長い時間の流れの中で【97】 1・17 失い続ける時 | ぴかるんのブログ

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ピンクのポンポン

ピンクのポンポン★80(80-97)



※阪神・淡路大震災を源とする物語(フィクション)です

 尚、ピンクのポンポンの時計は、今も去年の夏の代々木体育館で止まったままなので、登場人物が過去の出来事を考える時、1年の時差が生じますので、ご了承下さい。


§☆§★§☆ V⌒⊥⌒V ☆§ ★§☆§

  彼女の泣き声が、哀しみや苦しみを我慢していた人達の心に連鎖反応を引き起こしたのか、その後、あちこちから、男女を問わず、泣き声が聞こえた。

 泣いたまま、全く、その場を動こうとしない彼女の姿に、母はただ、黙って見つめるしかなかった。暫くして、他の女性が迎えに来て、彼女の定位置へと連れて行ってくれた。
 彼女が元の場所辺りで座り込む姿を見た後、母は片手で口を押えてから溜息をついた。

 「ママもしんどいんやろ?」
 「……」
 私の唐突な質問に、母は驚いたようだった。
 「何で、無理するん?」
 「……」
 「何で?」
 「皆でね、一緒の方が良いと思うの」
 「寮か東京で、一緒におりたい。ママから言うてえな」
 「……」
 黙ってしまった母に対しても、哀しみと苛立ちを感じた私は再び、母に背を向けて横になったのだった。

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<(_`_)>
{  一杯で、昨夜は、
おかしくなりましたが、
暫く飲んでいないと、
こんなものかと……

今日、我慢しないと、
また……
 ]