時の流れとともに | 私のピアノライフ  with classical music

私のピアノライフ  with classical music

ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

子供の頃からの友達の展覧会に行ってきました。5年ぶりです。

若い頃から、展覧会のお知らせが来ると、見に行っています。

今も先生に師事して絵を描いているそうで、絵のグループ(○○会)に入っているようです。

音楽で言えば△△先生の門下生のコンサートのような感じです。

 

20代の頃の絵と50代、そして今60代となり、ずいぶん絵が変化したなと思います。

年を重ねてから、上手くなったなと、感じました。

絵を見るのは好きですが、技法も見方も素人なので、詳しいことはわかりませんが、感じることはできます。

絵を見るといろいろな感情が湧くのですが、今回の展覧会は明るい感じの絵が多いのと、出展作品の数も豊富でなかなか楽しかったです。

 

友人の絵は若い頃は、ベージュ系の色や暗めの色使いのものが多く葛藤している感じがしたのですが、今回は色使いも明るくて、ふわっと包み込むような柔らかさを感じました。

そのことを友人に伝えたら、介護が終わって(母の介護を数年前していた)、重い荷が下りたからからだと思うと言っていました。

 

絵を見た後、いろんな話をしました。介護やお墓の話はこれからの自分にとっても考えなければならないことなので、大いに参考になりました。

 

話は変わりますが、音楽の解釈も年を経るごとに変化します。これがある意味、やっかいだなとこの頃、思います。聴衆は必ずしも変化を喜ばないことが多々あるからです。

 

カチッとした演奏の人が自在に演奏するようになると、どうしてこうなったの?と受け入れられない人は出てきます。

 

たいていのピアニストは、ある程度のレパートリーはもっていますが、特に好んで弾く曲や得意な曲があります。アンコール曲はいつも同じような曲を弾くピアニストが多いと思います。

 

同じ曲を同じようなら、聴衆は驚かないけど、解釈が大きく変わると、どうしても賛否両論となります。新しいのを良しとする人と、以前の演奏の方に未練を持つ人とに分かれます。

 

今、牛田智大さん、リーズ国際コンクールに出ていて、ショパンコンクールでも弾いたショパンの「幻想曲」を取り上げました。どちらも配信で聴けるので、容易に比べることができます。ものすごく解釈というか演奏が異なっています。もう一つ、10周年コンサートの演奏も配信で聴けます。

牛田さんはピアノの音が美しいのでどれも素晴らしいのですが、やっぱりどれが好きかというと人それぞれになるのかな?

ちなみに私は10周年の演奏が一番、しっくりきます。ショパコンの時より音が洗練され、ぐっと前に出ていく切迫感もあり、気持ちの高ぶりと鎮静化が心にグッときます。

 

演奏が変わったと言えば小林愛実さんも最初のショパコンと2回目はまるで違っていましたね。粗削りだけどぐいぐい前に進んでいった最初のショパコン。2回目は細部まで神経をそそいで丁寧に曲を作り、音の陰影が感じられる演奏でした。

 

演奏の変化についていけない一つの原因として、配信やCDなどで、聴き慣れすぎて、体に沁み込んでしまうからかもしれません。毎日、ご飯を食べるのが当たり前の生活だと、他のものを主食にすることは考えられないように…。

でも、好きなものは毎日食べたいし、好きな演奏も毎日、聴きたい。

しかし、時の流れとともに、好みが変わるかもしれない。

 

どっちの演奏がいいの?、どの絵がいいの?

なんてことで頭を悩ませているなんて、考えてみれば幸せな生活ですね。

 

友達が今でも絵を頑張って描いているので、私もピアノ、弾き続けます。