ピンクのポンポン★87-8
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏のソロツアーで止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
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どうしても仕事が休めなかった彼女は、仕事が終わってから会場へ駆けつけることになり、僕が車で義父を病院へ迎えに行ったのだった。
今日、病室の扉を開くと、やっと彼女の両親しかいない時に来れたことが分かった。
心の中で、今日こそ!決心し、義母から差し出されたペットボトルのお茶を飲みながら、言葉を考えていたら、ドアをノックする音が聞こえた後、勢いよく扉が開かれて、高校生くらいの男の子がストレッチャーで運ばれてきた。
よく見ると、空いていた筈のベッドに布団がちゃんと敷かれていて、ベッドにちきんと名札も入っている。
「体育の時間に転んで、骨折したんだって。可哀想に…… きっと痛い筈よ……」
義母の言葉に、え?と思い、義父を見ると目が合ったけれど、すぐに視線を逸らされた。
義父には遠慮なく、
「何も無いところで転ぶなんて、信じられないわよね」とか、
「このくらい、痛くはないわよね」と、義母は笑っていた。
でも、男の子をベッドへ運んだ看護士達が病室を去ると、義母は、彼に優しく心配の言葉や励ましの言葉を並べたことが、義父にとっても、僕にとっても意外だという考えは一致したようだった。
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