フェニーチェ堺 名曲シリーズ | 私のピアノライフ  with classical music

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6月15日(土)、フェニーチェ堺で大阪交響楽団の名曲シリーズの演奏会に行ってきました。

 

最寄り駅は南海の堺東駅。難波から、電車で10分ほど。よく知らない街でしたが調べると古墳があちらこちらにある所だとわかりました。古墳は大きいので近くで見てもよくわからない。高い所から見下ろすと全体像がわかります。堺市役所に展望室(21階)がり、それも無料で利用できるとGoogle検索で知ったので、立ち寄りました。

展望室から↓

緑のこんもりした部分が、仁徳天皇陵古墳。これが最大の古墳ですが、他の小さな古墳もちょっと歩けば見つかるようです。演奏会前の時間つぶしにはとても良い場所(空調も最適)で、ボランティアスタッフの人もいます。たまたま近くにいた歴史オタク(?)のおじさん、年配のご夫婦とおしゃべり。歴史オタクのおじさんの歴史観を聞いて(半分ぐらいしかわからなかったけど)、面白かったです。

 

そろそろ時間だとエレベーターで1階へ。なんか音がするっと思ったら、ロビーにからくり人形がありました。

1時の時報とともに、からくりが動き始めました。曲は「イッツアスモールワールド」。ほのぼのとした気分を味わいました。

想定外の出来事で、得した気分。

 

市役所から会場のフェニーチェ堺は10分弱。街中に地図があったので、助かりました。

けっこう大きな建物。2019年10月1日に開場と、比較的新しいホールです。施設内はとても綺麗。心地よく、ホール内はゴージャスな感じがしました。大ホールは2000席ということで、4階席まであります。

今回は先行抽選で席を取ったので、1階の前の方、そしてほぼ中央。1階席はびっしり詰まっていましたが、斜め前の2席が空席でとても見晴らしがよかったです。

 

ロビーは1階の後ろの席の扉の先にありました。

今日も素敵な花スタンドがありました。シューマンの曲のイメージに合いそうな花ですね。

 

本日の演奏会

前半は、シューマンのピアノ協奏曲。後半は、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。おなじみの名曲。学生時代、オケでも演奏した思い出深い曲。ふと、当時のことを思い出しながら、聴いていました。

 

開演の20分前に指揮者の山下一史氏がトーク。シューマンのオーケストレーションはだめだと言われるが、そんなことはないと思うと話していました。そして、最後に影アナで牛田さんが話をしていて話題になっていましたが、私はこの時、パンフレットを夢中で見ていて気付かず。

 

大阪交響楽団の人々がスタンバイして、舞台袖から牛田さん、山下マエストロの順に登場。

シューマンのピアノ協奏曲は、ウルトラセブンでも使われたことをSNSで知りました。冒頭のピアノのフレーズは、きっと緊張するだろうな(聴いている方も)と思います。それから続く、「CHRR(ドシララー)の甘い旋律が心にグッと刺さってきます。極上のピアニシモで聴いている方に緊張感、集中力を高めさせ、曲の盛り上がりで心を躍動させ、グイグイ、曲の中に引き込んでいきます。シューマンの曲は多声部の動きがけっこう複雑で弾き分けるのは難しいと思うのですが、ずいぶんわかりやすく提示していたように思います。3楽章は、けっこうハラハラドキドキの演奏になりがちなのですが、何事もなかったかのように、ピタッとオケと合っていて、とても気持ちの良い演奏でした。ふと、学生オケの時の危なっかしい演奏を思い出し、牛田さんと山下マエストロ、大阪交響楽団の人の偉大さを感じました。

席が牛田さんのピアノの手の動きがよく見える所だったので、ずっとピアノばかり見て、オケの方には目が向きませんでした。ピアノとオケとの対話もなされていたと思うのですが、意識はピアノ集中でした。見える位置で感じ方も変わるんだろうなと思いました。全体が見える2階席だったら、オケの存在をもう少し意識して聴いているような気がします。

 

アンコールはシューマンのピアノソナタ第1番の2楽章の「アリア」でした。以前より、曲の輪郭がくっきり浮かび上がり、声部ごとの音色の使い分けも見事で、深化しているのを感じました。この上なく美しいアリアでした。

 

後半は、チャイコフスキーの「悲愴」。チャイコフスキーとドヴォルザークは仲良しだったな、どちらもキャッチーなメロディーを作るのが得意な作曲家だったななんて、考えながら聴いていました。それはそうと、最近、集中力が続かない。1楽章の途中から、眠気が襲い、2楽章もうとうとしながら聴いてしまいました。3楽章で、体がしゃきっとし始め、4楽章の闇の深い世界はたっぷりと浸らせてもらいました。若い頃、この4楽章が苦手で、それゆえに「悲愴」があまり好きではなかったのですが、今は4楽章のために前の楽章があると思っています。若い時は、派手で元気な曲の方に惹かれるのが普通ですよね?

3楽章から、マエストロの熱い思いが私に伝わってきたのでしょうね。4楽章の暗い世界に沈んでいく感じ、たまらなくゾクゾクしました。

この日のオケのアンコールはありませんでした。

 

遠征で牛田さんの演奏会に行くと、この頃、同じ仲間らしき人が少なからずわかってきました。一人の方は、すっかり顔を覚えてしまい、この日も帰り、新幹線の駅までご一緒してお話させてもらいました。過去の演奏会の話も通じるのが嬉しいですね、そして、ホールに行くのに迷う話で同調。楽しいひと時でした。