ワルシャワフィル&ラファウ・ブレハッチ | 私のピアノライフ  with classical music

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ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

ワルシャワフィルとブレハッチの演奏を聴きに東京に行ってきました。

東京は何度も行っているのですが、品川駅経由で移動することが多く東京駅を下車するのはいつ以来?でしょうか。

そんなわけで、さっそくポカをしました。新幹線で東京駅に着くと最初の改札は次の乗り換えの為のもの。JRに乗り継ぐときは意識しているのですが、今回、地下鉄に乗ることにしていたので、うっかり乗車券を取り忘れてしまいました。人は多いし、長い通路があちこちしてて言われた方向に向かって歩いていたのですが、改札を抜けないと外に出られないことに途中、気づきました。困ったことになったなと思い、新幹線の改札に戻って駅員さんに話すしかないと腹をくくりました。

元に戻るのもかなりの距離。無事、たどりつき、道を尋ねた駅員さんに話すと、「あちらで話して」と言われました。どうやら、乗車券を取り忘れる人は他にもいるようです。どこから乗ったか訊かれ、自動改札機の中から乗車券を探してくれました。私の乗車券は見つかりませんでしたが、改札を出られるよう他の乗車券を渡してくれました。事なきを得ましたが、東京駅は、疲れますね、人の多さといろんな通路が張り巡らされていて…。

 

今回、学んだこと⇒東京で新幹線を降りるときは、乗車券の取り忘れに注意!

 

とんで、サントリーホールで行われた演奏会の話をします。

ワルシャワフィルハーモニーは4年ぶりの来日だそうです。前日は、ブルース・リウが登場。私が聴いた2日目は、ブレハッチが登場。ソリストはショパコン優勝者を使うというポーランドならではの人選。

 

日本には素晴らしいホールがいっぱいあるけれど、格式が一番あるのはやはり、サントリーホールかなと思います。ホールに入った途端、ゴージャス感を味わえます。

今回、嬉しいことに、ホールに入ってCD売り場の掲示に、「サイン会開催」のお知らせ。これを見たら、CDを買わなくちゃと、即1枚購入。サイン会の知らせに気持ちが舞い上がり、ほんの数秒の出来事のためにあれこれ思索を巡らせていました。

 

【プログラム】

ルトスワフスキ:小組曲

シューマン:ピアノ協奏曲

ブラームス:交響曲第2番

 指揮:アンドレイ・ボレイコ  ピアノ:ラファウ・ブレハッチ  ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団

 

最初のルトスワフスキはポーランドの作曲家。知る人は知っているのでしょうが、私にとっては初めて聞く人であり、この小組曲も初めてでした。20世紀の作曲家なので、単純な曲でなく民族音楽を素材としていますが、音使いは斬新で、さっと聴いてわかる作品ではありませんでした。何回か聴かないと、感想は書けません。

 

シューマンのピアノ協奏曲のための準備がありました。ピアノ協奏曲がプログラムに入っている時、最初からピアノが設置している時と、この日のように途中でピアノを入れる場合がありますよね。ピアノの出し入れに明確な決まりはなくその時の指揮者や裏方の意向で決まるのでしょうか?

 

楽団員、指揮者、ピアニストが登場してシューマンのピアノ協奏曲が始まりました。指揮者や楽団員とも背の高い人が多いように思いました。ブレハッチは、ポーランド人では小柄な方なのかな、相変わらずスリム。衣装は燕尾服。

冒頭の部分が、ウルトラセブンで使われていたんですね、1年ほど前にSNSで知りました。シューマンのピアノ協奏曲は、演奏をした(アマオケの団員)ことがあるので、馴染みのある曲です。ロマンチックで大好きです。シューマンはヴァイオリン協奏曲も書いていますが、ピアノ協奏曲ほど演奏されないし、人気もないですね。たぶん、分かりにくいのだと思います。

ブレハッチの音は気品にあふれていて、その音がまっすぐ伸びていく。柔らかいのに一つ一つの音がしっかり聞こえる。そして、極上のピアニシモ、いやピアニシシモかな?。物凄いピアニシモなのに、オケの音にも潰されないで、1階のほぼ後方席の私の席までしっかり聞こえる。その音の響きといったら、たまらない美しさ。美音に包まれる幸せ。ブレハッチにしか出せない音に酔いしれる。

3楽章の疾走感もなかなかのもの。疾走といったら、アルゲリッチを思い出す。オケが必死についていっている感じでした。

 

アンコールは、ショパンのマズルカ。マズルカは音数が少なくて、音をさらうことはある程度、ピアノを習った人ならできますが、あのブレハッチの表現は真似できない。ポーランドの景色、ポーランドの魂が感じられました。次のオペラシティコンサートホールのリサイタルが楽しみだわあ。

何回かのカーテンコールの後、またブレハッチがピアノの椅子に座り、弾き始めました。太田胃散のCMでも使われているプレリュードの7番。短い曲だし、ひょっとして受け狙いかもしれません。この曲を弾き始めるとけっこう場内から笑いが起きることが多いです。今回は、静かでしたが、かげでクスッとしていた人はいたようです。ですが、ブレハッチの演奏は、笑うどころかその演奏の素晴らしさに、感嘆!していた聴衆がほとんどだと思います。音のバランスや音色の変化を付けないと様にならない難しい曲ですから。

 

後半は、ブラームスの第2番の交響曲。シューマンとくると、どうしてもブラームスを並べたくなるのはわかるような気がします。穏やかで明るい2番だったので嬉しい。シューマンのピアノ協奏曲の後に、他のブラームスの交響曲は確かに似合わない。

ワルシャワフィルの音は日本のオケとも1月に聴いたチェコのプラハ響の音とも違います。ショパン的な色の音、透明感のある薄いグレーのイメージ。そして、けっこう前にぐんぐん進んでいく演奏のように感じました。間の取り方は指揮者にもよるでしょうが、お国柄もあるのかな?と感じました。

 

オーケストラのアンコールは、パツェヴィチのオベレック。これも初めて聴く曲でした。ユーモアあふれる曲で、金管(トロンボーンだと思う)の面白みのある音が笑わせてくれました。大盛り上がりで演奏会終了。

 

終演後は、CD売り場付近で、サイン会の情報を探っていると、係の人が並ぶ列を教えてくれました。

サイン会はほんの数秒。自分の番の時、考えてきた一言を言い、ブレハッチの声も聞けて幸せでした。

英語をちょっとでも勉強してきて、役に立った瞬間!

それにしてもブレハッチ、小顔。肩幅が小さいのは知っていたけど、顔も小さい。でも、舞台上は、そう見えないのが不思議。