3月10日、牛田智大ピアノリサイタルを聴きに金沢に行ってきました。
電車は、予習のかいあってスムーズに金沢まで行けました。もうすぐ新幹線が開業ということで、しらさぎ号も敦賀より北はまもなく終了します。そのためか、福井駅あたりでは、電車の写真を撮る人、いわゆる撮り鉄でいっぱいでした。
しらさぎ号です。↓
ランチを食べた後、駅周辺をぶらぶら。宿泊するホテルの位置も確認し、後はホールへ向かうだけ。
そして、石川県立音楽堂に向かって歩きました。もう、開場しているはずなのに、なんだか暗いし、人影もない。
途中で、ホールの場所が違うのではとチケットを見て、唖然。北國新聞赤羽ホールと記載されているではないか。
あと、20分少々で、演奏会が始まってしまう。
音楽堂のチケットカウンターの人にタクシー乗り場を教えてもらい、タクシーで会場へ。
何とか数分前に到着。ギリギリセーフで席に着きました。
(相変わらず、何かヘマをしでかす。)
ホールは香林坊にあります。
このホールは前から気になっていました。
背面に、影が映るのです。たぶん、他にこんなホールはないと思う。
ロビーには、花スタンド。
【プログラム】
モーツァルト:ピアノソナタ第4番 変ホ長調 K.282
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
ショパン:即興曲 第1番 変イ長調 Op.29
ショパン:即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36
ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
ショパン:ピアノソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
メインはシューマンとショパンの対比を味わうといったところでしょうか。モーツァルトを前座に置いたわけはちょっとわかりません。
演奏会を聴くにあたって可能な限り、自分でピアノで音をさらうのが習わしです。といっても、あまり難しいものは、さっさとあきらめます。今回、クライスレリアーナとショパンのピアノソナタは私が手に負える曲ではないと、早々にリタイア。
モーツァルトと即興曲は、なんとなく弾けるので、この機会に練習をしました。
今シーズンの牛田さんの服は全身黒い服。
シーズン初日は緊張して笑顔が出ないようですが、5回目の今日は笑顔で登場。
モーツァルトのピアノソナタは、いかにも牛田さんらしい演奏。丁寧に歌い上げ、誠実な人柄が音楽に反映されていました。ゆっくりな楽章はまだしも、3楽章って、どうしてあんなに速く弾けるのでしょうか。家で速く弾こうと試みましたが、無理でした。
たぶん、今回、一番披露したかったのが、シューマンのクライスレリアーナではないでしょうか。最初の出だしから、度肝を抜かれました。誰かが、「怪演」と言っていたのに納得。牛田さん得意のドラマティックな展開。感情が音に乗り移って、せまってきます。穏やかさ、激しさが交錯し、とんでもない世界に連れていかれます。素晴らしいけど、これがずっと続いたら、精神が破綻しそう。シューマンは聴いてて疲れるのよね。それゆえ、シューマンマニア以外はシューマンを敬遠するし、難しいと感じてしまう。
後半は、ショパン。即興曲(1~3番)は、すべて長調ということもあり、幸福感に包まれます。練習してても気分がいいし、がんばって弾けるようにしたいと思わせてくれる曲。自分では、わりに弾けていると思っていたけど、プロの演奏ははるか上にいくものでした。左手の動きをもっと明確に出さないといけないのかなとか、音楽のまとめ方とか、勉強になります。
そして、ショパンのピアノソナタ3番。この曲はけっこう複雑で難しいはずなのに、そう聞こえない。音楽が自然に流れて心地よい。だから、ショパンって好きな人が多いのよね。そうはいっても、ショパンの演奏はかなり、私自身、選り好みします。牛田さんの音色はショパンにぴったりあっていて、いつも幸せな気分にさせてもらえます。緩徐楽章の美しさ、フィナーレの躍動感が素晴らしかったです。
アンコール↓
ショパンのプレリード、第4番、第7番
シューマンのトロイメライ。
何度、聴いても素晴らしいトロイメライ。
プラネタリウムに行った時、BGMでトロイメライが流れていました。その演奏が、あまりに気にいらなくて、他の人の演奏に変えてほしい!と切に思いました。その時、牛田さんのトロイメライだったら、どんなに気分がよかっただろうに…。