今回は虫倉山に始まって、松本・安曇野・信濃大町をぐるぐる回った。三日間の最後は、結局高社山に登ることになりました。信州中野の北方にあって、斑尾山と対峙している。以前から気になって、登りたかった山の一つです。
残雪を踏んでガスの中へ
本日のGPS軌跡。主な登山ルートは、東の「よませ温泉スキー場コース」と西の「谷厳寺(こくごんじ)コース」がある。今日は後者で。
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2024年4月17日(水)】 谷厳寺駐車場7:05~1050m分岐(阿閦・大日如来)8:40~高社山9:45-50~駐車場11:35 行動時間:4時間30分
谷厳寺に到着したら土砂降りの雨だった。しばらく様子を見るが、観念してカッパを来て準備をする。小降りになったところで出発です。ここの桜は散り際を迎えて、なおかつ盛りであった。
やっと高社山に登れるというのに、この天気はないでしょう。登山口標識が半端でない。
少し農道を登ってから、お寺の墓地を突き抜けていく。
どこまでが境内の続きか分からないが、枝垂れ桜も豪華で美しい。
登山道になって登り始めると巨大仏のオンパレードになった。不動明王など。
その他いろいろ。十二支の守り本尊八体佛で、ある方の寄進によるものらしい。
ぼちぼち雨も止んできたし、カッパを脱ぐことにしよう。
登山道には線刻仏も随所にあって、谷厳寺を起点とした信仰の山であることが覗える。
ここには普賢菩薩と天狗の投石など。
タムシバが少し。今年はあまり出会えなかった。ガスが上がって尾根も見えてきた。天気とはうらはらに、快調に登っていく。今日は足が疲れる気がしない。
点在する石仏はみな線刻だ。
カッパを脱げば気分も爽やか。このコースは冬でもいいらしいから、今日は偵察も兼ねてます。
シュンランを見つけた。とても華やかな花だ。
オオイワカガミの葉がじゅうたんのよう。
1050m地点で、ベンチのある休憩広場に出た。山頂へ続く尾根も見えるが、また雨が降ってきた。
ベンチの陰の、こちらは阿閦如来だったか。
またガスに包まれてしまった。まったくついてませんね。
道は概ね良い雰囲気なので、なんとか登っていける。
そろそろ残雪も出てくるが、ほとんどやせ細っている。
1250mの肩を過ぎるとアップダウンの続く頂稜になって、左頭上に洞窟が見えた。何か祀ってある。
洞窟の先で右へ巻いていく道があるが、ルートは左の岩場のほうだ。残雪の先端から鎖へと続くので慎重に。岩場はステップが多くて楽だった。
クサリ場から這い上がってきました。いよいよ終盤です。
次のコブには巨大な石祠があった。今まで見た中でも最大級のものだった。先を急ぎます。
最後はぐっと雪も増えて、もう山頂まで途切れることはない。
まもなく山頂です。
なんにも景色の見えない、高社山山頂。こんな山もいいんじゃないでしょうか。
登れること自体に期待感を抱いていた高社山だった。少し残念だった気もしますけど、良しとしよう。
気分良く下っていく。
下山したら青空。微妙で複雑な気分。もう一度登るか!
今朝とはすっかり雰囲気が変わってしまった。花見客がまだたくさんやってくる。
道の脇には吹き寄せられた桜の花びら。車も花びらに埋もれていた。下山完了。
せっかくはるばると信州中野まで来たので、土人形資料館に立ち寄っていきます。正月に来た時は休館中だったので。
たかが人形と思っていたが、素朴でほのぼのとした味わいがある。
中野市では二つの主流の家系があるそうで、技術が代々受け継がれている。大福帳を掲げているのは、帳面大黒。
ねずみ大黒 白ネズミは大黒天の使者で、縁起が良い。この発想と造形が魅力的だ。
恵比寿・大黒天 七福神揃い物なら、さぞかし豪華だろう。
ふぐ乗り大黒と鯛乗り大黒、部屋に飾りたい。
ちょっと古いのも味がある。
伝説の苅萱道心です。
なんと、蚕神まである。女神というより土俗信仰の趣がある。
奈良家七代目による、ぶた猫。
土人形の世界は山とは真逆だと思う。極小の限られた空間の中に、美と遊び心を追求・表現していく。山は降っても晴れても、無限大なのだ。
帳面大黒に願いをこめて・・・
おわり