しかし、現在では睡眠薬の安全性が研究され、正しく服用すればそれほど心配しなくでも大丈夫なものになっています。
睡眠薬として副作用が強く危険だったとされているものは、バルビツール系と言われるもので、現在ではベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬が開発され、大きな副作用がなくなったとされています。
とはいえ、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に副作用が全くなく安全だというわけではなく、ふらつきや物忘れなどの副作用を起こすこともあります。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が安全だといわれるのは、大脳辺縁系のベンゾジアゼピン受容体に作用して、GABA受容体を介してノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなどのさまざまな神経の機能を抑制するのです。
その結果、不安や緊張が消えて、眠くなるというメカニズムです。
一方で昔よく使用されていた危険性の高いバルビツール系の睡眠薬は、脳の睡眠や覚醒を司る部分に作用して催眠効果を発揮するという麻酔に近い働きをするものでした。
さらに呼吸を司る部分にも作用して、呼吸を停止するといった危険性があったのです。