秋田市郊外の神域をめぐる | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

太平山前岳・中岳から下山して家内と合流して、たっぷり時間のある午後を迎えました。

秋田といえば羽州街道の通過地点。羽州街道は2016年に福島の桑折から秋田までを走り旅スタイルで踏破した。延べ10日間かかった。秋田から青森までの残りは2018年に車でトレースすることになった。だから羽州街道の風景は全部目に焼き付いているわけです。(その記憶をすぐに呼び戻せるか否かは別として)

秋田・青森編を車で行った時に訪れた秋田市郊外のスポットへ再訪することにしましょう。

 

①藤倉神社(秋田市山内藤倉)

前岳登山口&秋田市植物園から県道15を戻ってくると、最初に目に付く神社である。狛犬は嘉永5年。

 

文化・文政の庚申塔はそっくり兄弟だった。

祠の中にはしっとりした子安観音。

 

仁王門ではなくて、仁尊王堂が建立されている。

やはり仁王様は金網無しで、こうして拝見したいものです。コンパクトに、いろいろまとまった神社だった。

 

②補陀寺(秋田市山内田中)

県道をさらに少し市街地へ向かうと右手に大駐車場がある。坂道を登ると楼門がある。

こちらは金網張りの仁王様でした。

 

この寺院の特徴は、楼門上の十六羅漢を拝観できることだ。知らないと、うっかり見過ごしてしまう。曹洞宗寺院である。修繕されたのか、きらびやかな感じ。

 

道に出たらマンホールあり。秋田竿燈まつりのデザインです。カラー版もあるはずだ。

 

③七面観音堂(秋田市太平八田上八田)

次は麓から県道232へ入り直す。前岳の金山滝登山口へのアプローチだ。途中の左手に極レアなスポットがある。路駐して立ち寄る程度だが。狛犬さん、文久4年。

この場所はマピオンでも表示されなくなったし、Googlemapにも出てこない。幻のお堂です。

 

④三吉神社(秋田市太平八田堂ノ前)

県道を山のほうへ向う。堂の前バス停から左に細道入って社務所前の駐車場。

嘉永2年に金山滝からの中岳木曽石コースが再興された。太平山前岳・中岳に至る信仰登山はここから始まっている。午前中に登った中岳の出発点に戻ってきたということです。里宮と奥社を結ぶラインが登山だと考えれば興味も湧いてくるだろう。

 

祠にいろいろな石仏が祀られていた。不動明王のところには火結神と書いてあった。

 

左は鍾馗神、右は火結神。

 

これが太平山全体の守護神である三吉大神だ。三吉様には像容も多種あって、ここに書ききれない。奥深い信仰がある。

こちらはそのバリエーションの一つに過ぎない。とても印象的だ。

 

さすがは三吉神社で、扁額も多種多様。

拝殿内もきらびやかで、一つ一つにうんちくがありそうだ。

 

各集落の名を掲げた、祭りの様子。

 

⑤若宮八幡神社(秋田市太平中関字八幡野)

次は県道28へ。太平山奥岳の野田登山口への道だ。鳥居があって狛犬がいて、

 

拝殿を見たら何かいるぞ。ニホンカモシカだ。じっとこちらを見て動かない。動かないという特性は種固有の性格らしい。

3分の見つめ合いの末に、もっそりと移動していった。

 

⑥磯前神社(秋田市上北手小山田)

カーナビでここまでたどり着くのも心細いもので、不安のよぎるアプローチである。

 

僻遠の地に不釣り合いな石仏群が迎えてくれた。美しい如意輪観音の数々。

 

石段を登ると、出ました!

 

あまりにも個性的すぎる、狛犬。手前の半顔欠けたみたいになっている。座り方も面白いし。

 

阿行なのに吽みたいな顔をして。

2.5頭身の愛嬌にあふれている。

 

本殿のほうを見ると、ここの力士は大きさといい写真映りの良い類だった。典型例として、四体をご紹介します。

秋田の神社建築の密かな特徴である「力士」。これほど田舎の片隅の神社にまで存在しているとは。力士大工みたいなのがいたのだろうか。髪型だけはどれも同じだ。

 

⑦太平山三吉神社(秋田市広面赤沼)

いよいよ秋田市街へ戻ります。ここは総本宮であり、最も広大で豪壮です。

由緒書き

 

奉納酒樽も太平山が頂点だ。

これが問題の山頂建造物群。登山道崩壊で行けなくて、今後はどうなってしまうのだろう。

山ガール登山というのも企画されていたが、この先は、、、

拝殿は超巨大です。

拝殿内には凧も飾ってある。

 

銀行による奉納物、これは何というのか。

 

こちらは太平山遥拝所。

しかしあれに見ゆるは奥岳ではなくて、前岳・中岳だと思われます。実は驚くべき事実を発見した。この総本宮社地と中岳と奥岳は一直線上に並んでいるのである。だから奥岳は肉眼では見えなくて、心の目で見るしかない。

当社は白鳳2年(673)の創建であるが、社地の選定にあたってはこのような計り知れない要因があったに違いない。(以上は私の推論に過ぎません)

 

今日も頭と身体を十分に使ったので、ここらでおしまいにします。

秋田で、あと一日。

つづく