佐渡の外海府海岸は荒波ばかり(6) | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

佐渡上陸四日目に、日蓮聖人は何を考えただろうか。世阿弥は何を。

私は今、今日で佐渡一周ドライブが終わることだけを考えている。もちろん軽くドライブとは言い切れない、海鮮丼的な彩りと味のある旅なのです。

 

【2024年5月22日(水)】 相川~外海府海岸~大野亀~弾崎~両津

 

昨日は相川にたどり着いて、金山を見学しただけだった。なので今日も早起きして、相川の町並みを歩きます。選鉱場の駐車場から帯刀坂を登っていった。眼下には下町の屋根が甍の波を描いていた。

 

まず佐渡奉行所へ。女人検めを嫌って、時間外に来ました。

 

ここからは町歩きマップのコース。下京町から上京町へ、京町通りを上がっていく。レンガ塀の通りが入口だ。塀の内側は佐渡版画村美術館(旧相川裁判所)になっている。

この界隈は伝統的な町家と鉱山労働者の社宅が入り混じっているのが特徴。社宅も幹部用の戸建てと、普通の長屋の二種類がある。富岡製糸場でもそういうのを見た。

 

今はもう鉱山労働者いないですから、すべてがのどかな雰囲気。この道は尾根筋の一番高い所に通っている。一段低い裏通りもある。この道をずっと行けば金山だ。

 

改修工事中の町家があった。ここは裕福な家だったのか。

 

適当な所で裏通りに入って、また下っていく。歴史を感じる朝の散歩にぴったりの、相川の町並みだった。昨夜のライトアップで見た選鉱場とシックナーを上から眺めてみた。興味深い佐渡金山だった。

 

町歩きが終わって7時10分。相川を後にする。相川中心部から佐渡一周線で出ようとする所、右カーブの左手に千畳敷の小さな案内板がある。左折すれば海に面したぶっきらぼうな駐車場がある。左を見れば、誰しも驚きの声を上げるでしょう。海中歩廊と夢の桟(かけはし)!

二つの橋を渡った防波堤の先に千畳敷が広がっている。

朝の岩礁が美しい。

 

さて防波堤の先端から千畳敷に降り立った。あの波打ち際まで行ってみよう。

 

こんな平磯でも感動的。

波に呑まれないように。

 

果敢に立ってみた。

帰りは防波堤をへつってみた。この後で海にドボン、ということはなかった。

 

今度は高台に登ってみると、今遊んでた楽園が一望できた。エキサイティングだ。

高台には石灯籠が建っている。電球をぶら下げた時代のものか。

 

そこから走ることほんのわずかで、左へUターンで下って駐車場へ。ここは弁慶のはさみ岩だ。

 

はさみ岩はどこなのか、Pからは見えない。この壁の裏側ではないのか。

あった。秘められた絶景が。

 

次は尖閣湾直前の姫津漁港の北側、Googlemapで大地の割れ目を発見した。誰もいかないスポットを訪ねてみた。海から切れ込んでくる細い入江が、

どんどん細く食い込んで、奥には滝が懸かっていた。周囲の環境はあまりきれいではないが、激レアなジオだった。(非公式エリアへの探訪は自己責任でお願いします。)

そしてすぐに尖閣湾、ここはメジャーな観光スポット。有料エリアなので、遊歩道から眺めるにとどめた。

 

尖閣湾を離れて1.5km、海側に駐車場があったので思わず入り込んだ。海に突き出した大岩の山はボウズ岩。予定外のジオサイトだ。登るか?と聞くと、行くと言うので。

こんな波蝕のオーバーハングの下を登っていく。一応道がある。

意外と開けた隆起海食台だった。

ここにも咲いていた。

 

また道なりに進んで、戸中集落過ぎて法面の切通の右カーブ。左手に数棟の建物と駐車スペースあり。平根崎に到着。ここは石灰質砂岩の大斜面と波蝕甌穴群(国天然記念物)がビッグな見どころだ。見下ろせば海に向かって一直線の大スラブが広がる。見た瞬間に、これは降りれないと思った。

 

でも冷静さを取り戻せば大丈夫。せり出した地層端部がストッパーになってくれるだろう。

勇敢にも降りてきました。

ここはトレイル用のシューズ又は登山靴でなければ下れません。クライミングの技術が必要です。

 

すぐ一段下に波蝕甌穴が見えた。ここも海だった、そしてスラブの傾斜の分だけ傾いて隆起したということか。

 

波打ち際にもたくさんの波蝕甌穴が見える。見事だ。プライベートプールになりそう。

一瞬で波に呑まれた。

 

南へ連なる、平根崎の超大斜面。圧倒的です。

上部には巨大なクラックが走っている。金山もいいけど、自然の景観には打たれるものがある。

 

さて5キロ走ったら藻浦崎だ。公園になっていて、マルバシャリンバイがたくさん咲いていた。バラ科の海岸常緑低木で円葉車輪梅である。

岬の岩に竜王大明神が祀られている。

 

スカシユリの群落を通り抜けて。

大明神へ。

狛犬の動きが大胆で力が入っている。

 

藻浦崎の海岸線。

 

さらに1キロちょっと、後尾集落入口の右カーブの海側に影の神がある。駐車地点はわずかなので、徐行して探す。金北山頂の祠の影がここに映るといわれる。それが本当なら見てみたい。途方もない巨岩である。

溶岩が固まってできた壁。登れそうな気がする。

 

鮮やかなコバルトブルーだった。

 

影の神から2.5kmで入崎に到着。ここも予定外。弁天堂が建っている。

この海岸も岩が絶妙。コンクリの細い歩道が延びている。

 

なんだか全部が白いぞ。

これもたけのこ岩と同じ枕状溶岩だろうか、わからない。とにかく佐渡に関しては一冊、本が欲しい。学術的過ぎないやつを。

 

まだまだ外海府海岸は続くが、探すのが難儀だったり駐車地点も難解だったり。ついスピードに任せて通り過ぎてゆく。大野亀まで20kmとかいう標識も出てくる。16年前の真夏には、相川から二ツ亀の民宿まで50kmをランニングしたのだが。よく走ったものだ。なんにもない海だけの外海府を。

つづく