❀  一張羅  Ⅱ 最終話  ❀ | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン

ピンクのポンポン★91-2

 尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏のソロツアーで止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。

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 とにかく正社員として働きたい!と無理をした他の同級生は、頻繁に求人広告を出している会社へ応募し、採用されて念願の正社員になったけれど、職場の人間関係で体調を崩して入院し、結局、入社から半年余りで退職。今は再びハケンとして働いている。


 経済的に苦しい生活を送っている私にとっての唯一の贅沢がタッキーだった。大勢の中の一人だから、何度、同じ服を着て出かけても、バレることはない筈!

 それに、汗をかいてもクリーニングに出すお金も勿体ないので、普段は着ない一張羅のTシャツを着て、いつも出かけている。

 学生時代にバイト代から奮発して買ったTシャツを、卒業して三年目の今も着ているという現実を、学生時代の私は知らないけれど、箪笥の引き出しから取り出す度に、このTシャツを買って良かったといつも思う。
 綺麗な言葉で例えるなら、『たくさんの思い出を知っているシャツ』だけど、一日でも早く、このシャツから卒業したいのも事実。



 そんなことを考えながら、今日も会場の最寄り駅のトイレでこのシャツに着替えてから、会場へ向かって歩いている。

 ペンライトやグッズも今日だけは奮発!

 今夜もチケット代の元を取れるだけ、しっかりと楽しみたいなと思いながら、トートバッグに手を入れて、ピンクのポンポンに触れてみた。


 神様から、頑張っている私へのご褒美なのか、八王子のチケットが当たったので、花火大会は諦めることにした。


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