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2024年4月12日

 

120年で一度しか間違ったことのない景気後退シグナルが点灯中

businessinsider.jp 2024/04/10

 

トップエコノミストによると、アメリカ経済は過去120年で一度しか間違ったことのない景気後退を示す典型的な警告を点滅させているという

 

景気循環の専門家であり、経済循環研究所の共同設立者であるラクシュマン・アチュータンは、アメリカ経済の複数の分野で景気後退の警戒すべき厄介な兆候が現れていると指摘している。

 

4月3日に公開されたウェブキャストでアチュータンが語ったところによると、「ECRI景気先行指数」(ほぼ完璧な実績を持つ経済指標)は2023年から低下し始めているという。

 

この指数の下落はここ数カ月で横ばいになり始めているとはいえ、過去120年間で指数が下落した後には、必ず景気後退が起こっている。そうならなかったのは第二次世界大戦の後だけだった

 

「必ず不況になるというわけではないが、ショックに対する脆弱性を示しているのは確かだ」とアチュータンは言う。

「多くの場合、これはまさに周期的な脆弱性を物語っている」

 

さらに、アメリカ経済がますます低迷していることを示す他の兆候もある。

 

GDP(国内総生産)は第1四半期に大幅に減速する見通しで、アトランタ連邦準備銀行は直近3カ月の成長率が2.5%増にとどまると予測している。一方、GDP、雇用、小売売上高の成長を示す「米国同時指標」は、2021年の約20%をピークに、それ以降0%近くまで急落している。

 

雇用情勢も悪化し始めている。

 

雇用の伸びは表面的には力強いように見えるが、失業率は3月は回復したものの、2月には2年ぶりの高水準を記録していた。

一方、経済における「循環的な労働インパルス」を示す「ECRI循環的労働条件指数」は、ここ数年で50%近く急落した。経済循環研究所の過去のデータによると、このような落ち込みは2001年、2008年、そして新型コロナパンデミック期の景気後退前にも同様に見られた。

 

消費者が希望よりも必要性を優先するように、雇用の伸びは市場の非裁量分野に関連しているようであり、これは景気後退の前によく起こることだとアチュータンは言う。経済循環研究所のデータによると、教育・保健分野の雇用増加率は2023年に約4%上昇したが、他のすべての分野の雇用増加率はほぼ0%だった。

 

非裁量分野について、「それがなければ、おそらく景気後退に陥っていただろう」と、アチュータンは述べた。

 

こうした警告は経済の「綱引き」を示しており、アメリカの成長は、循環的な弱さとパンデミック時の景気刺激策や人材確保といった外部からの支援との間で一進一退を繰り返しているという。アチュータンは、このような支援がなくなれば「問題が発生する」可能性が高いと警告した。