食べログ有料会員のグルメな弟の指定で向かったお店は、看板のない、隠れ家的な場所だった。
まだ学生のくせに生意気だよ!という気持ちも勿論あるけれど、何より、君のお姉ちゃんは看板のないお店を知っている系の男の子が苦手だよ。
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弟にプレゼントを買っていった。何が欲しいのか事前に聞いての、おつかい制で。
Tシャツが欲しいと言うので、伊勢丹のメンズ館に指定されたものを買いに行った。
いつも弟にプレゼントを買うとき、店員さんに「彼氏さんですか」と聞かれるのだけど、今日は「旦那さんですか?」 と聞かれた。いえ弟です、と答えると店員さん「指輪してないですもんね」と。どうして指輪までチェックしておいて、一旦カマかけたんだろう。
左手薬指に指輪をしていたら既婚、っていうのもなんだか変な話だよなとたまに思う。
私は法的に結ばれてる人がいまーす!って、そもそも現代においてアイコンで示す必要があるかないかはさて置き、「左手の薬指に指輪」ってキャッチーさが足りないというか…
こういうことを言ってしまうからダメなんでしょう。面倒くさいですね。
でもちょっと羨ましい気持ちもあるな。
左手薬指じゃなくても、好きな人とお揃いのものを身につけていると、仕事していても友達と遊んでいても少しだけ気持ちが凛としそう。
弟はプレゼントを、たぶん喜んでくれた。
飲み会に着ていく!と言っていたので。
お姉ちゃん、毎日飲み会ばっかりしている男の子もやっぱりちょっと苦手です。
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母はかなりお酒を飲む人なので、帰り際、そこそこ酔っ払っていた。
真剣な顔で何を言い出すのかと思ったら
「こんなこと言うの、母親としてどうかと思うんだけど…あんたが子ども産んだら、私も全面的に協力することにしたから!」
私はウーロン茶をヘビロテする素面だったので、頭のなかがハテナでいっぱいになった。
子ども産む予定も結婚する予定もなければ、恋人も好きな人も紹介したことないのに。
なに言ってるんだ?と思い、咄嗟に変な顔をしてしまった。いや絶対結婚しないと思うし、35才くらいになって独り身だったら寂しいって思いだすくらいじゃない?なんてはぐらかしていたら、わかんないよ、絶対なんてないよ〜と母。
でもやっぱり、想像ができない。全く。
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絶対なんてない。そうなのかな。
帰り道一人になって考えた。
昨日だったか一昨日だったか、テレビでお笑いコンビのガンバレルーヤが曲を作っていたんだけど(素人の曲をプロがアレンジしたらどうなるのか!?みたいな企画だったはず)
その歌詞が、超絶に良かったのだ。
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学校のトイレの落書き
殴り書きのアイアイ傘
こんなの続くわけがない
でもどこか羨ましかったんだ
絶対なんてないな
山は動くともいうもんな
私の頭はかたい
誰か愛でほぐしてよ
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天才ですよね。
言い回しがいいなとか、共感するなとか、そういうのを一段飛び越えて、ガンバレルーヤの二人の目には日常のなにがどう映っているのか見てみたい、と少し思ってしまった。
そして、その気持ちってほとんど恋と一緒では!?と気付いてしまった。
ガンバレルーヤの二人に恋する日が来るなんて、ほんと、絶対なんてないな。すごいすごーい。
考えごとが本筋から大幅にそれて終わった。
いつもこうだから、何の結論も出ないんだな。
あんまり反省はしていないけれど。
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