「全く物欲を離れさらに我慢なし」 | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

「全く物欲を離れさらに我慢なし」

この格言は、物質的および精神的欲望を克服することの
重要性を述べた者です。

ここにいう「物欲」とはいわゆる欲望のことです。
私たちは自己を保存しながら発達させようとする
生理的、社会的精神的欲求をもっています。

この欲求そのものは善でも悪でもありません。
しかし、この欲求が生存、発達に必要な程度を超えて
自己中心的にはたらくとき、それを欲望といいます。

私たちが病気をするのも、その欲望が原因となっている場合があるのは、
生理的欲求の一つである食欲で考えてみても、
これが過度にはたらいて暴飲暴食すると、
健康を害する結果となることからもわかります。

最近多くみられる心身症、神経症などの心の病気は、

いわゆるストレス(精神的抑圧)が主要な原因で、我慢や強情、
負け惜しみなどの心が強いほどストレス状態に陥りやすいのです。

一般に忍耐、我慢、負け惜しみなどの精神的欲望は、
容認される傾向があります。

こと我慢や忍耐は「あの人は我慢強い人だ、忍耐強い人だ」と
いわれるように道徳的にはよいことと考えられています。

しかしその場合、心の中に沈む利己心は問題にされていないのです。

欲望は自己中心的にはたらく利己心の表われですから、
欲望の強い人は物事を公平に判断できず、
相手の立場を考えることも、相手の心を理解することもできないのです。

現代は欲望が解放された時代です。
その中で私たちは人生の正しい基準を見失い、
欲望の充足を当然のことと考えて生活しています。


しかし、私たちが身心を健全に保ち、一人ひとりの人間性が真に尊重される
豊かな社会をつくりあげていくためには、
欲望を克服して、生理的にも心理的にも
自然の法則に適った生き方をすることが大切です。

日々の生活の中で他人を愛する心、
感謝する心、
反省する心に努めなければならないのです。

(『最高道徳の格言』モラロジ―研究所よりまとめ)


こちらの本、某編集者からおすすめされて読みました。
さまざまな宗教の教えを研究した上で格言にしている本だそうです。
なので、ここに書かれている格言はご存じない方も多いかと思います。

いわゆる宗教の本といえばそうかもしれませんけれども、
道徳心を学ぶには良書だと思います。


善でも悪でもない生理的、あるいは社会的欲求と、
自己中心的な欲望。


我慢は美徳精神であると思われがちですが、
欲望にもなり得ますね。
このことは東大寺別当のご著書にも書かれていました。

その欲望のすべてが悪とは思わないですし、
結果としての善につながることもありそうなので、
自分のために頑張ることだって
否定できることではない気はしますね。

そういったなんだかんだを
全部ひっくるめて人を認めていけたらなあ。。。(理想)

私にとって、トラブルを抑えるためにも、
人とのコミュニケーションの上でも、
自分にできることであり、良い結果をもたらしやすいことは、
人を悪く言わないことです。

人を悪く言ってしまうと後で後悔してしまいます。
「じゃ、言わなきゃよかったじゃない?」って思うのです。

やむを得ず
相手に間違いを指摘しなければならないこともありますけれど、
その場合は、しっかりフォローできる温厚さがあればいいと思います。




それでは、今日も皆様が健康で幸せに過ごせますように。