秋田の記録も書き終えないうちにまた出かけてしまったので、間があいてしまいました。今回の秋田遠征は男鹿半島のお山かけをして、秋田市のシンボル太平山は中岳の登頂にとどまった。中岳よりも標高の低い里山は、興味度レベルがかなり低いことも分かってきた。
なので最終日は、いままでに訪問しそびれていた神社その他史跡を全部訪ねてしまおう。
①薬師神社(大仙市蛭川寺屋敷)
大曲を流れる雄物川の西に幾つかの目立つ里山がある。最も高いのが大平山(姫神山)で、林道を分け入った中腹に薬師神社が鎮座している。広大な神域を抱えていて、奥深さに驚くほどだ。
駐車スペースに案内板があって、古い絵図は菅江真澄が描いた薬師堂全景。
朝7時の参道を登っていく。資料で見るのとは全然感触が違った。一の狛犬一対。
森の番人のような座り具合である。
そして二の狛犬一対。こちらは躍動感がある。毛の渦のぼこぼこが光に浮かんでいる。
すでに気分も盛り上がってます。
神仏習合なので扁額は薬師堂になっている。廃仏毀釈の折には外して隠されていたのだろう。
拝殿と、龍に乗った薬師如来。拝殿の扁額は「薬師社」だった。
奉納額にも全山の絵図が描かれていた。(実物の縦横比を編集加工してあります)
さらに、本殿へ回り込んでみると軒下には力士の彫刻が。海老虹梁や木鼻と共に、素晴らしい彫刻です。
睨んでます。歌舞伎役者の見得のようだ。
いろいろと細かい仕掛けもあって、見どころ多い神社でした。
まだ続きがあります。駐車地点よりも下方の参道には三十三観音石仏が点在している。
そこに不動明王が紛れ込んでいた。
②月山神社(大仙市川目字川目)
街へ戻って、雄物川東岸のバイパスの飯田IC近く。セブンの前の細道を入る。
この狛犬は今ひとつ、もうちょっと何か欲しいところだ。
③八幡神社(大仙市内小友宮前)
次は山根ICの南東の田園地帯。手持ちの資料の写真では社殿が朽ちて崩壊しそうだったが、すでに何も建っていない。
狛犬や灯籠は石だから、朽ちることはない。社殿はどうした?
左の方に小さな小屋が二つ見えてますね。
こちらは聖不動尊堂。如意輪観音その他。
もう一つの方には、仁王さんのお面が祀られていた。平成8年の覚書によると、数十年前に参拝者の不注意で焼失したため新面を作り直したとのこと。
こちらが新しいほうのお面で、
こんな姿だったようだ。
このように、お面にも長い歴史があるらしい。社殿はもう建たないのだろうか。
④日吉神社(大仙市内小友字中田宮東)
その南方の田んぼの中にある。弘化2年の庚申塔が面白い。
いろんな文字碑が並んでいる。鳥海山や太平山、右端は若木山?
向拝の透し彫りです。
⑤三輪神社(羽後町杉宮字大門)
さて話は飛んで、一気に横手市を飛び越えて羽後町に入る。県道36ですいすいと南下した。ここで二社ほど巡る。ぐるぐる巻きの不動明王。
社殿がずらりと横並びしている。ここはさくっと行きます。
⑥元稲田神社(羽後町杉宮字元稲田)
こちらは稲荷社らしく鳥居が立ち並んでいる。
古びて味のあるきつね様。
拝殿前にも新旧大小たくさん並んでいた。
きつねか狛犬か分からないようなのもある。明るい雰囲気なのがいい。
右手の祠には石造物が2体、不思議な形をしている。なんでしょう。
これは繭型の養蠶神だった。しかも上部にはカイコガが二匹、後付けされている。きわめて珍しい造形だ。この地方でも養蚕が行われていたということ。
左の方は淡島様でした。女性のしもの悩みの神様。
別の小祠には丸彫りの龍神がいた。稲荷神社といえども、いろいろと楽しませてもらいました。
もうじき10時といったところです。「道の駅うご端縫いの郷」でちょっと休憩していきます。家内はまた地場産の野菜をたくさん買い込んでいた。
つづく