群馬合宿の二日目は榛名山です。
榛名山というのは面白い山で、二百名山程度にしておくのはもったいない。榛名連峰と呼ぶのがふさわしいほどたくさんの峰があって、個性がある。山の奥深さには欠けるかもしれないけれど、場所・季節・スタイルを変えて何度も楽しめる山であります。
雌岳から見下ろす、鋭鋒水沢岳(と赤城山)
本日のGPS軌跡
電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)
注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。
【2024年3月16日(土)】 榛名山二ツ岳+孫岳~オンマ谷
ヤセオネ峠駐車場9:05~オンマ谷分岐9:30-35~孫岳分岐10:00-05~孫岳10:17-22~雄岳10:45-11:00~雌岳11:35-45~オンマ谷分岐13:05~駐車場13:40
行動時間:4時間35分
峠の駐車場は先客1台で、相馬山にでも行ったらしい。今日は珍しくレイトスタートです。この二ツ岳を登れば、榛名山の主だったピークはほぼ登り尽くしたことになる。
初めて榛名湖まで来たのは高校卒業の春休みで、雪の降る中を自転車で上ってきた。確かユースホステルに泊まったはずだ。あれから何年経つかな。
このエリアは地形図を見ても、どこが谷でどこが尾根なんだか判らない。とりあえず最初は林道の下りみたいです。先週の雪がしっかり残っていて、かすかなトレースが実に歩きづらい。
木々の梢を突き抜けるようにして、雄岳がそびえている。夏だったら3時間で周回できるコースだが、今日はそんなに甘くはなさそうだ。アイゼンとチェーンスパイクを担いでいる。
榛名五林班林道を下りきった。ここから山道に入っていく。青空だし、雪山ハイクになるだろう。
雪に埋もれた橋を渡って、雄岳本体に取り付いていく。榛名山の未知の部分なので、気持ちも弾んだ。
キックステップで登っていても、脇を見れば落ち葉だらけ。数日前のトレースを追っていく。
背後には相馬山へ続く稜線が透けて見える。
雪を踏んだり岩を踏んだり、いろいろ。
次第に大岩が出てきて、アクセントとして面白い。二ツ岳は榛名山の寄生火山で、かつては活発な火山活動をしていた。噴石は福島県まで飛んでったらしい。
そんな道を登っていく。
高度差にして150mを登った地点にこんな標識があった。家内が「一人歩いてるトレースがあるよ」と言うが、それはアニマルトレースだった。でもこの孫岳というのは初耳だ。二ツ岳の第三のピークで、夏道はない(フミアト程度はあるのかも)。
これは面白そうだから行ってみよう。
かなり古いテープがところどころに付いている。つぼ足で、スネまでもぐる程度だが、上りになると力が要る。GPSも頼りにして進む。
西側から尾根筋に上がっていくと小高い岩峰が見えて、あれが頂上かと思う。登るのはたいへんそうだ。
違いました。もう少し先があります。
ここが孫岳山頂です。ひとときのラッセルを楽しませてくれた。眺めのほうは、、、
なんとすばらしい! 雄岳と雌岳が並んで見える。これは孫岳ならではの展望だし、冬の特権だ。山頂のアンテナが目障りだけど。
雄岳の山腹には岩峰が三つ並んでいる。登山ルートはあの上を越えていくようだ。
面白すぎる。
小さな孫岳に満足して、分岐へ戻る。次は雄岳へ向かう。木立の地盤は全部岩になっている。
問題なく登って行けば、アンテナ施設の建つ雄岳山頂エリアだ。
建物脇からあまり見栄えの良くない山頂に登り上がった。展望は方向が限られるけれど、まあまあ。上信越国境の山々が見える。
榛名富士の向こうには浅間山。
昔家内とトレランで上がってきたら、榛名湖がガチガチに凍っていて震える思いだった。あれも笑い話となった。
こっちは相馬山である。相馬山も水沢山も、見る角度によって全然形が違うのだ。では雄岳を後にして、雌岳へ向かいましょう。
こちらはトレースが少し増えてる感じ。特に迷うこともなく。
はい、雌岳に到着です。先着していた地元っぽい方が「孫岳に登ってきましたか」とか、いろいろ話をした。あれが男体山ですよ、などと教えてくれた。(知ってますけどね)
手前が小野子山? 遠くは谷川連峰で、真っ白。
トマノ耳、俎嵓、万太郎、その他。あの雲では風が強そうだ。
では雌岳を辞して、オンマ谷へ下ります。どこの斜面も、面白いように岩だらけだ。
オンマ谷へ下り着いたら、今度は平らの難関で雪も緩んで難儀だった。
谷間に満ちる、午後の日差し。
オンマ谷は二ツ岳と相馬山に挟まれた、広大な窪地。迷路のような谷間だ。
やっと今朝の分岐にたどり着いて、また雪道の林道を上っていく。雄岳も輝きを増していた。これで榛名山も大きな一区切りとなるだろう。他の山が呼んでいる!
孫岳にも登って、得した気分の一日だった。
明日へつづく