なら国際映画祭 2011 プレフェスタ | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
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なら国際映画祭




なら国際映画祭プレイベントがあります。

スペインの巨匠ヴィクトルエルセ監督も来日されます。

吉野・金峯山寺にて9月11日に奉納上映会、

奈良市にて17、18、19日に上映会や、
ならまちセンターでは18日、

監督と金峯山寺田中利典師の対談イベントがあります。


14日はNHK 総合「クローズアップ現代」にて映画祭が特集されます。
(訂正:14→15日に変更)

ご興味のある方は、リンク先でご確認下さい。


ちなみに11日の金峯山寺には、
河瀬直美監督、上記の監督、
茂木健一郎さんも来られるそうです。


吉野・金峯山寺の蔵王堂は

今回の台風12号で屋根の桧皮の一部が剥がれるという

被害に遭われました。


今夜の奉納上映会で挨拶をされるために書かれた内容が、

師のブログにアップされていましたので、

転記させて頂きました。


「ア・センスオブホーム」金峯山寺奉納上映会のご挨拶



今、日本は大変なことになっています。
あの東日本大震災の想像を絶する大災害から半年。

そして西日本一帯を襲った先日の豪雨。
奈良県南部や熊野地域はいまだ多くの方々が危険にさらされています。


半年前、連日映し出された大津波の映像と福島原発の惨状、

そして数日前の集中豪雨のありさまを前に、

私たちは立ち尽くすしかありませんでした。

かけがえのない、私たちの美しい日本の国土が、

今まさに大きな危機に瀕している、そんな気がしてなりません。


ここ蔵王堂はご開祖役行者開闢以来、

千三百年にわたってつづく祈りの道場です。

蔵王堂に祀られる蔵王権現は、国家の災難を封じ、

人々の生活を守る霊顕第一のご本尊で、その左足は、

大地の振動を押さえ、地下の悪魔を打ち破る力を表しておられます。


その権現様に、私たちは大震災の翌日から、梵鐘を打ち鳴らし、

被災者の平安と亡くなった方への鎮魂の祈りを捧げるとともに、

日本全体が不安におののく心の恐れを取り除くため、

毎日毎日地震の起きた時刻・午後2時46分の祈りを続けています。

今、このときに蔵王権現さまに祈らなくて、いつ祈るのかという思いからであります。


今日9月11日は東日本大震災からちょうど半年を迎えるだけではなく、

あの忌まわしい「9.11アメリカ同時多発テロ」からも10年の節目を迎えました。

大きな意味を持つ今日この日、千年の祈りの場であるここ蔵王堂に於いて、

私たちにとっての家族とは、故郷とは、祖国とは何かをテーマとする

「ア・センスオブ・ホーム」の世界最初の上映会が奉納されようとしています。


地震津波の自然大災害や、原発事故のような人災、

テロや戦火による被災によって、その都度、世界中で、

人間にとってかけがえのないはずの生活や故郷や国が失われてきました。

その、立ち尽くすしかないような現実を前に、

私は蔵王権現さまへの祈りを持つしかありませんでした。

それは私たちを育んできた大地や歴史・風土。祖国への感謝と、

災いの消滅を願う祈りでした。


そして、今回の映画制作企画の主宰者である河瀬直美監督にとっては、

この作品のテーマとなった「センスオブホーム」…

つまり「ホーム」という感覚だったのだと思います。


それは、宗教と芸術が別々の方法で互いに共有した、

ある種の危機感だったとも感じました。


その出会いが本日の金峯山寺上映会に繋がりました。


今、大震災から半年を経て、「あれはなかったことにしよう」というような、

日本の風潮を感じます。東北で苦しむ被災者のことも、

原発事故でどうにもならない事態に陥っている福島のことも、

まるでよその国の出来事のように、どこかで忘れたい、

豊かな元の生活を早く取り戻したいという世の中の流れに、

私は大変な憂いを感じています。

まだわからないのか、と大自然が、権現様が、

言っておられるような気がします。

先日の、紀伊山地の大水害はそのお叫びのように感じてなりません。


9.11以降世界は変わりました。

そして3.11以降、日本は変わらなければいけないと思います。

なかったことにしてはいけない。

その感覚を今回の作品映像が、

今に生きる我々にきっと伝えていただけると思っております。

そして、後世の人々にも伝えなくてはならないものだと感じています。


地震による福島原発の事故や、うち続く災害でわかったことがあります。

それは効率優先という名のもとの経済発展がもたらした、

豊かさが持つ危さであり、大地への祈りと感謝を忘れた行為の愚かさでした。


私たちは大地とホームを今こそ、

取り戻す、取り戻す方向に向かわねばならないでしょう。

今夜の映画祭を、蔵王権現様とともに鑑賞することで、

なにかが生まれることを期待してやみません。


最後に、今回の奉納上映会開催に当たり、

意を尽くして奔走された「なら国際映画祭実行委員会」のスタッフをはじめ、

遠く日本にお出ましをいただいたエリス・ポンセ夫妻ほか

多数の製作監督、多方面にわたり惜しまぬ協力をいただいた

地元吉野山や関係各位のみなさまに心より御礼を申し上げるものであります。



合掌
                           

金峯山寺執行長 田中利典




席は完売ですが当日の立ち見は可能だそうです。

金峯山寺へは電車か、


お車で起こしならば、
吉野山観光駐車場へ
(徒歩約15分)