「金沢を歩く」(山出保 著) | 山野ゆきよし日記

「金沢を歩く」(山出保 著)

 前金沢市長山出保氏の二冊目の著書。今月18日に発売。前作の「金沢の気骨」は文字通り、まちづくりにかける想いを著したものであったが、今回は、金沢の散策紹介といった趣のもの。

金沢を歩く


 ご自身の市長として取り組んだ課題だけではなく、金沢の先人たちのさまざまな事績から、県事業さらには私の時代に新たに取り組んだもの(2013年から本格的に始めた「ナイトミュージアム」を”夜を楽しむナイトミュージアム”と小見出しで触れてくれていたのには少々驚いた。)も触れてくれている。

 金沢の歴史や現代の見所を知り、知識の再整理には最適な書。ぜひ、一読をすすめたい。

 あとがきに次のように書かれている。

「まちづくりにはテーマがあってストーリーが必要です。理念のもとに、計画と方針があるべきです。計画と方針に沿って、拙速を避け、識者や市民の意見を聴きながら、ゆっくりとつくりあげていく過程が、まちづくりでしょう。」

 私自身市長に就任にして3年8ヶ月、時代に合わせ、また自身の出自からいってもスピード感を大切にしながら必死に取り組んできた。山出氏が指摘される、理念・計画・方針を、私なりに、理念とビジョン、施策として明確にすることに意を砕き、さらに進めてきた。

 ただ、振り返るにはまだまだ早過ぎはするが、いろいろなことをあまりにも急ぎすぎたような気もしている。反省を余儀なくされたことも決して少なくはない。

 震災がれきの受け入れ、小学校の統廃合、発信力強化、各ステージでの営業等々、焦りながらも可能な限り自らが表に出て対応するよう心がけてきた。いくつか思いもあるが、スピード感を持った仕事を進めたかったからでもある。「識者や市民の意見を聴きながら」丁寧に進めてきたつもりではあるが、「拙速」を指摘されたこともあった。

 それらの反省も踏まえ、この著書の「あとがき」の趣旨を噛み締め、これからも頑張っていきたい。