そんな素朴な疑問をさかのぼっていくと実は、人類の存在よりも遥か昔から酒の存在はあったと考えられています。
人類が地球に存在したと確認されているのは約200万年前と言われていますが、6000万年も前にワインの原料である ブドウが繁茂していたことが化石より確認され、また、そのはるか前に微生物も生息していました。
つまり、ブドウ果が微生物によりアルコールになっていたことが推測されます。
現代の酒のように嗜好品としての価値はともかく、ワインの原型のようなものは確かに存在していたようです。
では、いつ頃から人類の飲み物として『お酒』は造られるようになったのでしょうか? 。
人間の手による酒づくりが文献に現れるのは紀元前4000年~5000年ごろからで 赤ワイン、白ワイン、ビールの生産が行われていました。
その後、酒づくりに大きな変化をもたらしたのが錬金術師たちの蒸留技術の酒への応用です。
これにより、アルコール分の多い強烈な酒をつくることが可能になり、その酒のことを ラテン語でアクア・ビテ(Aquavitae)『生命の水』と呼び薬酒扱いしていました。
この『生命の水』の製法は、中世ヨーロッパの各地に伝えられ、土地ごとに入手が 容易な原料を使って酒の蒸留が行われます。
これら各地の酒は、改良されポーランドやロシアのウォッカフランス・イタリア・スペインなどのブランデー、スコットランドやアイルランドのウィスキー、欧米諸国のアクアビットと 分化して今日飲み継がれています。
こうした蒸留酒が出現してまもなく、これらに薬草や香草を配してその成分を浸出させ、薬用効果のある酒の製造が 行われるようになります。
これらがリキュールの始まりで、とても珍重されました。
その後,大航海時代に入り世界各国の香辛料や、木の実、果実がヨーロッパにもたらせると、それらを使って 風味の改良や新しいリキュールが開発され多様化したのです。
酒の歴史は醸造酒から蒸留酒、そして混成酒と段階を経て、洗練され今日に伝えられています。
しかし、一言で酒を造ると言っても、どのような工程を踏まえるとアルコールを含んだ飲み物『酒』はできるのでしょうか?