…。
……。
………。
カチ、カチ、カチ。
時計の針の音が、無音の室内に小さく響く。
空は快晴、外からは時折人の話し声や車の走る音が聞こえる。
何の変哲もない、穏やかな日。
そんな平和な日常が過ぎているなかでも、室内にいる男の表情は晴れない。
まるで無実の罪で捕まった囚人の如く、沈痛な面持ちで座り込んでいる。
否、心境だけで言うのならば彼は正に刑場へ連れてこられた囚人そのものなのであろう。
嗚呼、何故。
何故こうなんてしまったのか。
彼は一体どこで何を間違えてしまったのか。
何がいけなかったのか。
いくら問うても答えは出ない。
出るはずが、ない。
そう。
彼は出来る限りの事をした。
精一杯を尽くしたのだ。
それでこの結果ならば仕方がないではないか。
最早、今出来る事と言えば結果を受け入れることだけ。
時間は決して巻き戻らない。
刑は執行されねばならない。
彼は覚悟を決めると、そっと上向いて
おええええぶあべばまなたあ△＄♪×￥●＆％＃？！ハあックしょぉン！！
え？
さっきからなにワケワカランことをしてるんだって？
そりゃあれですよ。
抗原検査で鼻に棒を突っ込んでいるだけですよ。
皆様、ご無沙汰しております。
ジムで御座います。
イキナリですが濃厚接触者になっちゃいました。
いやしかし嫌いですねこの検査方法。
ジムは幼少の頃もインフルエンザになったとき検査の為にブッこまれましたけどまあ痛いし辛いのなんの。
ほんと嫌な思い出です。
こうならないよう日々警戒していましたが、遂に捕まってしまいました。
本当にトホホで御座いますよコンチクショウ。
…などとブツブツ言っている間に検査は終了。
結果は陰性、と。
ひとまず安心ですが、まだ一日目。
油断は出来ません。
まあこれまでジムは病気になりたくない、なったらどうしようと散々喚いてきましたが、こと此処に至ったら覚悟が決まるというもの。
とにかく発症する前に思い付く限りのことするしかありません。
とりあえずは身の回りのこと、お洗濯でもしましょうかね。
汚れ物を入れて洗剤入れて洗濯機の中はぐーるぐる。
二日目。自覚症状などはありませんが、まだまだ警戒は緩めません。今日も洗濯機の中はぐーるぐる。
三日目。発熱等はしていませんが、気を抜いたりは致しませんよ。本日も洗濯機はぐーるぐるです。
四日目。異常無し。今日だって洗濯機はぐーるぐるでした。ちなみに柔軟剤って大事ですよね。いい匂いしますもんね。
五日目。綿棒(お仕置きの時間だよベイビー！)…ズボッ。あべぶだば(以下略)
検査結果は
陰性！！
勝訴おおおおぉおお！！！
ジムが謎の悪運強さを見せたところで、本日は失礼したいと思います。
それでは皆様、機会があれば、またいずれ
。
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