調律師さんとの会話 | 私のピアノライフ  with classical music

私のピアノライフ  with classical music

ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

毎年、4月にピアノ調律をしてもらっています。

かれこれ40年以上の付き合いで、調律中もいろんな話をしています。

感動したピアニストのコンサートの話を聞いてもらえるのもちょっと嬉しい。

音楽の話だけでなく身の上話もする方なので、家族の出来事も多々知ることになります。

 

調律師として独立して生計を立てられる人は少なく、回りで成功している人はほとんどいないそうです。幸いなことに年を取ってからも仕事の依頼が増えているそうです。

 

調律は、音を合わせるのが仕事だと思っていましたが、それは調律師の仕事の中の一部でしかないことがこの頃わかるようになりました。

そして、今回、コンサート用の調律師さんと家庭を回る調律師では仕事のスタンスが違うことを知りました。

 

コンサートホールのピアノの状態がいいかと言われると必ずしもそうとは言えないようです。そして、ホールでは調律師がやりたいようにピアノをいじることはできず、制限を課せられているようです。

ホールのピアノはコンサートの2時間だけ、良い状態を保てれば役目は果たしたことになる。

ホールの調律はあまりやりたくないと言っていました。

 

調律師として目指しているのは、100年、弾き続けることができるピアノ。私のピアノは40年ぐらいたっていますが、調律師さん曰く新品と変わらない。

いつも、埃を丁寧に掃除機でとってくれますし、錆びついたところはないか見てくれています。今回は、鍵盤が少しガタついているところを直してくれました。

あちらこちらを順番に調整してくれるおかげで、どこのピアノよりも弾きやすいことは確かです。街ピアノを時々(といっても年に数回だけど)弾くと、どこかしら不具合があったり、弾きにくかったりします。街ピアノでまともなのは、私が体験した中では、浜松駅ぐらいでしょうか。

 

調律の仕事は奥が深くて面白いから、やっているそうです。ただ、ほとんどの依頼者がピアノを置いているだけで弾いていないので、やりがいがないとも。

ピアノを楽しんでいる人は滅多にいないそうです。だから、我が家に来るのを楽しみにしているそうです。そして、好き勝手な話もできるから、息抜きになるとも。

ピアノがあり、調律もちゃんと頼む家は、中産階級以上で、ともすればお高く留まっている人もいるようで、気を使うそうです。

 

ピアノについての話はとめどなく続きます。ヨーロッパのピアノを日本に持ってくると、気候(湿度が関係するせい?)に合わず、調子が悪くなることが多いようですねという話を投げかけたら…

ピアノを作る時に、木の水分含有量を決めるそうです。ヤマハは、日本用とアメリカ用では、含有量を変えて作るそうです。

といっても、ピアノは道具と同じように使わないと、状態が悪くなるそうです、どんな整った環境の場所に置いても。

実際、調律師さんもそれで、1台、ピアノを使い物のならない物にしてしまったとか。

 

ピアノは大切に扱えば100年は持つそうです。大事に、そして、ピアノと触れ合って気持ちよく過ごせたらいいなと改めて思いました。