今回は、2018年の10月から東方衛視で放送された、男女それぞれがチームになって対戦する歌番組『中国梦之声·下一站传奇』に出演した、陈乐一(チェンレイ)という歌手を紹介します。
先ずは彼女が初登場した第3期で歌ったこちらのカバー曲からどうぞ。
途中から中国語ではない原曲の歌詞が出てきますので注目です。
彼女の元気いっぱいのパフォーマンスが会場を沸かす。
途中に出てきた歌詞は日本語で、オリジナルが何の曲だか分かる方は多いと思います。
原曲は、テレビアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』オープニングテーマ曲、いきものがかりが歌う『ブルーバード(青鸟)』です。🦜
NARUTOは中国でも人気でしたから、このテーマ曲も知名度は高いようです。
なぜ3年近く前の番組を今更取り上げたかと言うと、歌番組『新声请指教』で抜きに出ていた黄霄雲(ファン・シャオユン)のように、C-POPの最前線で活躍しているアーティストは、過去出演した音楽リアリティ番組でもやはり圧倒的に輝いているという好例を他にも紹介したかったからです。
続いて、同じ番組で今度は全てオリジナルの日本語で歌った曲です。
世界的にヒットした映画『君の名は。』の主題歌、RADWIMPSが歌う『なんでもないや(没什么大不了)』です。
彼女は近年、中国版ニコニコ動画とも言うべき中国の動画配信サイト「bilibili(哔哩哔哩)」のライブで活躍しています。
bilibiliは、どちらかというとアニメを中心としたコアなオタク系のファンに支持されており、私はアニメは詳しくないのですが、彼女きっかけで、なかなかカッコいいアニソンもあるのだと知った次第です。
そんなbilibili関連のステージで歌われた3曲を紹介しましょう。
先ずは、大型ライブビューイングイベント「Bilibili Macro Link(BML)」の2019年度のステージで歌われた、アニメや映画音楽を手掛ける澤野弘之氏が手掛けるプロジェクトによる、UHFアニメ『アルドノア・ゼロ』エンディングテーマ曲『aLIEz』を聴いてみて下さい。
こんな大きな会場を盛り上げることが出来るアーティストに急成長。
そして、近年規模が拡大しているbilibiliの年越しライブですが、2019年の大晦日に開催された「bilibili晚会 二零一九最美的夜」では、アニメ『とある科学の超電磁砲』の前期オープニングテーマ、fripSideの『only my railgun』を歌いました。
このライブの顔ぶれは超豪華です。そんなアーティスト達と肩を並べるなんて凄い。
昨年の「BML 2020」はクラウドライブでしたが、彼女は藍井エイルの楽曲で、テレビアニメ『ソードアート・オンラインII』のオープニングテーマ『IGNITE』を披露。
『aLIEz』のカバーでもコラボしたドラマーの万万(Wanwan)と。
陈乐一(チェンレイ)のバックボーンはあまり良く知らないのですが、彼女がかなりのアニメ好きだということは間違いなく、日本語は堪能ではないようですが、かなりのハイレベルな日本語歌詞の発音、そして素晴らしい歌唱力だということが分かってもらえたと思います。
彼女は『中国梦之声·下一站传奇』のオーディションでセーラームーンのテーマ曲を歌っていました。
最後に、『中国梦之声·下一站传奇』で『なんでもないや(没什么大不了)』を歌った後のチェンレイが、この番組で苦労した感想を述べ、メンターの邓紫棋(G.E.M.)と周笔畅(ジョウ・ビーチャン)の2人が、あなた達はこの番組を通じて確実に成長していると彼女達を讃えるという一幕を紹介します。
チェンレイは、“この番組で自分の名前を刻めたかな?”と『君の名は。』のテーマのように自らのアイデンティティを問いかけ、ビーチャンは、困難を乗り越えれば、“なんでもないや” (という日本語で!)と言えるとコメントする見事な展開。
『中国梦之声·下一站传奇』という番組自体は、特別凄くはなかったのですが、他のコンペティション形式のリアリティ番組同様、こういった音楽プラットフォームによって、チェンレイのような素晴らしい次世代のアーティストが確実に羽ばたいていくところがC-POPの魅力。
そして、中国の歌手に日本のアニソンを教えてもらうことになるとは私自身の驚きでした。
次回も彼女の活躍を紹介しましょう。