当然、歴史的に遡っても、稲作が伝わってきて以降になります。
稲作伝来の時期は諸説ありますが、だいたい、縄文後期から弥生前期とされており、紀元前3世紀頃にあたります。
しかし、それ以前、縄文中期(紀元前4000年から3000年)には酒を造り、それを飲んでいたことを示す遺跡が発見されています。
当時の主だった食べ物は、キイチゴやヤマブドウなどの果物ですが、それを貯えるためにまず原始的な器が造られました。
これら当時の人にとって貴重な糖質を多く含んでいる果 実は、容器に入れておくと、果皮に付着している多数の野生酵母の働きでアルコール発酵が起こり、原始的な果 実酒が自然にできあがるのです。
最初は偶然にできたこの果実酒をおそるおそる飲んでいたものが、それを人為的に加工するようになり、現在では「有孔鍔付土器(ゆうこうつばつきどき)」と呼ばれている物は、酒の仕込みに使っていたと考えられています。