十戒 夕木春央
内容紹介
殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。
浪人中の里英は父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業する為に集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、
十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“ この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。
守らなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命がなくなる ”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。
父方の伯父・大室脩造が所有している枝内島に、里英は小さい頃にしか行ったことがなかった。
その伯父が旅先で交通事故に遭い亡くなってしまった。
残務整理をしている父に、伯父と知り合いだったという不動産屋がリゾート計画を持ちかけた。
周囲が1㎞ほどしかない枝内島は桟橋以外は崖で、父にしたら
持て余していた島で、トントン拍子のように下見に行くことに
なった。それに同行したのが、美大浪人中の里英、一番時間の
融通がきくだろうと。
不動産屋が声をかけたのか?かけられたのか?父と里英の他に
7名、総勢9名の下見旅行が始まった。
島に着いて早々~ 別荘や周りに建ててあるバンガローを見て
回ると、なぜか?そこには大量の爆弾が。。。 そしてなぜか?ボーガンも。。。 その夜、一人殺された。
兄が爆弾やボーガンを所持していたのか?不安にかられた父は、すぐに通報するのを躊躇した。
カレンダーのきれっぱしに書かれた十の戒律、このメンバーの中に犯人がいる。だけど犯人を捜してはいけない、戒律の一つで
ある。もし守られなかった場合、起爆装置で爆破させると。
犯人の指示で、3日間島に拘束されることになったメンバー達。
犯人が誰か?なんて考えてはいけない、明日は自分がターゲットかもしれないし?極度の不安を抱えながらその犯人の指示に従わなければいけない、それが続くともう普通の精神状態ではいられなくなる、いろいろな場面の描写があまりにもリアルで、恐いのか気持ちが悪いのか?もう~あまり考えないようにして読んだ。
初めての作家さんでした。あっちの町で60人も予約が入っていたから、どんなもんだろう?と予約したらすぐ借りられちゃった。
大勢の方が予約している本は読んでみようと思うけど、ちょっと苦手な内容でしたね。
それにしてもこの犯人、なぜ?普通にしていられるのか?みんなの為にしたのかもしれないけど、やっぱり犯罪は犯罪。
でもなぁ~… 墓場まで持って行くような告白。 その前に、私は毎日普通に暮らせるかが自信がないのだけど。