地球温暖化 | 邪馬台国の道標(みちしるべ)

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昨日は春分の日、「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、いよいよ春の到来ですね。

あちらこちらで桜の開花も報告されています。

まだ、大変な状況は続いていますが、春の訪れとともに困難な状況が収束していくことを願っています。

 

さて、今回は現在地球上で起きている困難な状況と同様に地球の将来に大きな影響を及ぼすとされる「地球温暖化」について触れてみたいと思います。

 

地球上が氷に覆われて非常に寒かった時期を一般的には「氷河期」と呼びますよね。

しかし、ウィキペディアの「氷河時代」の解説によると、学術的には、地球上に大陸並みの大きさの氷床が存在している時代を「氷河時代」と呼び、その中でも特に氷河の発達した寒冷な時期を「氷期」、氷期と氷期の間の温暖期で相対的に氷河が縮小した時期を「間氷期」と呼んで区別されています。

なお、 「氷河期」という言葉は「氷河時代」と「氷期」のいずれを指すか曖昧なため、学術的には使用されないのだそうです。

 

そして、氷河時代は今から4900万年前から始まり、氷期と間氷期のサイクルを周期的に繰り返し、今もグリーンランド・北極・南極大陸に氷床が存在していることから、氷河時代は現在も続いていることになりますが、最後の氷期は1万年前に終了したとされています。

 

氷河時代の原因やメカニズムが明確に解明されている訳ではないようですが、それらの要因としては、主に「①大気の組成」「②地球の軌道の変化(ミランコビッチ・サイクル)」「③プレートの動き」「④太陽の出力変化」「⑤火山活動の影響」などがあると言われています。

また、その他にも氷河時代に入る前の中生代の温室期に恐竜絶滅につながる寒冷化をもたらした要因として巷で噂されている「⑥巨大隕石の衝突」が考えられます。

 

①大気の組成

二酸化炭素・メタンなどの温室効果ガスの含有率が地球温暖化に対して多大な影響を及ぼします。

二酸化炭素の比率は以下の気象庁のサイトに掲載されているグラフに示す通り毎年2.5ppmくらいずつ上昇しています。

このまま直線的に上昇していくと、500年後には含有率が1500~1600ppmとなり、以下のネイチャージャパンのシミュレーションで、平均地表面温度が約57℃を超え、雲のフィードバック効果によって地球の気候が不安定化して、上層大気の水蒸気量が増え、水蒸気量の少ない現在の地球の上層大気の場合よりも急速に大気中の水分が宇宙に流出することになることがわかったようです。

重力が地球の40%程度しかなく水や生命体の痕跡が残る火星も、元々水や生命体が存在したが、重力が小さいので長い年月を経て水蒸気として宇宙に放出され、現在のような乾燥して赤茶けた不毛の大地が横たわる惑星になってしまったと考えられないでしょうか。

火星は、ギリシャ神話では「アーレス」、ローマ神話では「マルス」に位置付けられる軍神を象徴する惑星です。

 

●気象庁の大気中二酸化炭素濃度の含有率の変化 

気象庁の二酸化炭素濃度の経年変化グラフ

『温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2020年の世界の二酸化炭素平均濃度は、前年と比べて2.5ppm増えて413.2ppmとなっており、工業化(1750年)以前の平均的な値とされる278ppmと比べて、49%増加している。』

●ネイチャージャパンのシミュレーション内容と結果

ネイチャージャパンの温暖化シミュレーション

『全体を水に覆われた理想化された惑星上で大気中の二酸化炭素濃度が変化した場合の影響をモデル化して、この変化が地球の気候システムに及ぼす影響を調べ、一連の数値シミュレーションにて、二酸化炭素濃度が1,520 ppmに達すると、平均地表面温度が330 K(摂氏約57度)を超えることが明らかになり、雲のフィードバック効果によって地球の気候が不安定化して、上層大気の水蒸気量が増え、水蒸気量の少ない現在の地球の上層大気の場合よりも急速に大気中の水分が宇宙に流出すると考えられることが分かった。』

 

②地球の軌道の変化

地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因、及び、月の引力による海水の干満作用によって海水と海底の摩擦がおき、地球の自転速度が減速させられることなどの影響により、日射量が変動する「ミランコビッチ・サイクル」という周期的変化を計算することで、北極や南極の氷床の規模の変化や氷期や間氷期がおとずれたりする年代を求めるのに有効とされており、1970年代の最新鋭の測定法に匹敵する精度で求めることができるようです。

しかし、このサイクルは4万年~10万年程度の長い周期での変化です。

 

 

③プレートの動き

外核やマントルの流動による地磁気の変動がもたらす電離層の状態変化

地磁気の逆転やエクスカーション(逆転までは行かないが大きく揺らぐ現象)の原因やメカニズムは現在でも未解明でですが、マントル対流説など地球の外核やマントルの流動による影響が関与していると仮定すると、それは不定期に発生し、それに起因して上空の電離層の状態が変化するため、それまでは地磁気によるローレンツ力で弾かれていた宇宙線の大気圏への入射量が増え、それにより大気が電離する事により、氷結核が増加して過冷却状態の水蒸気が凝結して雲の発生が増え、日射量が減少して気候が寒冷化することにより氷期の到来等の気象変動の要因になるという説があるようです。

プレートテクトニクスによる大陸などの移動による赤道と極地方との海流の流れの変化

氷河時代は赤道から両極へと向かう暖流を止めるか減少させる位置に大陸があるときに始まり、それゆえに氷床が形成されると言われています。

氷床は地球のアルベド(宇宙からの入射光に対する反射光の比)を増大させ、それによって太陽放射の吸収を抑えます。

吸収される太陽放射が少ないと大気は冷え氷床が成長し、さらに反射能を増大させて正のフィードバック循環に入ります。

このようにして寒冷化が進みますが、今度は氷床の拡大によりその真下にある陸地を侵食するため、やがて海水面より上にある陸地の面積は減り、氷床の形成を可能とするスペースも減少しアルベドのフィードバックを和らげ、氷床の形成に伴う海水準の低下も引き起こします。また、氷河拡大に伴い乾燥状態が増すことで、氷河を維持するために使われる降水量が減少し、今度は負のフィードバック循環により氷河の後退が起こるのではないかとされています。

しかし、これらの変化のサイクルは②と同様非常に長い周期での変化です。

 

 

④太陽の出力変化

45億年前(太陽誕生から1億年後)に主系列星の段階に入った太陽は、現在までに30 %ほど明るさを増してきたとされています 。今後も太陽は光度を増し続け、主系列段階の末期には現在の2倍ほどの明るさになると予想されています。

しかし、太陽の主系列段階は約109億年続くとされており、太陽光の強さは徐々に増して行くものの、②や③以上に長い年月を要する変化と言えます。

 

⑤火山活動の影響

火山の噴火により噴出するメタンや二酸化炭素などの火山性ガスの影響が、氷河時代の開始や終焉の一因となったかもしれないとされていますが、火山活動の顕著な増加傾向や周期的変化などの報告がなされているわけではありません。

 

⑥巨大隕石の衝突

地球生物の75%が死んだ、6500万年前の「巨大隕石の衝突」

Forbesサイトに掲載されている6500万年前の巨大隕石の衝突が地球に与えた影響に関する記事によると、大津波の発生と、その衝撃波が地殻内を駆け巡り、それにより塵や岩石が大気に舞い上がり、摩擦による稲妻や森林火災が発生し、動物は生きたまま焼かれ、太陽光が数年間にわたって遮断され、硫酸の雨が降り注いだと想定されています。

しかし、現時点では近い将来に巨大隕石の衝突の可能性があるという報告がなされているわけではありません。

 

 

以上の通り、これらの要因の中でも、喫緊の課題は、人為的な要因で500年後という近い将来に発生し得る「①大気の組成」 における温室効果ガスの含有率の増加が最も重大ではないかと思われます。

これまで続いてきた数万年単位で氷期と間氷期が交互に移り変わる氷河時代のサイクルが消え去り、水と緑に覆われていた奇跡の地球環境が、現在の間氷期から温室期を経て火星のような人類の住めない殺伐とした星になってしまうことが予想されるからです。

我々は今一度エネルギー問題を見直し、将来の世代に禍根を残さないよう、現代を生きる者の務めとして、地球温暖化防止に貢献して行きたいものですね。