「はつりデモンストレーション」 by 海岸屋ふー
かつて製材機が無かった時代、マサカリ(斧の一種)を使い、丸太を柱や梁などの角材にする作業を「はつり」と呼びました。
今では殆ど見られなくなってしまった「はつり仕事」のデモンストレーションと道具等の紹介を行います。
以下、デモンストレーションを行って下さる海岸屋ふーさんから詳細です。
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「はつり」について
皆さんは「はつり」という言葉をご存じでしょうか。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。
昔、山から丸太を出すと、今と違って製材所がありませんので、人力で加工するわけですが、
大まかに言えば、丸太を「柱や梁などに加工する仕事」を「はつり仕事」と呼び、
「板に加工する仕事」は「木挽き仕事」でした。
ハツリ仕事に使う道具は金太郎が持っている「マサカリ」であり、
木挽き仕事に使う道具は大きな「前挽き大鋸」(まえびきおが)でした。
そうです。金太郎が持っているオノは薪割りに使う道具ではなく、木を倒すための道具でもないのです。
今回は「マサカリ」とはどんな道具なのかを見ていただけると思います。
「海岸屋ふー」について
みなさんこんにちは 私どもは千葉県東金市の工務店 有限会社海岸屋ふー と申します。
設計担当の女性と施工を担当する男性、それから入社一年の若手大工の三人でやっている小さな会社です。
木造住宅の新築を中心に増改築などなんでもやりますが、新建材と呼ばれるニセモノを使った仕事と下請け仕事はやりません。
直接お客様とお話しをして設計するところから始めて、施工は手仕事でやっていく、というのが私どものスタイルです。
今の住宅の性能を満たしつつ、住む人の心も満たすすまいを建てるために、毎日精進していくという、
そんな会社でありたいと願っています。
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横たわる丸太の上でバランスを取りながら、つま先の数センチ先に勢いよくマサカリを振り下ろす。
見ているだけでつま先がぞわぞわしてきますが、勿論少しでも目測を誤ったりバランスを崩せば大けがです。
集中力、忍耐力、体力、体幹、木や道具との密接な関係性、そんな諸々が組み合わさってようやく成り立つ作業。
機械化と技術革新がやまない今、人間の仕事はどんどん頭(脳)にシフトして来ていてなんだか
体が置いてけぼりを食らっているような気がします。
合理性や経済性という社会正義が深めてしまった、頭と体の間の溝。
その溝を埋めてくれるのがこんなはつり仕事なのかもしれません。
ki