夜話 1328 「文化映画」を観たい | 善知鳥吉左の八女夜話

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福岡県八女にまつわる歴史、人物伝などを書いていきます。

夜話 1328 「文化映画」を観たい 

  

ボケ封じには映画を観るに限ると ひとり決め込み 毎晩のように DVDに凝っている

昨夜は『四十七人の刺客』を 

数年前観た映像を再度追跡したわけ 

皺のよった中年の高倉健扮する大石内蔵助のまわりに わけのわからぬ美女ふたりが付きまとわり 健さんが大石エロの助に見えた『忠臣蔵』なり 好色家 内蔵助は池波正太郎の作品にはあったが

ただ浅野の刃傷理由を不明にしたまま仇討に持ち込む筋は再見ながら面白かった 

しかし上野介の首を大石に切らせるのは行き過ぎ 

健さんに花持たせたのは『刺客』という勇ましい題に溺れた結果か

古い映画を観て古い血にエネルギーを というもくろみが外れて 夜深しして 今年は再三風邪ひき 危うく肺炎に成りかかった?と 自己診断している 

それでも読書し 映像に接し お喋りすることが ボケ封じになるという 都合のいいひとり合点に変化はない 

「進行なし」と思っていても どうやらボケは進行しているらしい 

エエママヨと 今宵は今井正の『にごりえ』に挑戦するつもり 

 

毎年二月の『キネマ旬報』は前年の日本と洋画のベストテンを発表する 昨年の洋画ベスト一位の『ニ―チエの馬』を見て感激のあまり風邪を引いた事は既に夜話すみのごとし 

いま手元には二位の『別離』が明日の夜をまっている これらは劇映画 


今日お願いしたいのは同じ『キネ旬』 (この言葉使いには注意されたがよい(よほどの映画狂である) 発表に『文化映画』部門がある 

これを観る方法をご教示戴きたいのです 

戦中映画の製作本数激減のなか「文化映画」は大いに奮闘し全国の映画舘で見ることができた 

亀井文夫監督の『上海』『信濃風土・記小林一茶』(下)やそれに監督名失念の『或る日の干潟』なとなどのノンフィクションの文化映画が懐かしい善知鳥吉左の八女夜話 上映禁止になった亀井の『戦ふ兵隊』は軍によって上映禁止になったが 十年ほどまえ久留米のビデオ屋で見つけて一見した想い出もある

戦中・戦後のしばらくは「ニュース映画」というものもあり 文化映画はそれらと併映されていた

文化映画はいまも作られ 「キネ旬」でベストテンを争っている 

去年の一位は『報道写真家福島菊次郎九十歳』 ニ位は『私は生きる』

三位は『陸軍登戸研究所』などなど 題名だけでも魅力がある 

それらが この八女と云う小都市では観ることができぬ 凡百のつまらぬ作品よりも この老人 これらを がむしゃらに見たいのである 

現在のこれらの映画を見る機会がないのは戦後日本文化の衰頽ともいえるか

三位の『陸軍登戸研究所』など題名だけでワクワクするではないか 

戦中の隠された日本陸軍の秘密がえぐりだされているはず 

戦後も「帝銀事件」にからみこの研究所の名が噂になった

今の川崎市の岡本太郎美術館近くにこっそり陸軍がつくった研究所と聞く 教えてくれたのは中学同期生のA君 この間まで日本ナントかの関西支社長 四高から東大の秀才だからマチガイあるまい なにしろ「ヨン高」といったら「シ高」と訂正を命じた秀才の言うこと正しいはず 

中野重治もシ高だったっけ このへんヨリミチ

あの研究所 お喋りのネタが大量に見つかるはず それだけでもボケ封じになる 

どなたかこれらの「文化」映画を観る方法を教えてください 

もうひとつ 新藤兼人の傳記『陸に上った軍艦』も加えます

また『ボケ対策のため』の文化映画も有るはず これはいますぐにでも是非観たい 

教えて下さいこのとおり 頭をさげています。  



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