指先から旅をする | 私のピアノライフ  with classical music

私のピアノライフ  with classical music

ピアノ練習、コンサート等で感じたことを気ままに語っていきます。

藤田真央さんを知ったのはクララハスキルコンクールで優勝した後。数分間の演奏を聴きましたが、すごく上手い!

その後、チャイコフスキーコンクールで2位受賞も納得です。その時、この人はモーツァルトが似合うなあと思っていたら、折に触れ、モーツァルトを弾き、名声を高めていくのには驚きました。

オールモーツァルトプログラムで演奏会をしていましたね。ただ、モーツァルトは嫌いではないけれど、ずっとモーツァルトを聴くのかと思うと自信がなくて未だ藤田真央の演奏会に行っていません。そうこうするうちに、チケットそのものが取れなくなってきました。そう、今まさに若手トップランナーを走っていますね。そんなわけで、書籍も出版されました。

 

最初の本は、インタビューや真央さん(藤田は省略します)と共演する音楽家の言葉などを伊熊よし子さんがまとめたものが20

23年の3月に出ました。

そして、12月に2冊目。恩田陸さんとのインタビュー記事以外は、真央さんが書いています。

内容は重複するところもありますが、読んでいて面白いのは圧倒的に真央さん自身が書いたものの方です。

体験をしている本人が書くのですから、心情やらエピソードがふんだんに盛り込まれています。好きな食べ物やホールでのピアノの様子、マエストロとの音楽の作っていく過程など、読んでいてとても楽しい。一流演奏家との交流の話もワクワウさせられます。

一番の驚きはプレトニョフの話。ヴェルビエ音楽祭の際、マーティンの誕生日パーティーで集った音楽家たちが1曲ずつ披露することになったそうです。当然、真央さんも弾いているのですが、何人か演奏を終えた後、プレトニョフが立ち上がり、ピアノを弾き始めたそうです。皆、持ち寄りの曲を弾いたのですが、プレトニョフは皆が演奏した曲とハッピーバースデーの曲を合わせて即興で演奏したんだそうです。これだから、プレトニョフは宇宙人て言われるんですね。聴いた曲をすぐ耳コピーできるだけでも凄いと思うのだけれど、それをアレンジし、なおかつ他の曲もくっつけてしまう。その場にいた他の音楽家(皆一流の人ばかり)も唖然とし、その後、誰も演奏しなかったそうです。

きょう、SNSを見ていたら、プレトニョフがバッハをアレンジし、アルゲリッチと合わせていた演奏を視聴しました。二人の巨匠のいきなアレンジはさぞかし、お客さんは喜んだでしょうね。

 

話は真央さんに戻します。最近、真央さんがテレビ出演で演奏を披露していましたね。(テレビ見ないので、SNSで演奏を視聴しました)モーツァルトのピアノソナタの装飾音がすごくお洒落で、これなら、2時間、聴いても飽きないかもと思いました。そして、自作の「パガニーニの主題の変奏曲」は、ジャズそのものでしたね。プレトニョフも凄いが、負けず劣らず真央さんも凄い。

 

真央さんのピアノに惚れた中村紘子さんも、今の活躍を見たら、「私の目に狂いはなかったでしょう。」とほくそ笑むでしょう。