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山の実カウンセリングルーム・臨床心理士のブログ

河内長野市にて「山の実カウンセリングルーム」を運営しています。 日々の感じたことや考えたことを綴っています。ホームページ⇒ yamanomi.com

認知行動療法的な視点でマネジメントについて書いてみたいと思います。

 

人間の様々な行動は結果によってその増減、維持が決まってきます。

ある行動を取った結果が本人にとって望ましいものであればその行動は増えますし、結果が嫌なものであればその行動は減少します。

さらに行動と結果の時間差が少ないほど効果的です。

 

部下の育成・関わりで悩んでいる上司の方などはこれを活用しましょう。

つまり部下が望ましい行動を取ったときは

「すぐに」

「褒める」

「安定的に」

を結果として随伴させることでそういった行動を増加させることができると思います。

 

増えない場合は「褒める」が部下にとって望ましい結果ではないのかもしれません。

部下一人ひとりにとって価値観が違いますので、そういうときは何がその部下にとってモチベーションになるのか観察してみるといいかと思います。

 

また、部署やチームなどの集団としての成長も上司にとって重要な任務です。

そういう点では「集団」⇒「個人」の順番で褒める方が無難でしょう。

 

集団の成長に部下間の競争心を煽る手法を用いている上司も見かけますがあまり得策ではありません。

部下は上司の動悸をよく観察しています。

そういった上司のもとではメンバー間の関係性が悪くなり、集団としての成績を出すことは難しくなります。

 

あと部下とのコミュニケーションをどうしたらいいか分からない上司もいるかと思います。

あまり「内容」に拘らないことが肝だと思います。

認知行動療法では行動を「数」に置き換えます。

 

複数の部下がいるなら部下それぞれと

・何回挨拶をしたか

・何回褒めたか

・何回電話したか

・何回食事に行ったか

等を記録してみましょう。

結構偏りがあるものです。

できるだけ均等になるようにしましょう。

 

山の実カウンセリングルーム

【「安心のタネ」の育て方】 という書籍を読んで参考になったので要点を紹介させていただきます。

 

「いつもイライラしたり、緊張したり、不安になっている」という方はご自分の中に「安心」が足りていない状態といえます。

「安心」は心地よい身体感覚(内受容感覚)と不快になっても時間が経てば改善するという予測性がある状態といえます。

そのような予測性は自律神経が整うことによって生じます。

そのために内受容感覚を磨くワークが本書では多数紹介されています。

 

自律神経は交感神経と副交感神経から成ります。

さらに副交感神経を背側迷走神経(バックスイッチ)と腹側迷走神経(フロントスイッチ)に分けています。

副交感神経をこのような2種類に分ける観点はポリヴェーガル理論で詳しく述べられています。

 

まずはバックスイッチを育てることで「一人でリラックスできる能力」を養います。

その後にフロントスイッチを育てていくことで「人と心地よくつながる能力」を養っていきます。

 

・日常的に取り入れること

・対処療法的に取り入れること

という点も認知行動療法に取り入れやすいと思いました。

 

気になった方はぜひ書籍を読んでみてください。

 

山の実カウンセリングルーム

 

 

 

「人付き合いやコミュニケーションが苦手」

「相手の表情や態度から気持ちを汲み取るのが苦手」

「興味のない話を聴けない」

「悪気はないのに相手を不快させる発言をしてしまう」

 

上記のような特性をお持ちの方は他者との関係を避けて社会から孤立した状態になりやすい面があります。

ではそういった方々が他者との関係を全く望んでいないかというと必ずしもそうではなく、一方で他者と関わりたい欲求を持たれていることが少なくありません。

そのような状態ですと焦燥感、抑うつ感、不安感が強まり、家にいてもゆっくりゆったり過ごすことが難しいです。

 

そういうとき「仕事」が居場所となり解決策になることがあります。

「こういう状態では仕事なんてとても無理だ」と思われるかもしれません。

しかし、「仕事」というのは「商品を販売する」「組み立てる」「限定された質問に答える」など、役割が明確になっている側面があります。

そういった枠の中での対人関係には安心感して居られる方には仕事が居場所となって長期的に継続できることもあります。