塔の立つお寺の風景がいつごろからか好きになった。
塔の背に青空が、緑濃い木々が、碧き山々があれば、
さらにまた美しく、素晴らしい!
東塔西塔といえば、奈良の薬師寺がもっとも名高い。
あの六重塔に見えるリズム感を持つ三重塔、実に美しい。
だが驚くなかれ(驚かないか)!
大和平野西麓に位置する当麻寺の東塔西塔は、2塔とも国宝!
薬師寺は東塔のみなのに! そうか、そうだった!
ならばなおのこと、当麻寺の東塔西塔を一つのカメラにおさめねばと、冬の当麻寺を訪ねた。
左が東塔。おぉ、うまく撮れたか、しかし曇り空…。
ズームにしたが。
あまり変わりはないか。
薬師寺の東塔西塔と違って、當麻寺は同じ高さの地に2つは建てられていない。
意匠もいささか違う感じがした。
これが西塔。
東塔はなかなかうまく撮れず、これは以前に撮ったもの。
遠景からだと最上層のみしか撮れず。
緑樹の波に浮かぶ東塔か。
当麻寺は、今は東からの仁王門が正門口の役割をなし、境内に入ると東塔西塔は左手に並んでいて、いささか違和感がある。
かつては南側に寺の正門が置かれ、左右に東塔西塔が見えたという。
奈良天平時代からの一千年以上の風雪の歴史の中で、寺の様相も様々にかわったのである。
東塔は奈良時代初期、西塔は奈良後期の建立という。
ともに本瓦葺き、高さともにおよそ25㍍、まさに「天平の甍の三重塔」。
やはり二つの塔がともに並ぶ景色がいいなぁ。
いつかまた青き空、緑濃い時季に、良き写真を撮りに来よう。