鮭である
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高橋との違いは日常を描いても 坂本は自己主張を「構成」のなかでまとめている 

高橋が主張する「日常」とは別世界での主張である 

そんなことも考えさられる作品展だ 

郷土長崎出身の彭城貞徳(さかきていとく)の作品もはじめて接した 


付け加える 入館券に高橋の「鮭図」が右のよう使われている

石橋美術館の工夫が見えて有難い 山岡さんとはケタ違いのわが家のコレクションにするつもり 

(敬称略)