ブログ料理教室開設 生徒募集中
みんなあつまれ
はじめに・・・先生のごあいさつ
長引く不況による、内食志向の高まりなど、外食産業は、とても厳しい状況
の中にあります。また、料理人の姿も、この数年間で大きく変わったように
思います。チェーン店や、大手の店では、工場で作られた製品が各店舗
へ配送されマニュアル通り調理します。ホテルなどでも、魚をおろしたり
肉をさばいたりという工程をセントラルキッチンで行ったり、各卸業者が
行ったりで、処理されたものが納品されることが多くなっています。
合理化や、効率化を考えた時、この流れはやむを得ないことで今後も
続くと思います。昔ながらの料理人は、とても長い時間、仕事に拘束され、
肉体的にもきつい仕事ですが、合理化で職場環境が改善されたり余暇が
増すなどのメリットがあります。一方、効率化は多くのマニュアル化された
料理人を作り出したり、知識がなくても作れてしまう便利さと恐さが、同居
しています。料理人の考えも多様化しているのでその賛否を問うものでは
ありません。私は、十数年前から調理師学校の講師をさせていただいて
います。入学してくる生徒さんもこの十数年で随分変わったような気が
しますが1人の料理人として、総合的にいろいろな料理が作れることも
大切だと話しています。実際に現場に入ると、なかなか思うように勉強
できないこともあるでしょう。そこで、料理教室のページを作りますので
若い料理人や料理を志す人が料理の奥深さと料理の楽しさを知って
もらう良い機会になればと思います。
もちろん、料理に興味のある人もぜひ参加してください。
第1回の教室は、フランス料理のソースについての勉強です。
ソースの概要と基本ソースと派生についてのお話です。
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー㉑「Haccp(ハセップ)」-3⃣
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー㉑「Haccp(ハセップ)」-3⃣
ここからは、具体的な料理を例題として、「Haccp(ハセップ)」の手順を見ましょう。
料理は、「三類」の営業許可で可能な「BENTO(べんとう)」にしましょう。
BENTO(べんとう)のメニューは、以下の内容です。
おかずは3品
⓵牛フィレ肉のローストビーフ ⓶カキフライ ⓷洋風筑前煮
ご飯は
チキンケチャップライスのオムライス にしましょう。
提供する料理の安全性を高めるためには、おかずの一品一品についての危険要因を洗い出さなくてはなりません。「Haccp(ハセップ)」の手順では一品一品についての想定される危険要因を、どのようにして回避するのかを考えなくてはなりません。
それでは順番に見ていきましょう。
危険要因の洗い出しは、まず、使用する食材の入荷から考えなくてはなりません。
⓵牛フィレ肉のローストビーフ
牛フィレ肉は、どこから仕入れるか?肉の形は?塊りそれともカットでの入荷?
牛肉の入荷時の形により想定される危険要因も変わってきます。
一つの例としては、カットでの入荷となれば、どこの業者(肉屋さん)、がどのような
方法でカットし、カット後の保存方法はどうしているのか?などが考えられます。
例えば、カット方法で言えば、手切りなのか、機械切りなのかで想定が変わります。
当然、肉が冷蔵か、冷凍かでも違ってきます。解凍後の切りか?冷凍切りか?
機械切りであれば、機械の刃の洗浄方法や機械のメンテナンス(点検頻度)は
どうなっているのか?などを確認しなければなりません。
切る作業の危険要因として考えられる中に、刃こぼれが想定されます。であれば、
回避するためには、例えば、何カットごとに刃の点検をしているのか?となります。
作業終了後の洗浄方法や乾燥、その後の作業前の機械の組み立てのの手順は?
と、事細かに想定しなければなりません。さらに、手切りであれ、機械切りであれ、
牛肉を切る前に、別な肉を切ったかどうかで危険要因が変わってきます。
一般の飲食店の営業(「一類」の営業許可)においても、肉の仕入れにおいて、入荷までの流れは確認していますし、賞味期限などの確認は必須です。小さな飲食店
だと入荷の量も限られてきます。多くの場合仕入れ責任者の目視チェックで事足りる場合が多いと思います。だから、あえて手順書などは要らない訳ですが、
大量に作るお弁当になれば、
予期せぬ事故が起きた時、どこの工程で起きた事故なのかの検証が必要です。
そのために必要となるのが、一つの料理(メニュー)が完成品になるまでの、各工程ごとの危険要因と対応策が記された手順書です。
話の導入として、牛フィレ肉の入荷時の形状を例にしましたが、
次回は、もう少し細かく見ていきます。
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑳「Haccp(ハセップ)」-2⃣
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑳「Haccp(ハセップ)」ー2⃣
飲食店における、食の安全の担保のために、保健所が発行する「一類」と「三類」の営業許可があります。さらに、食の安全をより高めるために、具体的な対策を講じる
方法(手順)の考え方を示したものが「HACCP(ハセップ)」です。
食の安全の担保とは、言い換えれば、食に起きそうな危険要因を洗い出し、分析しこれを回避するために、危険度の重要度に合わせた管理をする事です。
これが、「HACCP(ハセップ)」です。「危害分析重要管理点(ポイント)」です。
具体的に見ていきましょう。まず、
食に対する危害要因(危険要因)=Hazad(ハザード)とは何を指すのでしょうか?
私たちは、危険要因と言うと食中毒を引き起こす菌やウイルスをすぐに思いますが、
それだけではありません。Haccp(ハセップ)の考えでは、
これらは、バイオ(Bio)、つまり、生物的危険要因 に属します。文字通り、
菌やウイルスなどの生物が引き起こす、食の危険要因です。次に考えられる
危険要因は、アレルギーを引き起こす物質の混入による、化学的危険要因です。
そしてもう一つが、異物混入などの外部的要因の、物理的危険要因となります。
生物的要因、化学的要因、物理的要因、この、3つの危険要因によって引き起こされる食の危険から、(ここまでが HACCP の H・A の部分です)
そしてその危険からどのような対策を講じて回避するのでしょうか?それが、
Haccp(ハセップ)の CCP(クリティカル コントロール ポイント)の部分、
「重要管理ポイント」です。管理とモニタリング(監視)と言う事になります。
料理においては、食材の搬入から調理工程、盛り付け、出荷(提供)までの間に各々の工程ごとの危険と、全ての工程に共通するトータルな危険まで、さまざまな危険要因が考えられます。この考えられる 危険要因ごとに、どのように管理し、
(回避策を講じ)モニタリングするかを事細かに決めていく(作業ポイント)のが、
HACCP(ハセップ)です。
次回は、何か具体的な料理を例に挙げて話を展開していきましょう。
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑲「Haccp(ハセップ)」-1⃣
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑲Haccp(ハセップ)-1⃣
お弁当や仕出し料理店を開業する時に必要な営業許可が「三類」の営業許可です。
「一類」の営業許可(一般的な飲食店の営業許可)に比べ、許可を得るための条件が厳しくなります。なぜでしょうか?
お弁当は、基本的に大量調理です。そして、ある程度の時間を置いて食することを
前提にしています。飲食店において最大のリスクは食中毒の発生です。もし、大量に出荷したお弁当で、ひとたび食中毒が起これば、体調を崩した
多くのお客さんのケア(治療費を含めた保証)を一番に、飲食店の負う責任は非常に重大になります。いくら気を付けていても危険は何処に潜んでいるかわかりません。
その危険を少しでも遠ざけ、安全を担保するための最低の条件が、
「三類」の営業許可の条件です。この考えをさらに具体化し見える化(可視化)した考え方が、「Haccp(ハセップ)」になります。
来年(令和3年(2021)6月、「Haccp(ハセップ)」の義務化が実施されます。
その前に、少し勉強しましょう。
「ハセップ(HACCP)」と言う、食品衛生上の考え方の指針となるものがあります。
ハセップ(HACCP)とは、日本語では「危害分析重要管理点」と訳されます。
〇Hazard 「ハザード(危害)」 〇Analysis 「アナライズ(分析)」
〇Crltical 「クリティカル(重要)」 〇Control 「コントロール(管理)」
〇Point 「ポイント(点)」 と言う5つの言葉の頭文字を並べた略語です。
「食品製造における安全を担保(確保)するための管理(点)手法」の事です。
アメリカで始まった考え(手法)で、アポロ計画により、宇宙飛行士が宇宙滞在中に摂る食事の安全性を確保するために考えられた手法です。
宇宙飛行士が宇宙滞在中に食事により健康被害を起こさせないようにするために、
「考えられる、ありとあらゆる危険を分析し、どうすれば、その危険を回避する事が
できるのか。のポイントを管理する事」が、ハセップ(HACCP)の目的です。
これを飲食店が取り入れれば、安全性が非常に高くなります。
次回、ハセップ(HACCP)の考え(手法)を具体的に見ていきましょう。
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑱「Haccp(ハセップ)」-入門
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑱「Haccp(ハセップ)」-入門
コロナ禍の中、未曾有の厳しい環境を突き付けられた飲食店の新たな活路として、テイクアウト料理やデリバリー料理が注目されました。しかし、
飲食店の店外提供料理には、『「一類」の営業許可と「三類」の営業許可があり、
これらは明確な区分けがあり、これを曖昧(あいまい)にしてはいけない。』 と言う命題で話を展開してきました。この、
飲食店の営業許可は、「食品衛生法」と言う法律に基づき、各都道府県(自治体の保健所)により発行されます。
話のテーマは今回から「Haccp(ハセップ)」について、考えていこうと思いましたが、期せずして、「Haccp(ハセップ)」の義務化の一年前となりました。とは言えまだまだ一般の飲食店には浸透していないようで、この機会に一緒に考えましょう。まず、「Haccp(ハセップ)」の義務化への流れですが、
平成30年(2018)6月13日、「食品衛生法」の一部を改正。
Haccp(ハセップ)義務化法令(改正食品営業法第五十条)。
原則、すべての食品事業者に「Haccp(ハセップ)」に沿った衛生管理に取り組む事を盛り込み、公布しました。そして、2年間の準備期間を経て、今年、
令和2年(2020)6月、施行。経過措置として、1年間の猶予期間を設け、
令和3年(2021)6月、「Haccp(ハセップ)義務化法令」、完全実施。
以上が、Haccp(ハセップ)義務化までの流れです。
まだ一年、と思うかもしれませんが、あと一年しかありません。
さて、Haccp(ハセップ)と言う言葉、聞いたことがある人は多いと思います。
Haccp(ハサップ)の方が良く聞く方かも知れません。ハセップ❓ハサップ❓どちらが正式❓。どちらも正解です。初めて勉強した時の言い方で呼ぶ人が多いようです。
ちなみに、厚生労働省はじめ官公庁はハサップを正式に呼び方としているようです。
私は、「ハサッププランナー認定」の講習会を3日間、缶詰め状態で受講した訳ですが、その時の講師の方が、ハセップと言われていたため、ハセップと表現するようになりました。(余談でしたが・・・・)
次回から、Haccp(ハセップ)の具体的な中身を見ていきましょう。
かなり、大変です。
尚、平成30年6月、可決公布された「改正食品衛生法」の中には、Haccp(ハセップ)の義務化以外にも営業許可制度の見直しも含まれています。こちらの方はまだまだ勉強不足ですので、理解でき次第、テーマとしてお話します。
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑰「三類」の営業許可
「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑰「三類」の営業許可
「三類」の営業許可では、食材の入荷、加工調理、商品の出荷、と言うそれぞれの
工程が、すべて別々の部屋で行われることが原則です。
食材の入荷が行われるのが、下処理用調理場(下処理室)。次に下処理の済んだ食材を料理へと作りあげるのが、主調理場(加工調理場)、そして、出来上がった
料理を盛り付けるのが、盛り付け室(盛り付け場)となります。
下処理の必要な食材の下処理室は完全に他の部屋と遮断された独立した調理場でなければなりません。これは必須になります。一方、
盛り付け室(盛り付け場)と主調理場は、必ずしも遮断されていなくても大丈夫です。
つながった部屋でも大丈夫です。大切な事は、
調理加工場(調理加工台)と盛り付けは別々の場所で行う事が大切です。
さらに、お弁当などは、盛り付けと包装が、同時進行(並行)で行われることも多く、
最終出荷する場所は盛り付け室の一画に設けられることとなります。
「三類」の営業許可の場合、もう一つ大切な、
許可のための条件(ハードル)があります。食器返却場(室)です。
お弁当などの器(容器)を回収容器、つまり使い捨ての容器では無い場合は、返却
された容器の回収専用室(皿洗い場)が必要となります。独立した部屋です。この
独立した皿洗い場の設置が出来なければ、必然的に、回収の必要のない容器
(使い捨て容器)になります。
以上が「三類」の営業許可の設備面の条件(クリアしないといけないハードル)です。
ここで、今さらですが、・・・・・わかり易い名称で話を進めてきたのですが、それぞれの設備の本名称を話しておきます。食材の入荷から商品の出荷の流れで。
◎入荷した食材は、原材料保管庫(室)へ。【冷蔵庫は当然、保管庫です】
◎下処理の必要な食材は、粗処理場へ。・・・・(下処理用の調理場=下処理室)
◎料理、加工は、調理場で。・・・・(主調理場)
◎盛り付けは、詰め合わせ包装場(室)で。・・・・(盛り付け場)
◎引き下げた容器(器)は、食器洗浄殺菌室へ。・・・・(食器洗い場) となります
「三類」の営業許可は「一類」の営業許可に比べ、許可の条件が厳しくなります。
では、なぜ厳しくなるのかを、もう少し考えてみましょう。
話は、次回です。「Haccp(ハセップ)」の話へと移ります。