シェフの料理教室 -2ページ目

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑯「三類」の営業許可

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑯「三類」の営業許可

話が、それましたが、今回のテーマの核心とも言える、寄り道話になりました

今回からは、核心の支えともなる話の展開です。

 

飲食店の「三類」の営業許可の、料理の安全性の担保について話を進めましょう。

前回も話ましたが、

「三類」の営業許可の安全性の担保の第一義は、食材の下処理と、実際に調理

加工する場所(主調理場)は、別に設置すること、つまり主調理場には食の安全性に対する危険要因は持ち込まない。と言うことです。しかし、

小さな飲食店では、2つの調理場を設置するのが店舗設計上、難しいことはよくある事です。主調理場は完全に独立しているのに、下処理調理室がないというのは、

まま、あります。そういう事業所(料理店)では、食材の仕入れ時に、危険要因を取り除いてあるものを仕入れる事になります。具体的には、

魚は内臓およびエラを綺麗に取り除いてあることが最低条件です。さらに三枚おろしにしてあればベストです。しかし、これらの処理を全て、業者(魚屋さん)がしてくれるとは限りません。業者さんとの日頃の付き合いが肝要とも言えます。 今の時代は、ありとあらゆる食材が、処理され、加工された状態であります。(味付けされたものもあります) 割高にはなりますが、そういったものを上手に使うことも大事です。

 

さらに、すべての食材の収納(入荷時、密閉されているものは別)は、密閉された

保管庫に収納しなくてはなりません。これは下処理調理室が設置できる、できないに関わらず必要な事です。主調理場には、その時に調理する以外の食材があっては

いけないのが原則です。これらのことが可能であれば、独立した下処理用調理場が必ずしも必要ではありません。

独立した調理場と食材保管室(保管庫)があれば、要件の一つは整います。

 

次に、必要な設備としては、盛り付け場があります。

次回は、この辺りの話から、ハセップ(HACCP)の話へと繋げていきましょう。

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑮寄り道ー2⃣

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑮寄り道ー2⃣

コロナ禍の中、厳しい経営を余儀なくされた飲食店にとって、テイクアウト料理やデリバリー料理はひとつの光明ではありました。ただ、その中で方法を間違えれば、自ら

落とし穴に落ちてしまう事になり兼ねません。それは、再三言ってきた飲食店の、

「一類」の営業許可と「三類」の営業許可の混同です。

今回、広島県が発表した、新たな飲食店向けの助成の中には、

「一類」の営業許可を取得している飲食店に対し、「三類」の営業許可の取得を

勧め、その取得費用を助成する。が含まれています。ここまでの話の中で、

「一類」の営業許可と、「三類」の営業許可で提供できる店外提供料理は、厳密に区分けがある。事を話してきました。

現在、

「一類」の営業許可を取得している飲食店で、店外提供料理 (テイクアウト料理や

デリバリー料理)を提供している飲食店の中には、「一類」と「三類」の区分けがあいまいになっている所も僅かではありますが、あるようです。

「一類」の営業許可と「三類」の営業許可の区分けの違いはそれぞれの安全性の担保の違いです。 (それぞれの安全性の担保の違いは後にして)

一番わかり易い例で言うと、「一類」の営業許可ではお弁当は提供できない。です。

「一類」の営業許可では、店外提供料理は単品メニューに限られ、いろいろな料理を詰め込むお弁当やオードヴルなどは提供出来ません。 

(調理場とは別に、盛り付け場も必要ですこの事は後ほど

現在、この辺りが少しあいまいになっている所もあるようです。

これから梅雨の季節に入り、蒸し暑い夏をむかえた時、このあたりをあいまいにしたままで事故が起きるとせっかく、テイクアウト料理やデリバリー料理に参入し、

そのために使った労力や費用が台無しになり兼ねません。

 

広島県は、その苦労が無駄にならない為にも、今よりもより幅広い料理を提供しようと考えている飲食店に対し、「三類」の営業許可の取得を勧めています。

コロナ禍の中、緊急避難的にあいまいになった事は仕方がないし、決して悪い事とも思いません。が、あいまいなまま続くのも考えものです。

 

計らずも、今回、県が「一類」の営業許可と「三類」の営業許可の違いに言及した事は、今後、飲食店の店外提供料理の裾野が広がり、より安全に料理を提供できるようになり、飲食店にとっても良い事だと考えます。

 

次回は、本筋に戻っての話です。

 

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑭寄り道ー1⃣

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑭寄り道ー1⃣

飲食店の営業許可の「三類」の営業許可の安全性の担保について話ていますが、

話を少しわき道に逸らします。と言っても「三類」の営業許可の話です。

 

この度このテーマに決め、始めた話の根底には、

「「一類」の営業許可と「三類」の営業許可は別で2つを混同してはいけない。」

と言う大原則があり、この原則に沿って話を展開しています。これに呼応した訳では

無いでしょうが、先日、広島県は飲食店に対する新な助成事業を発表しました。

 

これまでの助成との大きな違いは

「一類」の営業許可を取得している飲食店に対して、「三類」の営業許可の取得を求め、この取得費用を助成する。というものです。

 

新型コロナウイルスの感染拡大,感染拡大防止のための飲食店の営業自粛により、多くの飲食店はこれまで経験した事のない窮地に立たされました。現在もです。この

打開策として官民挙げて推し進めたのが、テイクアウト料理やデリバリー料理です。

それならばと、多くの店がテイクアウト料理やデリバリー料理に参入しました。

 

飲食店を開業する時、特に、個人営業店「一類」の営業許可を所得した飲食店で、

店外提供料理を想定した店作り(造作)をした人がどれだけいたでしょうか?

ましてや、現在のようなコロナ禍を予測した人はいないでしょう。このような状況に

至り、テイクアウト料理やデリバリー料理が打開策と聞いてアタフタとした人は多かったはずです。テイクアウトが飲食店の売り上げの一端を支えた事はあったでしょうが反面、包材などの出費やいつもとは勝手の違う料理に戸惑いを覚えた人は少なからずいた事でしょう。

 

起死回生の策のように思えたテイクアウト料理やデリバリーですが、多くの飲食店がこぞって参入すれば結果的には飽和状態となります。個性(オリジナリティ)を出そうとすれば、料理に反映される事は明らかです。そんな中で、本来の、

「一類」の営業許可での提供が可能な店外提供料理(テイクアウト料理やデリバリー料理)の範囲を超えてグレーゾーンに入り込む可能性もあります。そうなれば、

安全性の担保もグレーゾーンになり兼ねません。

 

少し話が複雑になって来たので、続きは次回で・・・・。

 

 

 

 

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑬「三類」の営業許可

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」-⑬「三類」の営業許可

飲食店の、

「三類」の営業許可と料理の安全性の担保との関係について話を進めましょう。

 

前回、下処理の必要な食材のある場合は独立した下処理用の調理場(下処理室)があること。(下処理室=前室)について話ました。

食材に付着する菌やウイルスは

基本的に野菜であれば、野菜の表面に、土付きであれば土の中に多くいます。

魚であれば、内臓、あるいはエラ部分に。肉類も同様です。ですから下処理室は、 

これらの 危険部位をすべて取り除き、主調理場に持ち込まないようにする事が

大切です。【ここでは下処理に使用する水の種類は考えません】・・・もう少し詳しく。

 

魚介類には、腸炎ビブリオと言う菌がいます。好塩菌とも呼ばれ文字通り塩分を

好みます。海水魚介類には当然、好塩菌がいると考えるべきです。ならば 下処理の段階では真水で魚を洗う必要があります。

【真水で魚を洗う事を良しとしない考えがありますが、お弁当のような大量調理に 

 おいて危険要因を避ける事は必須です】この事は後ほど詳しく。

 

肉類、特に鶏肉は、サルモネラ菌の対策が必須です。サルモネラ菌は内臓の中にいます。鶏肉は豚や牛と違い個体が小さい事もあり、さばく時内臓と肉との接触の危険があります。ですから、肉の表面に菌が付着していると考えるべきです。

鶏肉の調理においては、他の食材との接触を避けるのが鉄則です。他の食材との接触が起きると二次被害の危険が生じます。そして、調理段階では充分な加熱を必要とします。「食中毒予防の三原則」の3番目、菌をやっつけると言うことです。

 

上記のような事は、

「一類」の営業許可での調理でも当然、実行していますただし、

大量調理では、危険要因を取り除く観点から「下処理用調理場」が求められます。

 

ここからが今回の本題なのですが、長くなるので次回へ。

下処理用の独立した調理場(下処理室)が物理的に設置できない時は?

について考えていきましょう。

 

 

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑫「三類」の営業許可

「新型コロナ 飲食店の憂鬱と未来に向いて」ー⑫「三類」の営業許可

ここからは、「三類」の営業許可と料理の安全性の担保との関係と、さらには、

ハセップ(HACCP)の安全管理手順との整合性について考えてみます。

 

この辺りから、今回のテーマの本筋に入っていきます。

 

①独立した調理場であること。(主調理場)

 基本的に調理場に、不特定多数の人が入る事は望ましくありません。さらに、

 外からの害虫等の侵入を防ぐという意味からも独立した調理場が必要です。

 客席併設の店舗であれば、客席(客室)と調理場との間は、扉で仕切らなければ

 なりません。外部からの侵入を断つことが大切です。いわゆる開放型の調理場=

 オープンキッチンでは、「三類」の営業許可は認められません。加えて

 

②下処理の必要な食材がある場合は、独立した下処理用の調理場(下処理室)が

  あること。(下処理室=前室)

 下処理の必要な食材とは、具体的には、野菜であれば、土付きの野菜です。

 野菜の下処理とは、土などきれいに洗い流し、

 皮をむいてすぐに使えるようにする ことです。

 魚であれば、丸のまま、ウロコや内臓が付いた状態です。

 魚の下処理とは、ウロコを取り除き、内臓、エラを取り除きます。場合によっては、

 3枚卸などにするかもしれません。

 肉の場合は、通常、各部位ごと(鶏肉なら胸肉、もも肉のように)での入荷が一般

 的ですが、 丸鶏(一羽丸ごと)での入荷の場合は内臓が残っています。

 肉の下処理とは、丸ごとの鶏肉であれば、内臓を取り去り、各部位(胸肉、もも肉)

 に切り分ける事、他の肉なら筋や脂をそうじする事です。場合によっては、調理に

 合わせてカット(切り分け)する事もあるでしょう。    いずれにせよ、

 

これらの食材は、下処理なしに主調理場に 直接持ち込む事はできません。

下処理室で下処理しなければなりません。

処理した食材を主調理場にて調理すると言う流れです。

しかし、大規模な食品工場や規模の大きなな弁当業者ならともかく、通常の

飲食店としての営業も兼ねているような規模の小さなお店では、独立した下処理用の調理場(下処理室)を完備する事が難しい場合もあります。そこで、

「下処理の必要な食材がある場合」と言う前置きがあるのです。

 

次回は、この辺りの話から始めます。