❀  元気でね  Ⅰ  ❀ | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン


ピンクのポンポン★83-1


 「幸太!」
 勇気を出して叫んだ声に、彼が振り返った。もう、自分の顔から笑顔が消えていたことは分かっていたけれど、私は言った。
 「元気でね」
 でも、私の言葉と重なるように、賑やかな学生達のグループが私が立っていた扉から電車へ乗りこんできた。
 幸太が戻ってきたくれたけど、笛が鳴り、扉が閉まった。
 心配そうな表情をする幸太に、私は再び、笑顔を作り、手を振った。グループの一人の男子学生が私に向けて口笛を鳴らしたことで、他の人達の視線まで私に向けられたことに気付いていたけれど、私は遠ざかってゆく幸太に笑顔で手を振り続けた。勿論、ほんの数秒の間だったけれど。


 幸太と知り合ったのは、大学二年の春だった。バイト先のコンビニに、大学入学と同時に新たにバイトとして入ってきたのが幸太だったという、ありきたりの出会いのパターンだった。
 幸太が入る直前、同じ大学のコが新しくバイトに入るよとオーナーに告げられて、二日間の研修を担当したのが私だった。
 共に地方から上京していて、一人暮らしをしていたこともあり、夏前には付き合うようになっていた。但し、オーナーがバイト同士の恋愛を禁止していたので、幸太がコンビニのバイトを辞めて、食事付きの居酒屋でのバイトを始めたのだった。

 大学三年の春には、二人で将来の話をするようにもなっていたし、上京した両親に幸太を紹介したこともあった。
 大学四年のお正月には、幸太が私の実家へ遊びに来てくれて、それとなく、二人の将来について話をする幸太に、両親は嬉しそうに相槌を打っていた。
 でも、私が幸太が就職をして半年が過ぎようとした頃から、心のすれ違いが始まっていた。


<(_`_)>
{ せっかくの花火の日なので、
久しぶりに、書いてみました(^_-)-☆ 


場所を確認しようとしただけでも、吐き気(--;)
チケット探索もパスしました……
相当に相性が悪い土地みたいです(T◇T)
 ]