万葉恋歌を学ぶ | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

簡単ですが、万葉恋歌について


以前にも取り上げた内容を加筆・修正して

再掲載させて頂きます。



万葉集は、今から約一二六五年ほど前に編まれた


日本最古の和歌集です。





万葉集は、約三五〇年間の年月にわたり、


天皇、貴族、防人など様々な身分の人が詠んだ歌が、


約四五〇〇首も集められている和歌集です。




編者は大伴家持説、橘諸兄説があり、現代では家持説が有力です。


これだけの歌数なので、家持だけではないと思われます。




全二十巻で


三部構成になっています。




雑歌=公の性質をもった宮廷関係の歌、自然や四季をめでた歌など。




相聞歌=主として男女の恋歌




挽歌=死者を弔う、哀傷する歌






歌体は三種になっています。




短歌=五七五七七の五句からなるもの




長歌=十数句から二十数句までのものが普通で


     五七を長く続け、最後をとくに五七七という形式で、結ぶもの


    (長歌のあと別に一首か数首添える短歌を『反歌』と呼ばれている)




旋頭歌=短長の一回の組み合わせに長一句を添えた形を片歌といい、


      この片歌の形式を二回繰り返した形。頭三句と同じ形を尾三句で


      繰り返すことから旋頭歌とついた





そのうち万葉恋歌が約七割。


つまり恋歌ばかりということなんですよね。





『万葉恋歌』

~日本人にとって「愛する」とは~


(永井路子著 光文社刊)



1200年前という気の遠くなりそうな昔の歌が、

なぜ、これほどまでに人の心を惹きつけるのか。



「心情や生活様式が、

その後に続く時代より、現代に近いから」という。



たとえば、平安時代以降は着物が主流だが、

奈良時代はツーピースを着ていた。

今でいうマキシのスカートだとか。

アクセサリーをじゃらじゃらつけて、

ロングストールを巻いていたり。



牛乳も、チーズの味も知っていて、

卵も肉も好んで食べていたそう。



一部の上流階級でいえば椅子の生活で、

寝るときはベッドだった。

平安以降にはなかった話なので、

この時代と現代が椅子とベッドの時代だ。



もうひとつ、現代に近いのは、

外国文化の影響を強く受けた時代だったということだ。


当時影響を受けたのは中国だったので、

現代と似ている生活様式は、中国を手本にしているものだった。

日本が活気にみちて、いきいきと文化の花を咲かせるのは、

意欲的な外国文化の流れとぶつかり合った時が多い。

「万葉集」の中にある生命力の豊かさもこうした時代背景も

あるのではないか。



社会の仕組み、結婚の形態はずいぶん違うが、


人を愛するということは、

理屈や時代の差はないはずで、

この万葉の世界というのはあけすけで正直なのだ。



(プロローグに書かれていた内容を抜粋させて頂きました)



情報化社会で簡単に情報が得られる社会で生きていますが、


シンプルという環境ではなくて、

シンプルに考えられないことも多い中でも、


何かに夢中になったり、ピュアに生きていきたいと思っています。


今日も一日、

皆さまが幸せでありますように。