気温も上がり、直射日光が眩しくて木陰でくつろぎたくなる日もあったりして、いよいよ桜の季節ですね。
人は自然を観て聴いて匂って触れて、また、食して、季節の移り変わりを感じますよね。
しかし、五感の中でも目に映る風景は一瞬で我々に何かを語り掛けて来ます。
昔の人は「光陰矢の如し」と良く言ったもので、光=日、陰=月を意味し、月日が経つのは矢のように速く、しかも過ぎ去ったものは戻って来ないという諺ですが、光が無ければ陰も見えなくて、光速より速く進むと時間は止まって見えるらしく、我々が住むこの3次元の世界は全て光から始まったのではないかと再認識させられます。
ところで、自ら光を放たない物体は、ある方向から光が当たると反対側に陰ができてしまいますよね。
ですから、我々が住んでいる北半球の日本列島では、南側から降り注ぐ太陽の日差しは北側に影を作ります。
したがって、北向きの窓やベランダにはほとんど日光が当たりません。
でも、自ら光を発すれば、陰では無くなるのです。
そして、我が家のマンションは南(正確には南東)と東(北東)と北(北西)の3方向にベランダがあるのですが、南側は洗濯物干し用、東側は処分ゴミ仮置き用として使用しており、あまり空きスペースがありません。
そこで、空きスペースはあるけど日光がほとんど当たらない北側のベランダを活用し、LED照明で電照栽培すれば野菜の栽培も可能ではないかと思い付き、トライしてみることにしました。
なお、植物工場に関する本を読んでみたら、ビニールハウス内でLED照明などを充てて光を補う「補光栽培」という方式があるらしいので理に適っているようです。
そんな訳で、今後不定期ではありますが、その栽培日記をお届けして行きたいと思っています。
まずは、初回ということで、設備の紹介と差し当たり植え付けた野菜の生育状況を紹介します。
ベランダにそのままプランタを置いて栽培すると、雨風を凌いでLED照明を設置する場所が無い、乾燥し易い、冬場の低温に晒される、などの問題があるため、簡易ビニールハウスを購入して、その中にプランタを置いて栽培することにしました。
<土>
土は一般的な初心者向けの元肥の入った園芸土を使用し、プランタの底に10cmくらいの堆肥用の落ち葉の層を作り、その上に敷き詰めました。
<肥料>
肥料は、発芽して2週間くらい後に、即効性のあるアンプル液肥と、遅効性の化成肥料および硫安を苗から少し離して周囲に撒きました。
<日照>
ベランダ菜園の雑誌を参考にして、小松菜やレタスなどの半陰性植物は午前中くらいの日照があれば良さそうなので、朝6時半にLED点灯し12時半に消灯(点灯6時間)するよう、タイマ制御することにしました。
電源はベランダにコンセントなど無いため、以前に購入した非常用蓄電池(540Wh)から給電し、容量が低下したら商用電源で充電するようにしています。
ビニールハウス、LED照明、タイマは、アマゾンで今だとそれぞれ5,000円、3,000円、750円程度で購入できるようです。(小生購入時はもう少し高かった😢)
LED照明は植物の吸収率がよいとされているらしい波長の赤(660nm近辺)と青(450nm近辺)のスペクトルで赤紫の光なので少し違和感がありますが、実質34Wくらいの消費電力で225個のLED素子が付いていて400W相当と謳われています。
照度を計測していないので詳細は不明ですが、100W相当のLED電球が1500ルーメン程度なので、使用する30cm四方で 400W相当のLEDパネルの光源は6,000ルーメン程度となり、45度の放射角とすれば30cm離れた位置で、図のように0.52m^2くらいの投影面積になるので11,540ルクス程度、60cm離れた位置で4,600ルクス程度になります。
昼間の直射日光は60,000ルクス(真夏の直射日光は150,000ルクス程度)くらいあるようですが、3,000ルクスくらいあれば、たいていの植物の光補償点(光合成が成り立つ)はクリアできるようなので、 30cm離して11,540ルクスで6時間照射すれば十分育つようです。
なお、陽性植物のソラマメは60cm程度離れた位置にあり少しスリムですが、現在のところすくすくと育っています。
その理由として、北側ベランダと言えども、間接光は届くので、それと合わせて十分な光量が得られるのだと思われます。
2022年 1月12日
ビニールハウスとLED照明とプランタ設置、小松菜の種まき、サニーレタスとパクチーの苗植え、フキと明日葉の苗植え
2022年 2月 6日
小松菜発芽(寒かったせいか発芽まで大変時間がかかったようです)
2022年 2月13日
ソラマメ苗植え
2022年 2月28日
フキノトウが顔を出す、レタス仮収穫・試食(新鮮で瑞々しく無農薬なので格別に美味しく感じます)
2022年 3月 2日
小松菜植え替え、ミニトマトと青じそ種まき
2022年 3月24日
小松菜の間引き分をベビーリーフとして収穫、パクチーとサニーレタスの葉を切り取って一部収穫
今後も、遅らせて種蒔きしたミニトマトと青じその発芽、それにフキやソラマメの成長が楽しみです。
あと、省略しましたが、フキと共に苗植えした明日葉が枯れてしまったのが少し気がかりです。