柳沢峠を出発して、雲峰寺・上条集落重伝建とたどってきました。
今日はこの後、甲州市塩山郊外の竹森から秩父往還に沿って下りながらいろいろ見ていきます。二度目の場所が多いけれど、違った目線になっていることでしょう。
①高森院(甲州市塩山竹森の県道207沿い、玉宮簡易局の北)、その他
アジサイの陰に六地蔵石幢。ここから少し歩いて、集落をめぐってみる。
高森院入口には一石六地蔵が並んでいた。
県道の西側に金剛院があるが、公民館のようだ。石の色が面白い。
ひっそりとした集落を抜けていくと、さりげない蔵も残っていた。
ぶどう畑の間を流れる水路の脇に数体の石仏があって、草と一体化。
石祠に納まった丸石道祖神。甲斐国に来る度に、すっかり見慣れた風景となった。
歩けば目に止まるのはぶどう畑ばかりだ。持ち主によってやり方も違うようで、値段も違ってくるのだろう。
ちょっと高級そうだ。手間もかかりますね。酷暑は大丈夫なんだろうか。🍇
もももある。🍑 ビニールが敷いてあるのは、なんのためか。ピストンさんちゃんさんのご教示によると光線の反射で色づきや味を良くするためとのこと。なるほど!
歩きついでに西の集落はずれまで。そこに坂尻六地蔵幢。
龕(がん)の中に六地蔵がいて、外側にも六地蔵がいる。ということで合計12体。
わかりやすい説明板です。ちなみに現在は、甲州市塩山竹森です。
県道に出たら玉緒神社がある。入口に丸石道祖神が固められていた。
境内には養蚕碑がある。こかげやま、と読むのでしょう。
玉宮簡易局の向かいで、予定外の発見をした。石垣と基壇の上に丸石道祖神その他あり。ひまわりが、いい味を出していた。
②延命院(前述のエリアより少し県道を南へ下って、新道の中島橋渡った東側)
ここには閻魔堂と十三佛堂がある。ガラス越しに覗いてみた。左から三体目が奪衣婆だ。怖い顔をしている。
石段脇の一石六地蔵。みんな微妙に表情が違っている。
集落の方を見ているのもあった。竹森エリアはこれにて終わりです。
フルーツラインで丘越えの近道をして、秩父往還へ。
③秩父往還三富エリア(旧三富村の川浦温泉あたりから南下する)
このあたりは今は山梨市三富上釜口という地名です。
天科温泉と川浦温泉の中間地点で、R140の旧道に史跡お伊勢の宮がある。あまり情緒ある史跡ではないけれど、ここを南下の出発点とします。
鬱蒼とした旧道の斜面に、新旧の石仏が点在している。
奥には観音石仏とか、
一石六地蔵群もある。この程度です。
車移動で少し南の旧道から国道下をくぐっていけば、川浦温泉の寂れた街となる。山県館の向かいに小さな石仏群がある。この界隈の寂れを反映しているみたいだ。
とはいえ山県館は二人で3万~7万が相場らしい。
国道に出たらすぐに左の坂道を登っていくと雷集落である。ここにも静かな風情が残っている。
集落中程の路傍にて。
最奥部の善福寺にはこれといったものはなくて、近くの不動滝も崩壊や倒木で近寄れなかった。このへんも養蚕農家が名残をとどめている。
しばらく南下すると右手に分岐する道があって、これが乾徳山登山口の徳和である。徳和は何度も見たし、今日はパスしていく。
その先の三富下荻原の玉蔵院の先に山王社がある。かなりわかりづらいし停めづらい。目当ての石仏は、もぬけの殻だった。
次は笛吹川左岸に移って、三富上柚木の大神宮。道祖神は草に埋もれたのか、養蚕碑が建つのみだった。なかなか目の覚めるようなスポットには出会えません。
④秩父往還「道の駅 花かげの郷 まきおか」周辺
次は道の駅を起点にして、少し歩きます。唐土神社へ向かえば、ぶどう畑と一石六地蔵。
唐土神社の草むらの狛犬。
向かいのほうとう屋さんの駐車場に「武田狼煙台」というのがあった。
道の駅の敷地には牧丘郷土文化館のレトロ建築がある。明治8年に藤村県令によって室伏学校として建設された。
隣接する圓照寺にも立ち寄って。
少し南側の室伏バス停に室伏道祖神と丸石地蔵がある。ここは石造物の大きさからしても見応えのある場所だ。
まずこの丸石道祖神。草やコケの生え具合が洒脱だ。
隣りの碑は蠶影大神だった。こんな巨大な蚕神は見たことがない。そして左の生け垣の角に、
丸石地蔵と呼ばれる(googleマップにそう書いてある)、見事な丸彫り地蔵。この居住まいが、ただ事ではない。素性は何もわからないけれど。
すばらしい。
今朝は4時起きしていろいろ見てきたし、30度超えの暑さで疲れた。
あと2個所、大寺を訪ねて終わりにします。まず放光寺。仁王像一対。あとは広い境内に視線を巡らせて、足早に涼しい車へ戻る。
本日最後は、恵林寺(えりんじ)です。ここは武田信玄の菩提寺であり、普通のお寺とはスケール感覚の次元が違う。自動券売機で拝観券を買って、内部を拝観していく。
廊下から眺める庭園。
この渡り廊下をゆくと「うぐいす廊下」となって、武田不動堂に至る。そこは撮影禁止。
最奥部には信玄等身大の不動明王が祀られている。暗闇の奥でライティングされた姿は、ちょっと言葉では表現できない。凄み、感銘、驚愕がある。(画像はパンフレットより)
復路は冥歩禅(お戒壇巡り)をして庭園廊下へ戻っていく。
恵林寺庭園は池泉廻遊式。夢窓国師の築庭である。
最後に本堂入口に戻って天井を見上げた。これほど曲がりくねった梁を多用して、束の墨付け寸法を出すのはどれだけ難しいことか・・・
後から気づいたけれど、山号は乾徳山。つまり乾徳山恵林寺なのには驚きました。
乾徳山に登ったら、恵林寺関係の何かがあるんだろうか?
二日目へつづく