シェフの料理教室 -3ページ目

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑪

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑪

 

話の内容が、飲食店の開業を目指している人に向けた内容のようですが・・・・・・。

 

新型コロナウイルスの感染拡大によりもたらされた、飲食店が置かれた厳しい現状を打開しようとの希求の対策として各自治体の後押しもあり、「テイクアウト料理」に多くの飲食店が参入しました。さらに、大都会ではビジネスモデルとして確立しつつあった料理の宅配代行サービス業の地方都市への進出に合わせるように、

店外提供料理は、飲食業の古くて新しい料理提供の形になりつつあります。しかし

 

提供する料理の役割が違うので料理の安全性を担保するために「一類」の営業許可と「三類」の営業許可に区分が分かれています。現在の飲食店の置かれた未曾有の状況に歯止めをかけるための緊急避難として安全性を軽視しての店外提供料理は

誰も望んでいません。安全性を第一に考えそのための味作りをする事が大切です。

これから、高温多湿の季節が来ることを考えるとなおさらです。

 

もし、これから飲食店の開業を考えるのでしたら、どんな料理を提供するかで、店舗作り(店舗の構造)が変わるのでしっかりと調べる必要があります。

ちなみにレストランを営業し、さらにお弁当(おせち料理)も提供したいとなると、当然「一類」の営業許可と「三類」の営業許可のどちらの条件もクリアしないといけませんので、お弁当(おせち料理)を提供したいのであれば、「三類」の営業許可を想定した店舗の構造を考えてください。以上の話を踏まえて、

 

「三類」の営業許可の料理の安全性の担保について考えていきましょう。

次回です。

(*これから開業をお考えの方。各自治体で営業許可の区分が違います。

  比較的緩やかな自治体もあれば、 厳しい自治体もありますので、

  お住まいの地域の自治体(保健所)の営業許可を調べてください。)

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑩【今回のブログについて】

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑩「シェフのひとり言」

今日は令和2年5月25日です。今日は話が少しわき道にそれます。

 

 広島県は令和2年4月19日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛を幅広い業種に求めました。この一か月余りの自粛のおかげか、現在、感染者は、

ほとんど無く、5月22日、県民の外出自粛要請、事業者への休業要請などの要請を全面解除(一部の業種を除き)へと舵をきりました。

広島県の休業要請期間は31日に及びました。

日本での、コロナウイルスの感染が明らかになり、「3密」が感染拡大の

一因である事が解るにつれ、飲食店も非常に厳しい経営環境に置かれました。 

ビュッフェスタイルが良くない、狭い空間での大勢での飲み食いは良くない、大皿を大勢でつつくのは良くない、など飲食店のこれまで認知されてきたものが否定され、多くの飲食店は、戸惑いと共に、改善から自粛の方向に向かいました。

飲食店は、食材の生産者の末端にあるので飲食店の不振は、

多くの業種を巻き込む結果となりました。

 

この窮地を打開するための一案に、「テイクアウト料理」が浮上、脚光を浴びました。

「テイクアウト料理」は救世主がごとく言われ方もあります。しかし・・・・・・・、

これまで、「テイクアウト料理」を行っていなかった店舗にとっては「テイクアウト料理」が、ホワイトナイト(白馬の騎士)のように感じたかもしれません。が、一方で

「誘惑の手招き」ともなり兼ねません。

 

ここまでの話の中で、店外提供料理には、提供後、食べ手(お客)がすぐに食べる

ことを前提にしている「出前料理」=「一類」の営業許可と、ある程度の時間経過を想定しなくてはならない「弁当類」=「三類」の営業許可との明確な住み分け(区分)があり、それぞれ提供する料理の概念が違うことを話しました。

住み分け(区分)とは、それぞれの料理の安全性の担保の住み分け(区分)です。

 

このことを考えて、できる事とできない事との判断をしなければなりません。

 

闇雲に、突っ込んでいくと、後々自身の首を絞めかねません。自粛要請が全面解除

されたからと言っても、今の情勢が、政府の勧める「新しい生活様式」の中で

コロナ禍以前のような状況に戻る事はありませんし、そうあるべきではありません。

であるなら、飲食店は、一般営業(店内提供料理)と、テイクアウトのような店外提供料理の両輪で営業するのかも知れません。そんな中から、独自のスタイルを見つけ出さなければなりません。

 

この度、しばらく休んでいたこの「ブログ料理教室」を再開したのも、コロナ禍の中、

未曾有の今の状況を、冷静に見ながら、思慮深く考え、自問自答し、失敗を繰り返しながら、先にある不確定な答えを多くの人たちとともに、考えようと思ったからです。

 

次回は、本筋に戻り、前回の話の続きからです。

「新型コロナ 飲食業の憂鬱と未来に向いて」-⑨

「新型コロナ 飲食業の憂鬱と未来に向いて」-⑨

「三類」の営業許可は、店外提供料理の安全性を担保するためのものです。

「一類」の営業許可は基本的に店内提供料理と同じ流れで調理したものを、店外に提供するので必然的に食するまでに長時間かからない事から、「三類」の営業許可

と比較しても、簡易的な縛り(許可の条件)になります。

 

ここからは、

「三類」の営業許可のハード面(店舗の構造上)の条件と、食品(店外提供料理)の安全性の担保について見ていきましょう。

 

その前に食品(調理加工品=料理)の安全性(逆ならリスク)とは何でしょうか?

料理の安全性(リスク)とは、まずは、食中毒対策です。

食中毒と食あたりは全くの別物です。最近は食あたりと言う言葉を耳にすることが

ほとんどありませんが、食あたりとはかなり荒っぽく言えば「これって何か変な臭いと味がするけど?まぁ大丈夫か。」・・・・・で、結果腹痛が起きた、というやつです。一方

 

食中毒は、細菌やウイルスが料理の調理過程のどこかで食品に付着、増殖する事で引き起こされる病気です。臭いや味とは関係がありません。だから手強い。

 

ウイルスや細菌の種類によって食品への汚染経路が違います。料理になる以前、

原材料の搬入時にすでに汚染されているかも知れません。調理過程で汚染させるかもしれません。完成品が汚染されるかも知れません。汚染経路は様々です。

そしてこの汚染が、目に見えない、臭いで感じない厄介者だから対策が必要です。

 

食中毒予防の三原則と言われるものがあります。

「(菌を)つけない・増やさない・やっける」です。

文字通り、菌やウイルスをどのように、「付けず・増やさず」どうやって「やっつける」

かの具体的な対策が求められます。保健所の発行する「営業許可証」は、

これらの対策がなされていないと発行されません。

【ハセップ(HACCP)の手順はまさにこの方法論です】

 

前置きが長くなりましたが、

次回、食品(料理)の安全性の担保について見ていきましょう。

 

 

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑧

「新型コロナ 飲食業の憂鬱と未来に向いて」-⑧

 

飲食店の営業許可の「三類」の営業許可で可能な店外提供料理は、ひと言で言うと

「弁当」及び「仕出し料理」となります。ちなみに、仕出し料理の「仕出し」とは、

工夫して作り出すこと。です。料理人が、お客様に外で美味しく食べてもらうための、いろいろな工夫を施して作り上げた料理が「仕出し料理」です。今よりもほんの少しだけ前の時代は、冠婚葬祭は自宅で行うことも多く、その時、皆さんに振る舞うために料理屋さんに料理を注文していました。これが「仕出し料理」です。この料理が、折箱(薄板で作られた箱)に詰められたものを「折り詰め料理」と呼びます。私が、

幼かった頃、両親が誰かの結婚式に行くと、鯛の尾頭付きの塩焼きと折り詰め料理をお土産に持って帰ってきました。当時、美味しかったと言う記憶は無いのですが、

うれしくていつも楽しみに待っていたのは良く覚えています。

(私の思い出話はこれくらいにして・・・・話をすすめましょう)現在は、式場やホテル、会館と言ったところで行われることが多いので、「仕出し料理」という言葉に馴染みが無い人もいるでしょう。

今は、仕出しと言うと「仕出し弁当」のほうが馴染みがあるでしょう。

こちらは、弁当の中でも、少しお高い弁当に使われる事が多くなりました。差し詰め

料理屋さんが作るお弁当、と言ったところでしょうか。「折り詰め弁当」も同様です。

言葉の説明はこれくらいにして・・・・・。前述したように

 

「三類」の営業許可で提供する店外料理食するまでの時間を長く想定しなくてはなりません。のため「危険要因」も多くなります。

 ですから、 営業許可の条件(ハードル)も高く複雑になります。

 

「三類」の営業許可の条件を「一類」の営業許可と比較して見てみましょう。

まず、「三類」の営業許可のハード面(店舗の構造上)での主な条件は、

①独立した調理場であること(密閉された調理場)

②原則、盛り付け場が調理場とは別にあること

③材料保管庫は原則、扉がついていること(基本的には調理場とは別部屋)

④下処理が必要な材料がある場合は、独立した下処理調理場があること

             (主に、土付き野菜や、内臓・うろこ付きの魚を指します)

⑤原則、調理従事者用の更衣室、トイレがあること           などです。

 【*条件は取り扱い商品や事業所の規模など個別に違ってきます。また、

   都道府県ごとに違いますので、飲食店の開業をお考えの方は必ず確認を】

 

調理上の条件は、上記のハード面の条件にリンク(連結)しています。

 

次回、安全に調理するための、ハード面とのリンク(連結)について考えましょう。

 

 

 

 

「新型コロナ 飲食業の憂鬱と未来に向いて」-⑦

「新型コロナ 飲食業の憂鬱と未来に向いて」-⑦

 

ここまで、飲食店の営業許可のうち、「一類」の営業許可内で可能な店外提供料理について見てきました。なぜ、店外提供料理に、区分(住み分け)があるのか疑問に思うかもしれません。これは、料理が最終消費者(食べ手)に渡るまでの過程が違うので、衛生面での安全性(リスクの回避)を考えた時、必要な区分だからです。

 

店外提供料理は、料理が作り手(店)から離れ、責任の一端を食べ手側に委ねると言うリスク(危険)があります。リスクを極力回避するための区分です。

ここで言うリスクとは、飲食店ですから、食中毒、異物混入など料理に関する全てのリスクです。次の話のテーマとして、

ハセップ(HACCP)について少し考えようと思いますが、ここで入り口の部分を先に。

 

ハセップ(HACCP)とは食品の衛生管理に関して、世界的に統一基準を定めようとアメリカから始まった考えで、「食品の衛生管理に関する手法」と言います。

食品衛生上、発生しそうな「危険要因」を「分析」し「管理」することで、危険を回避するための手法(手順)です。【詳しくは後で】

 

ここでは店外提供料理について考えていますので、食品の安全性を担保するために

考えられる危険要因の内、一番の課題は、料理が食べ手(お客)に渡った以降は、

十分な管理が出来ないと言う事です。であるならば、料理が自分の手から離れるまでの管理を徹底しよう!となります。料理が店外へ出て行くまでの手順が「出前」「弁当類」で違うなら、衛生管理の区分(枠組み)も違って当然です。そのための

営業許可の「一類」の営業許可と、「三類」の営業許可の住み分けです。

 

保健所発行の「営業許可証」と、食品の、衛生上の危険を管理(コントロール)しようと言うハセップ(HACCP)考えは、縦軸(組織)は違っても横軸(考え方)は同じです。

 

話がわき道にそれて、少し難しくなったので、今日はこれまで。

次回こそは、「三類」の営業許可の中身を見ていきましょう。