東大寺 二月堂 お水取り | ドット模様のくつ底

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↑芭蕉の句が書かれた句碑

 

本日、東大寺ミュージアムで開催された

上院院主、平岡昇修先生の講話へ行ってきました。

 

興味深い話ばかりでしたが、その中でも特に印象に残った話を一つ。

 

貞享二年(1685)、江戸幕府は徳川綱吉が将軍の頃、

大仏殿復興の立役者、公慶上人は38歳。

修二会の役職は、上から三番目の咒師でした。(修二会交名より)

そのとき、松尾芭蕉(42歳)が修二会の見学のため

二月堂を訪れて、俳句を詠んでいるのです。

それが写真の俳句。

 

水取りや 氷の僧の 沓乃音

 

※野ざらし紀行(甲子吟行)より

前詞に「二月堂に籠りて」が付きます

句碑には「籠りの僧」と刻まれていますが、「氷の僧」が正解です

 

実は、この句がきっかけとなって

修二会を「水取り」「お水取り」と呼ぶようになるのです。

 

修二会では12日の未明に、咒師が水取りを行いますが、

句碑にもなっている芭蕉の有名な句は、

公慶上人の水取りの姿を見て、詠まれた句だったのですね。

 

そう思うと何だかとっても感慨深いですね。

このあと公慶上人は、大仏殿復興のための勧進を行います。

つまり、修二会に籠るのはこれが最後の年になったのだとか。

 

まだまだ寒い日が続きそうですが、

3月には修二会がはじまります。

平岡先生は今年、和上で籠られますね。

和上の掛け声といえば、

五体投地を終えて戻りなさいの合図、

「五体打ち上げて、入りたまへ」という言葉が個人的に

印象に残っています。

↑マニアック過ぎてもう、笑

 

さて、今年も聴聞のスケジュールを立てなくては!