ピンクのポンポン★80(80-131)
※阪神・淡路大震災を源とする物語(フィクション)です
尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏の代々木体育館で止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。
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冬休み中に転居することが決まり、春休みの頃に挙式と入籍することが決まった。
四年余りしか住んでいなかったのに、荷物が増えていたことに3人で驚いた。震災で完全にリセットされた思い出の品々が、母娘で暮らしている間に再び、増えていたのだった。
と言っても、私の場合は雑誌がメインだった。
継父が遊びに来た時、私が雑誌を処分できないことを母が嘆くと、
「好きな人の物だから、自分で要らないと思うようになるまで、大事にすれば良いよ。雑誌を置くスペースくらいは十分にあるし、段ボール、一個か二個くらいでしょ?」と、父が言ってくれたので、私は素直に、ありがとうとお礼を言ったのだった。